第20話 突然の訪問者!
俺は週の半分は、女家庭教師アナシア・ダッシェンウルフ(新人メイドのローズ・ローベンツ)から魔法全史と世界地理学を学ぶことにした。
俺は魔術や剣技について具体的に書かれている書物を読むのは得意なのだが、それ以外の本を読むのはひどく苦手だった。
それでも、気に入ってる女に読み聞かせをしてもらうとすぐに頭に入ってくるので、女家庭教師からメイドになっても、継続して彼女から学ぶことにした。
周りの使用人達は、無類の面食いで知られていたらしい俺がパッとしない見た目の新人メイドと週の半分も自室で二人きりで過ごしていることを不審に思っているようだったが、俺は別に気にしていなかった。
なぜなら、俺にだけそのパッとしない女が絶世の美女に見えているのだから。
俺はその日も、女家庭教師アナシア・ダッシェンウルフ(新人メイドのローズ・ローベンツ)の膝枕を堪能しながら、その豊満すぎる胸を下から眺めていた。
「すまないな、アナシア」
「何がでごさいますか?」
「俺に生涯尽くせと言っていたのに、週の半分しか一緒にいてやれなくて」
「……いえ、週の半分でもベルベッチア様と一緒にいられるだけでわたくしは十分幸せでございます」
「……そうか」
「……それよりも、ベルベッチア様」
「……なんだ?」
「やはり、この講義の仕方はどうかと思うのですが……」
「嫌なのか?」
「いえ、むしろお慕いしているベルベッチア様にわたくしの膝枕をお使いいただけて、これ以上ないほどの幸せを感じているのですが……」
「なんだ? はっきり言え!」
「……ベルベッチア様の教育によくないのではないかと」
「なぜだ?」
「……ベルベッチア様はまだ10歳であられるのに……わたくしのような……いやらしい体をした女をあまり近くで見るのはよくないのでないかと思うのです」
「どこがいやらしい体なのだ? 俺はアナシアの体はとても美しいと思うぞ! 美しいものを見ることは教育上なにも悪くはない! 考えすぎだ!」
「はい……ベルベッチア様がそうおっしゃるのならそうなのでしょう。……わたくしも、もう少し自分の体に自信を持とうと思います」
「そうだな。もう少し自信を持ってもいいかもしれんな! アナシアは顔も体も心もとても美しい女だ。俺が保証してやる!」
「ああ、ベルベッチア様! もったいないお言葉ありがとうございます!」
「では、講義を続けてくれ!」
「はい、ベルベッチア様!」
そうやって、俺がいつものスタイルで女家庭教師アナシア・ダッシェンウルフ(新人メイドのローズ・ローベンツ)の講義を受けていると、いきなりノックもなしに誰かが入ってくる気配がした。
俺はその気配を感じた時点で、アナシアの細いのに絶妙な柔らかさを持った魅惑の太ももから、泣く泣く自分の頭を離脱させた。
なぜなら、こんな夜中にノックもせずに俺の部屋に入ってくる人間を俺はたった一人しか知らなかったからだ。
「ベルベお兄様! このミーシャ、若干9歳にして、また新しい上位魔術を習得いたしましたのよ! ぜひ一番最初にご覧になってくださいませ!」
前世では妹がいる兄貴って最高なんだろうなといろいろ妄想していたけど、意外と苦労も絶えないんだなって今は思う。
まあ、いろいろ総合すればやっぱり最高なんだけど!
感想、評価、ブクマを付けてくださった方々本当にありがとうございますm(_ _)m
ご期待に添えるように全力で大長編目指して頑張ります!!




