表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/44

第36話 筆頭執事のベルベッチア評!

 ベルベお坊っちゃまが最近急に聡明になられたと皆が言っているが、それについては私も同じように感じている。


 しかし、祝福者に選ばれてからベルべお坊っちゃまは急に変わられたのだと皆は考えているようだが、私の見解は少し違う。


 ベルベお坊っちゃまはウサギの絵皿を若いメイドが割ってしまったあの日から、すでにお変わりになっていたのだと私は睨んでいる。


 なにせ私は0歳からずっとあの方のことを見続けてきたのだ。


 そんな私にとっては、ベルベお坊っちゃまのほんの少しの変化ですら大きな違いに見えてしまうのだ。


 ベルベお坊っちゃまは、これまで通りあの若いメイドをこれでもかというほど言葉で脅していたが、結局はあの若いメイドの髪を刈ったり、地下の牢獄送りにしたりはしなかった。


 つまり、ベルベお坊っちゃまはお気に入りの皿を割られたというのに、その犯人になんの罰も与えなかったのだ。


 そんなことは今までのベルベお坊っちゃまなら考えられないことだ。


 どうしてあの日、急にベルベお坊っちゃまは変わられたのだろうか?


 まるで別人みたいに。


 そうだ。全くの別人にベルべお坊っちゃまはなってしまわれたのだ。


 もしかして、魔物か何かの仕業だろうか?


 だとしたら、侯爵様にお知らせすべきだろうか?


 いや、全ては私の推測にすぎないのだ。


 そんな推測を侯爵様に知らせられるはずがないではないか!


 そうだ。魔物といえば、10歳の誕生日パーティーの前日に、魔物と戦闘をして剣術の腕を磨きたいと突然ベルベお坊っちゃまは私におっしゃったのだ。


 すぐに剣術の腕を磨きたいなんて嘘だと訂正され、弱い魔物をなぶり殺しにしてストレスを発散したいのだと無茶苦茶なことをおっしゃられていたが、あれはどう考えてもおかしかった。


 やはりあの時、こっそり惑いの紫の草原に行って、ベルベお坊っちゃまの様子を見ておけばよかった。


 そうすればベルベお坊っちゃまに何が起こっているのか少しはわかったかもしれないのに!



 そして、今、ベルベお坊っちゃまは金色の瞳を閉じて、銀色の瞳だけで、セルスナお坊っちゃまのセルリアン・ブルーの服の切れ端をじっと見つめておられる。


 まるで、その服の切れ端から必死に何かを読み取ろうとしているような真剣なお顔で!


 その表情を見ていると、ベルベお坊っちゃまには私には見えない何かが見えているのではないかという気がどうしてもしてしまう。


 金色と銀色のオッドアイは確かにとても珍しいが、ただそれだけでその瞳に何か特殊な力が宿っていると考えるのはあまりに愚かだ。


 しかし、あの日、ベルベお坊っちゃまが瞳の力に目覚められたのだと考えれば、別人のように変わってしまったことも一応は説明がつく。



「……何が見えているのですか?」


 今、そう質問したら、ベルべお坊っちゃまはなんとお答えになられるだろうか。


 何も見えてなどいないとお答えになられるだろうか?


 それとも……。



感想、評価、ブクマを付けてくださった方々本当にありがとうございますm(_ _)m


ご期待に添えるように全力で大長編目指して頑張ります!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ