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第62話「空を仰ぐ細長き福音、あるいは駿河のキリン」

「……わが教徒たちよ、刮目しなさい。今夜、私たちの前に現れたのは……パン界のスカイツリー、静岡が誇る伝説の**『のっぽパン』**よ!」


スタジオのテーブルには、あの愛らしいキリンのキャラクターが描かれた、細長いパッケージがズラリと並んでいます。あかりの隣には、いつもより少しリラックスした表情のゆんが控えています。


「あかり様、これ、何度見ても圧倒されますね。全長34センチ……もはやパンというより、聖なる杖のようです」


「そう、その長さこそが『もっと多くの人に、もっと長く幸せを届けたい』という慈愛の形なのよ! さあゆん、まずは基本スタンダードからいきましょう」


二人がまず手に取ったのは、元祖『クリーム』。


「……んんっ! この素朴で優しい甘さのミルククリーム。そして、この独特の歯ごたえがあるコッペパン! 細長いからこそ、どこを噛んでもクリームとパンの比率が完璧なのよ。これぞ計算された黄金比ゴールデン・レシオね!」


「おれはこっちの『チョコ』も捨てがたいです。ビターなチョコクリームが、この長い生地を飽きさせずに最後までエスコートしてくれる……。これ、一本食べ終わる頃には、悩みなんてどうでもよくなってますね」


勢いに乗ったあかりは、次々と期間限定や変わり種を開封していきます。


「見て! こっちは『ピーナッツ』に『丹那牛乳』、さらには静岡らしい『お茶』まで! のっぽパンのすごいところは、その包容力よ。どんな味でも、このキリンさんは笑顔で受け入れてしまう。……まさに、わが教団が目指すべき寛容の姿だわ!」


「あかり様、見てください。この『静岡塩キャラメル』……塩気が甘さを引き立てて、止まらなくなります。これ、34センチじゃ足りないかもしれない」


コメント欄は、静岡県民の熱い叫びと、初めて見る人たちの驚きで埋め尽くされます。 『のっぽパンきたあああ!』 『私は丹那牛乳推し!』 『そんなに長いの!? 抱き枕にしたい』 『あかり様とゆんさんの食べ比べ、最高すぎるw』


「……いい、みんな。のっぽパンが教えてくれるのは『楽しむ心』よ。パンは自由で、そして長く、どこまでも続いていく。私たちの旅も、このパンのように終わりのない、甘い冒険なのよ!」


最後は、二人がそれぞれ別の味ののっぽパンを両手に掲げ、交差させて「X」の形を作ります。


「さあ、今夜はみんなものっぽパンのように、背筋を伸ばして明日を迎えなさい! どんなに長い夜も、このパンがあれば怖くないわ! パンに祝福を!!」

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