深淵のダンジョン遺跡
翌朝、柔らかな陽光が森の中を照らし始める頃、俺達3人は目を覚ました。
今日は深淵のダンジョン遺跡に挑む日だ。
準備を万全に整え、彼らはこれから危険なダンジョンへと足を踏み入れる。
俺はまず昨夜準備しておいた次元袋を確認する。
食料、予備の武器、回復薬がすべてきちんと収まっていることを確かめた。そして、仲間たちに声をかける。
「準備は整ったか?いよいよ深淵のダンジョン遺跡に挑む時だ」
リリスは弓を肩にかけながら微笑んだ。
「ええ、これだけ準備したんだから、きっと大丈夫よ。でも、油断はできないわ。このダンジョンは10階層あるわ、特にこのダンジョン遺跡の最初の階層から迷宮状になっていて、Cランク以上の魔物が出現するって話だからね」
「入口の迷宮と呼ばれている第一階層は、名前の通り複雑な迷路になっているわ。罠が多く仕掛けられていて、地形を覚えていないと迷子になる危険が高い。それに、ここで出てくる魔物も手ごわいはず」
ゼランは頷きながら、リリスとノエルの言葉を心に刻んだ。
「Cランク以上の魔物が出るってことか。具体的にはどんな魔物が出るんだ?」
「この階層で出現するのは、シャドウリザード、ストーンゴーレム、グリムスピリット、スケルトンウォリアー、ウィンドバットといった魔物たちね。いずれもCランク以上の強さを持っているわ」
ゼランはそれを聞きながら、気を引き締めた。
Cランクの魔物でも十分に手強い相手だ。
この階層を攻略するには、戦闘だけでなく、迷路の構造や罠にも注意が必要だ。
「迷路状の構造、罠、そして復活する魔物…これじゃ持久戦を覚悟しなければならないな。体力の消耗が激しくなる前に、攻略の道筋を見つけないといけない」
ノエルは鋭い眼差しをしながら言葉を続けた。
「迷宮での戦闘では、魔物が復活することもある。だから、効率的に戦わないと長引く危険があるわね。少しでも無駄な戦闘を避けて、罠にも気をつけながら進むのが鍵よ」
ゼランはその言葉に頷きながら、剣の柄に手をかけた。
「なるほど。無駄な戦いは避け、罠にも注意しつつ進めば、体力と装備を温存できるな。よし、気を引き締めて進もう」
3人は準備を終え、いよいよ深淵のダンジョン遺跡の入口へ向かうことにした。
森を抜けると、古代の遺跡が彼らを待っていた。巨大な石造りの扉が、その入口を厳かに守っている。
リリスが扉に触れ、僅かに残る魔力を感じ取る。
「この扉、古代の封印がかかっていたのね。でも今はその力が弱まっているわ」
ゼランはリリスの言葉を聞きながら扉を見上げ、静かに息を整えた。
「ここが…『深淵のダンジョン遺跡』の入口か。さっき話してくれた迷宮と罠、そしてCランク以上の魔物たちが待っているんだな」
ノエルも剣の柄を握りしめ、鋭い目つきで扉を見つめた。
「この遺跡は、歴史に名を残した英雄レベルじゃなきゃクリア不可能な場所。私たちの力がどこまで通用するかが試されるわ」
ゼランは彼女たちの言葉に頷き、決意を込めて扉に手をかけた。
「まずは慎重に進もう。罠と魔物が待っていることを肝に銘じてな」
そして、ゼランが力を込めて扉を押すと、重い音を立てて扉が開いた。
中からは冷たい風が吹き込んできて、ダンジョン内の深い暗闇が彼らを迎え入れるように広がっていた。
「…さあ、行こう」
俺達はついに深淵のダンジョン遺跡の迷宮へと一歩を踏み出した。




