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ゴブリンリーダー討伐と新たなる姿

 

最近、周囲には通常より強力なゴブリンたちが現れ始めた。


特に、洞窟の奥から出てくる新しい仲間たちには、弓を使うゴブリンアーチャーや気配を消してくるゴブリンシーフなどと種類が増えている。


そんなある日、俺は森を進んでいると、何やら重たい足音が近づいてくるのを感じた。


 耳を澄ますと、草むらの向こうからゴブリンの話し声が聞こえてくる。


俺は慎重に近づき、様子をうかがった。すると、目の前に現れたのはホブゴブリンだ。


彼は大きな斧を持ち、周囲のゴブリンたちを指揮している様子だった。


「コイツヲツカマエロ!」


 ホブゴブリンが命令する。その声は威圧感があり、俺は少し身構えた。


これはただのゴブリンたちとは違う。洞窟で見たゴブリンリーダーほどではないがこいつは確実に強敵だ。


 俺は心の中で決意を固める、こいつを倒すチャンスだホブゴブリン一体にゴブリンが四体、静かに息を整え、先に仕掛けることにした。


視界を遮る木々を抜けて、ホブゴブリンに近づく。彼はその体躯と大きな斧で堂々としているが、俺には優位な位置がある。


風刃で隙を作る、俺はその瞬間を逃さず、魔法スキルをさらに放つ。突風の刃がホブゴブリンに向かって飛んでいく。ホブゴブリンは驚きの表情を浮かべたが、反応する間もなく直撃する。


「くそっ!」


ホブゴブリンは後ろに倒れ込み、周囲のゴブリンたちが驚いて動揺する。しかし、ホブゴブリンはすぐに立ち上がり、斧を振りかざして俺に向かって突進してきた。


「オマエ、イイドキョウシテルナ!」


 彼の一撃は重く、振り下ろされる斧を避けるために、俺は身をかわした。すぐに反撃を狙う。俺は素早く間合いを詰め、スウィフトダンスを使い連続攻撃を仕掛ける。


 ホブゴブリンはその動きに驚いて反応できず、俺の攻撃が彼の体を掠めていく。


その瞬間、俺は彼の隙を見逃さず、最後の一撃を放つ。「風刃!」


 もう一度、魔法がホブゴブリンに命中し、彼はついに膝をつく。「くっ…!」彼は苦しそうに呻きながら、倒れ込む。


 周囲のゴブリンたちが俺に向かって襲いかかろうとするが、俺はその動きを遮る。


戦闘は続くが、俺はこの瞬間、ホブゴブリンを倒せたことを胸に刻む。これが俺の成長の証だ。


 ホブゴブリンを倒した俺は、戦利品を確認する前に、少し休息を取ることにした。


倒したばかりのホブゴブリンを見つめながら、最近の狩りのことを考える。


普通のゴブリンを狩っていると、経験値が少なくなってきていたが、ホブゴブリンを倒したことで、かなりの経験値が得られたことを実感する。


「やっぱり、強い敵を倒すと実感が違うな。」


俺は静かな洞窟の中で、ふとした満足感に包まれた。


周囲のゴブリンたちはまだ俺の存在に怯えているようで、敵意を失っているのが見て取れる。


「これからは、もっと慎重に行動しないと。」


 俺はそう自分に言い聞かせ、周囲を見渡した。もう少しここで休むのもいいかもしれない。


ホブゴブリンを倒した後は、次の敵がどのような存在になるのか、期待と不安が入り混じった気持ちが芽生える。


 ゆっくりと呼吸を整えながら、次の冒険に向けて心の準備をしていった。少しずつ、確実に強くなっている自分を感じながら。


 休息を取っていると、洞窟の奥からざわめきが聞こえてきた。どうやら、周囲のゴブリンたちが何かを相談しているようだ。


「まさか、まだいるのか!?」


俺は心の中で思い、少し身構える。


 その時、ゴブリンのリーダーと思しき者が姿を現した。彼は周囲のゴブリンたちと違い、明らかに大きく、しっかりとした武器を携えている。


後ろには、何体かの精鋭ゴブリンが並んでおり、緊張感が漂う。


「こいつは洞窟で見た奴か」俺は心の中で警戒を強めた。彼らは本気で俺に挑もうとしているのだ。


「俺たちの仲間を倒した報いを受けろ!」


 リーダーは俺に向かって叫ぶ。その声には、怒りと決意が込められていた。周囲の精鋭のホブゴブリンたちも一斉に攻撃態勢に入る。


 俺は構えを取った。最初に突撃してきたのは、ゴブリンファイターだ。


こいつは普通のゴブリンより一回り大きく、装備も整っている。俺はスウィフトダンスを使い、彼の攻撃を避けながら反撃を試みる。


 ゴブリンファイターを倒した後、リーダーが指示を出し、さらに精鋭たちが一斉に俺に向かって突進してくる。次々と襲いかかる彼らを冷静にかわしながら、俺は攻撃の隙を狙っていく。


 力強く反撃する。次々と精鋭を倒していく中で、確かな成長を感じるが、リーダーはまだ健在だ。


「お前一人では俺を倒せない!」


 リーダーは俺に向かって叫び、攻撃を続けてくる。俺は集中を高め、次の一手を考えながら戦い続ける。


 精鋭ゴブリンたちとの戦闘が続く中、俺は徐々に疲れを感じ始めていた。周囲の精鋭ゴブリンたちは一体一体がかなりの力を持っていて、攻撃を受けるたびに痛みが蓄積されていく。


「くそっ、こいつら……」


息を整えながら、次の攻撃に備える。


 リーダーの一撃が直撃した瞬間、俺は地面に叩きつけられた。痛みが全身を走り、意識が薄れる。


「まずい、ここで倒れるわけにはいかない……!」


必死に立ち上がろうとするが、足がふらつく。周囲の精鋭たちが俺に迫ってくる。「クソ……」心の中で叫びながら、なんとか体を動かす。


 だが、さすがに厳しい状況だ。次に全てをかける覚悟を決めた。


「風刃!」


風刃を発動し、周囲の空気を切り裂く。風が巻き起こり、敵を薙ぎ払うが、力尽きた俺には限界が迫っていた。


しかし、リーダーは俺の隙を見逃さず、再び猛攻を仕掛けてくる。


「やっぱり、ダメか……」と思ったその瞬間、周囲の精鋭たちが一瞬、俺の方を向いた。


 その瞬間、俺は思い出した。あの時のゴブリンたちの様子。彼らも恐れや疑念を抱えていたはずだ。


「このチャンスを……!」俺は一気にリーダーに突進し、全力の一撃を放つ。


 リーダーの一撃が俺を捉えたが、意地でも立ち上がる。


「これで最後だ!スティールブレード!」


 疲れ切った体を動かし、リーダーの懐に飛び込む。奇跡的にリーダーに攻撃を当てることができた。その瞬間、リーダーは驚愕の表情を浮かべて崩れ落ちる。


「ばかな!?クハッ」


 その時、周囲の精鋭たちは完全に戦意を失い、混乱し始めた。「俺が勝ったのか……?」息も絶え絶えの俺は、体がボロボロになりながらも、周囲のゴブリンたちの様子を見守る。


 リーダーが倒れたことで、他のゴブリンたちが一斉に逃げ出していく。俺はその光景を呆然と見つめながらも、安堵感に包まれた。


「生き残った……!」


 傷だらけの体を引きずりながら、俺はその場を離れようとする。意識が薄れる中、周囲を見渡しなんとか隠れられそうな岩陰を見つけ、ふらつく足を引きずりながらそこへ向かう。


「ここなら…しばらく身を隠せるかもしれない…」俺は岩の影に体を滑り込ませ、深い息をついた。傷口がずきずきと痛むが、今はただ休息が必要だ。


 レベルを確認すると40レベルになっていた、これなら進化すれば怪我も治る、俺は選択肢を見た。


  1 スペクトラル・マンティス


 神秘的な力を持つカマキリ。影のように動き、攻撃と回復を両立する。


 •ファントムヒール: 攻撃時にHPを少し回復し、敵を混乱させる。

 •スペクトラルスラッシュ: 斬撃で幻影を生み、追加ダメージを与える。


 2.フェニックス・マンティス

 不死鳥のように、再生の力を宿したカマキリへ進化。瀕死の状態から自らを回復させる能力を得る。

 •スキル:再生(Lv1) - 瀕死状態からHPを一定量回復する。

 •効果:魔力が上昇し、スキル発動時に自己回復する。


「俺の進化が、今の状況を打破するかもしれない。」その瞬間、俺は心の奥底から湧き上がる力を感じた。


「どちらも魅力的だが……」


 俺は、最近の厳しい戦闘や強敵との遭遇を思い出す。力と回復を求めるなら、スペクトラル・マンティスは完璧だ。


「スペクトラル・マンティスを選ぶ!」


 その瞬間、身体が光に包まれ、視界がぼやけ、内なる力が解放されていく。息を呑むような感覚と共に、俺の体が変わり始める。力がみなぎり、意識が鮮明になっていく。自分が影のように動く存在へと変わっていることを感じる。


 朝になり、光が収まり、俺は目を覚まし新たな姿を見つめた。身体は以前よりも大きく、力強くなっている。全身を覆う影のような構造が感じられ、心の中に新たな力が湧き上がってくる。これが俺の新たな進化、スペクトラル・マンティスだ。


「よし、これで新たな力を手に入れた!」


 周囲を見回すと、まだそこにはゴブリンの仲間たちがいる。彼らは俺の変化を目の当たりにし、恐れと驚きの表情を浮かべている。


 俺は立ち上がり、意識を集中させる。


新たな力を試すため、最初の一歩を踏み出した。敵たちが俺に襲いかかろうとするが、もう恐れる必要はない。たとえどれほどの痛みを受けても、俺にはスキルの力がある。


 最初に攻撃を仕掛けてきたのは、前に倒したゴブリンファイターだ。


俺はスウィフトダンスを使い、瞬時に身をかわし、反撃を開始する。今の俺は進化した存在として、どんな敵にも立ち向かえる力を手に入れた。


 次々と襲いかかる敵をかわしながら、俺は一撃一撃を確実に決めていく。


敵の動きが鈍く見える。まるで時間が遅く感じるようだ。この新たな力は、俺にさらなる成長をもたらしている。


俺は精鋭たちを次々と倒していく。攻撃され痛みはあるが、ファントムヒールのおかげで、傷は徐々に癒されていく。敵たちの動きが鈍り、彼らの士気が崩れ始める。


「お前たちも、もう終わりだ!」


 最後の敵を倒し、周囲が静まり返った。俺はその瞬間、影の力を感じながら立ち尽くした。勝利の余韻に浸りながらも、次の冒険へと心を馳せる。


「これからは回復の心配はなくなりそうだな」


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