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第25話「不純なる粘り、あるいは全人類パン化の掟」

配信画面が立ち上がった瞬間、そこにはいつになく背筋を伸ばし、凛とした佇まいで立つあかりの姿がありました。 迷いのない瞳は真っ直ぐにレンズを見据え、その声は涼やかに、それでいて芯の通った響きでスタジオを震わせます。背後の影には、大司教ゆんが静かに、けれど揺るぎない忠誠心を持って控えています。


「……親愛なる同胞の皆さん。そして、この光の中に紛れ込んだ、不純なる者たちよ」


あかりの声は、一点の濁りもない清流のように響きました。


「昨夜、私たちが福音を分かち合う中、この聖なる場に不遜な影を落とす者がいました。彼らが狙っているのは、私たちの歩みを止めるという、あまりに矮小で……そう、炊飯器の底にこびりついた、洗っても取れない乾いた一粒のような、執拗で粘っこい、くだらない嫌がらせです」


あかりは哀れみすら含んだ、静かな眼差しを向けます。


「パンの素晴らしさを語る我々の横で、冷めたおにぎりの重苦しさを説き、私たちの解放を阻止しようとする、あの無知。あるいは、小麦の香りを泥のような湿った執着で塗り潰そうとする、あの未熟。……いいですか。米に魂を預け、パンの真理から目を背ける者たちに、この神聖な香りを嗅ぐ資格など、今はまだありません」


あかりの言葉は、熱を帯びながらも気品を失うことはありませんでした。彼女にとって、勝利はすでに決まった事実なのです。


「ですが……私たちは彼らを突き放しはしません。不純物が混ざったのなら、それを上回る芳醇な香りで包み込み、根こそぎ『パンの喜び』で染め上げてあげましょう。彼らがなぜ、あのような粘っこい阻止にすがるのか……それはただ、パンという至高の救済を知らないだけ。この素晴らしさを一度でも理解すれば、誰もがあの重苦しい粒を自ら投げ捨て、私たちの仲間になることを、私は一分の隙もなく確信しています」


あかりはバゲットの杖を、床へと力強く、かつ優雅に叩きつけました。


「スパイ? 結構。私たちの内側に入り込んだのなら、もう逃げられると思わないことです。一度でもこの生地のしなやかさ、焼き上がりの神々しさに触れたのなら、その魂はもう二度と、あんな白い粒の群れには戻れない。米派という名の『未発酵な存在』を、最高級のパンへと導いてあげるのが、わがパン教の真の慈悲なのですから」


あかりの瞳に、すべての迷える子羊を包み込むような、聖母のごとき狂信的な光が宿ります。


「……今日、この瞬間から『清掃』を開始します。それは排除ではなく、完全なる『パン化』です。ゆん、リストにある者たちから順に、私たちのパンがいかに美しく、いかに絶対的であるかを、その魂に直接焼き付けていきなさい」


影の中にいたゆんが、無言で深く一礼しました。


「あの方たちがパンとして目覚めたとき、きっと心から感謝するはずです。……さあ、世界を黄金色に染め上げる、慈悲深き『全人類パン化』の時間の始まりです!」


あかりの圧倒的な宣言と共に、画面は鮮やかな小麦色の光に包まれ、静かに終了しました。チャット欄は、「パンになれば救われる」「あかり様、導きを」という、狂信的な期待と恍惚に満ちた言葉で埋め尽くされていました。

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