第17話 ああ、愛しのベルベッチア様!
「ああ、愛しのベルベッチア様!」
わたくしはいつからこんな恥ずかしい女になってしまったのだろう?
美しい紫の髪!
金と銀の神秘的なオッドアイ!
相手は10歳の子供だというのに、あのお顔を思い浮かべるだけで胸のドキドキが止まらない。
数多の男を虜にしてきたこのJカップの胸のドキドキが!
きっと、この気持ちは抑えようがない。
それはわかっている。
でも、どうにかして抑えなければならない。
それもわかっているのだ!
「ああ、ベルベッチア様!」
ベルベッチア様は確かにわたくしのことを気に入っていると仰ってくださった。
あの言葉に嘘偽りはないはず。
なら、それだけでいいじゃない!
愛しい人に気に入ってもらえたのなら、それだけで十分幸せじゃない!
これ以上何かを望むのは間違っている!
そう、間違っているのよ!
あの方は、ご自分の母親を亡きものにしようとしたわたくしのことを赦し、受け入れてくださったのだ。
一生涯かかってもわたくしはその恩に報いることはできないだろう。
エルフであるわたくしの2000年の寿命をすべて費やしても!
「ああ、ベルベッチア様!」
せめて、ベルベッチア様にわたくしの寿命の半分をお分けできたなら!
でも、そのためにはあの女に頼らねばならない。
寿命の受け渡しを仲介できる特殊スキルを持っているのは、わたくしの知り合いの中ではあの女だけなのだから!
しかし、あの女をベルベッチア様に近づけて大丈夫だろうか?
本来ならばあの女は男をたぶらかすプロフェッショナルなのだ。
今は微塵も感じないが、いつその才能に目覚めるかわからない。
ベルベッチア様があんな女に落ちるとは到底思えないが……それでも。
ああ、苦しい!
他の女とベルベッチア様が話しているのを想像するだけですごく胸が苦しい!
やっぱりあの女をベルベッチア様に近づけるべきではないわ!
何か他の方法があるはず!
アナシア、焦りすぎよ!
でも……こんなに誰かに寿命を分けてあげたいと思ったのは初めてなんだもの!
ああ、わたくしのこのJカップの胸がベルベッチア様のことをこんなにも熱烈に求めている!
わたくしはいつからこんな恥ずかしい女になってしまったのだろう。
相手は10歳の子供だというのに……。
「ああ、ベルベッチア様! ……もういっそその手で罪深いわたくしのことを殺してくださいませ!」
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ご期待に添えるように全力で大長編目指して頑張ります!!




