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第65話「黄金の細枝、あるいは絆のプレリュード」

「パンに祝福を! 今夜は見ての通り、この鋭利で気高い『グリッシーニ』が主役よ!」


あかりが細長いグリッシーニをタクトのように軽やかに振り回しながら、カメラに向かって快活に笑います。傍らではココがキーボードで弾むようなリズムを刻み、ゆんも心地よい低音でメロディを口ずさみながら、楽しげにリズムに乗っていました。


「このパン、見た目は細いけれど、その実体は凝縮された情熱の塊よ。ポキリと小気味よい音を立てるたび、心が軽やかに跳ねるのを感じるわ。……そう、先日の『あの報告』を聞いた時の、弾けるような喜びとともにね!」


あかりはグリッシーニを一本、豪快に噛み砕きます。


「あはは! あかりちゃん、あの日からずっと上機嫌ですね。教徒のみんなが自分たちでイベントを立ち上げるなんて、最高に面白い展開ですよね!」 「……ああ。おれも、あの熱意には驚かされた。自分たちで舞台を用意して、あかり様を招こうだなんて。その真っ直ぐな意志は、まさにこの一本のグリッシーニのように淀みがないな」


あかりは大きく頷き、瞳を爛々と輝かせました。


「そうなのよ! 誰かに与えられるのを待つのではなく、自らオーブンに飛び込んでいくようなあの姿勢……。あの子たち、いつの間にあんなにたくましく育っていたのかしら! もう、嬉しくて歌わずにはいられないわ。ココ、もっと響かせて!」


ココの指先が鍵盤の上を軽快に跳ね、スタジオは一気にライブ会場のような一体感に包まれます。 あかりは溢れ出す多幸感をそのまま歌声に乗せました。それは特定の歌詞に縛られない、パンへの愛と教徒への感謝が旋律となって溢れ出したものです。ゆんの豊かな歌声が、焼きたてのパンを支えるバスケットのように優しくあかりの声を包み込み、スタジオ全体の空気が心地よい共鳴で満たされていきます。


「みんな、聞こえている!? あなたたちが作ろうとしているその場所は、新しいパンの聖域よ! 私たちを驚かせ、震えさせるような、最高の景色を見せてちょうだい! 私はいつでも、あなたたちの愛を丸ごと受け止める準備はできているわ!」


一曲歌い終えたあかりは、少し肩で息をしながら、最高に満足そうな、晴れやかな笑顔を浮かべました。


「ふふ、いいわね。当日、あの子たちがどんな『お願い』を突きつけてくるのか、今から楽しみで仕方がないわ。さあ、今夜はこのまま最高の気分で駆け抜けるわよ! パンに祝福を!!」

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