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定年親父の解体新書 〜『親父ギャグ取扱説明書』から始まる、シラケ世代の令和サバイバルショートショート〜  作者: 松本 俊介


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♯1 社内コミュケーション活性化施策を企画せよ

私は田村誠一、63歳の契約社員だ。


ある日、上司の木下課長に「田村さん、ちょっといいですか?」と呼ばれた。木下課長は、ついこの前、

課長昇格し、本社から支店に赴任してきた、いわゆる若手エリートだ。


「上からのオーダーで、社員のコミュニケーションを活性化する施策を考えろと言われていて。一応、皆さんの意見も聞いておこうと思って。」


「あ、そうでしたか。ちょっと考えてみますね。」


以下のことを考えた。というか、以前から考えていた。


「親父ギャグ」をうまく使えば、社員とのコミュニケーションはいくらでも活性化するのに......


私の世代は「しらけ世代」と呼ばれてきた。生成AIに尋ねると、こう説明される。


しらけ世代(1955〜1964年頃生まれ):日本の高度経済成長期に育ち、学生運動が下火になった時期に青年期を迎えた世代。政治や社会問題に冷めた態度をとることからこう呼ばれた。主な特徴は「三無主義(無気力・無関心・無責任)」「個人主義」「サブカルチャーの発展」など。


カテゴリー分けには弊害もあるが、わかりやすさのためにはある程度必要だ。


上の世代は、元気バリバリの「団塊の世代」怖いものなしの世代だ。

会社に就職したとき、先輩はこの世代が、会社をもっと言えば世の中を回していた。で、われわれは、静かにしていると「しらけるな」と。


そんな「しらけ(よく言えば冷静)」世代から会社への最後のプレゼントとして、マニュアルを作成してみた。

巻末には50選の厳選した親父ギャクを掲載し、「★★★☆☆ / 要注意」など、使用上の注意レベルがわかるようにした。


例えば、「あたり前田のクラッカー」という親父ギャクはよく聞いた。そんなの当たり前でしょうというときに、使っていたが、今の若い世代、何人、前田製菓のクラッカー買って食べているか? といった若い世代の受け止め方からの考察も行った。


会社が親父ギャクを推進する場合には、例えば、毎日、唱和できるようなカレンダーつくって職場の壁に掲示するとか、幹部に説明に入る際は、親父ギャク言って、合格点が出ないと説明は、リスケとか、推進の仕方はいくつでもある。ある特定の年代は、職場のリーダーとして力を発揮すると思う。

普段、後ろ向きの意見を言ったりすることもあり、職場への影響も一定ある年代でもあり、違う方に関心を向けるのは良いかもしれない。

ただ、一方で、親父ギャグが乱発されることで、ある年代には、確実にやる気がなくなったり、生産性が落ちるリスクはあると思う。

そういうことがないように、ルールを決めてコントロール下に置くのが肝要だ。


言葉は本当に素晴らしい。一つの言葉で夢も与えられるし、元気も出る。しかし扱いを誤れば、争いの火種にも、職場の不協和音にもなる。薬の「効能と使用上の注意」のような存在だ。


さて、木下課長はこれを見てどう反応するか。楽しみだ。


【マニュアルの構成】

タイトル  社外秘|親父ギャグの取扱説明書(管理者限り)


はじめに:なぜ今、親父ギャグなのか?


第1章:【効】親父ギャグがもたらす驚くべき効能

1. 脳トレ・認知症予防としての側面

2. コミュニケーションの潤滑油


第2章:【罪】一歩間違えれば大惨事!親父ギャグの罪と罰

1. なぜ現代の職場では「凍りつく」のか?

2. 厳禁:三大・罪深きギャグ


第3章:【実践】最適な文言を選ぶTPOセレクト術


第4章:【リカバリー】滑ったあとのお片付け


おわりに:クスッとした笑いで世界を救う


○添付資料:親父ギャグ50選・職場運用有害度データ

続く

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