表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/41

ゴブリンキング

 

 ゴブリンキングはその巨大な剣を振り上げ、俺に向かって一気に振り下ろした。


 その一撃が地面を砕き、激しい衝撃が周囲に広がる。


「速い…!」


 圧倒的な力とスピードだ。


 ゴブリンキングは、俺の動きすら捉えようとしてくる


 。だが、俺はファントムスピードで素早く動き、何とかその一撃をかわした。


 もしあの剣が直撃していれば、一撃で致命傷を負っていただろう。


「まともに食らえば、終わりだな…」


 俺は距離を取りつつ、ゴブリンキングの動きを冷静に見定めた。


 こいつの力は俺を遥かに上回っている。だが、スピードならば勝てるはずだ。


 ヒット&アウェイの戦術で少しずつ削るしかない。


 ゴブリンキングが再び剣を振り上げた瞬間、俺は一気に加速し、その背後に回り込んだ。


 素早く斬撃を繰り出し、その巨大な体に一撃を加える。


「少しでもダメージを…!」


 しかし、ゴブリンキングの防御は異常に固い。


 俺の刃が食い込んでも、思ったほどのダメージは与えられていない。だが、攻撃を続けるしかない。


 俺はすかさずクリムゾンブレードを発動し、炎を纏った刃でさらに追撃する。


「これでどうだ…!」


 炎の刃がゴブリンキングの背中を焼き付けるが、それでも奴は怯むことなく振り返り、巨大な剣をこちらに向けた。


 その剣が俺のいる方向に振り抜かれ、俺は再び素早く飛び退いた。


「力だけなら、確実に奴の方が上だ…だが…!」


 俺は呼吸を整え、再びファントムスピードを発動させ、素早くゴブリンキングの足元に攻撃を加える。


 足を狙い、動きを鈍らせることができれば、俺にも勝機が見えてくるはずだ。


 足元を狙って数度の斬撃を加えた瞬間、ゴブリンキングが低い唸り声を上げた。


「効いてる…!」


 だが次の瞬間、ゴブリンキングが大きく吠え、剣を大地に叩きつけた。


 その衝撃で地面が裂け、俺のバランスが崩れる。


 すぐに体勢を立て直すが、ゴブリンキングはその隙を見逃さず、もう一度巨大な剣を振り上げてくる。


「くそっ…!」


 俺は再び剣をかわしながら、回避に全神経を集中させた。


 ゴブリンキングの一撃は一発でも受ければ致命的だ。


 スピードを駆使して攻撃をかわしつつ、少しずつ奴を削っていくしかない。


「焦るな、まだ勝てる…!」



 俺がゴブリンキングの足を狙い、一撃を加えた瞬間、奴の怒りが頂点に達したようだった。


 痛みによる唸り声が響き渡り、その巨体が振り返ると、俺を見据える赤い目がさらに強く光った。


「貴様……カマキリごときが…!」


 ゴブリンキングの剣が一気に振り下ろされる。


 今度の攻撃は今まで以上に速く、強力だ。俺は咄嗟に跳び退いたが、その一撃が地面を粉砕し、巨大な裂け目が広がる。あまりの衝撃に、俺はバランスを崩してしまった。


「くそ…!」


 次の瞬間、ゴブリンキングがその隙を見逃さず、剣を横に振り抜く。俺は何とか体をひねって回避したが、その剣の風圧で体が吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。


「ぐっ…!」


 痛みが全身に走る。立ち上がろうとするが、体が思うように動かない。ゴブリンキングはそのまま歩み寄り、剣を振り上げた。


「今度こそ、終わりだ…!」


 巨大な剣が振り下ろされる。俺は必死に体を動かし、辛うじて横に転がって避けたが、剣が地面を叩きつけた衝撃で土砂が飛び散り、視界が一瞬真っ白になった。


「まずい…!」


 視界が戻る前に、ゴブリンキングが再び剣を振り上げ、次の一撃を狙っている。


 体が動かないまま、このままでは次の一撃を避けきれないと直感する。


 俺は咄嗟に擬態を発動し、姿を消す。剣が振り下ろされ、俺のいた場所に巨大な衝撃が走るが、間一髪で直撃を避けた。


「またか…!」


 ゴブリンキングが怒り狂い、俺の姿を見失ったことに苛立つ声を上げる。俺はその隙に素早く移動し、距離を取った。


「強すぎる…これ以上は消耗するだけだ…」


 だが、諦めるわけにはいかない。俺は一度冷静に体力を整え、考えを巡らせた。今のままでは、ゴブリンキングの力に押されて倒されるのは時間の問題だ。


 だが、奴の攻撃には大きな隙がある。その隙を突けば、勝機はある。


「奴が剣を振り下ろした瞬間を狙う…それしかない…!」


 俺は息を整え、再び剣を構えた。


 ゴブリンキングが剣を振り上げた瞬間、俺は全力で動き出した。


 今度は一気に懐に飛び込み、クリムゾンブレードを発動。炎の刃がゴブリンキングの側面に食い込んだ。


「くっ…これじゃ足りない!」


 俺はすぐに後退したが、ゴブリンキングは一瞬だけその体を揺らし、次の瞬間には剣を振り下ろしてきた。


 攻撃は確かに当たっているが、それでも奴は倒れない。


「力を貯めろ…もう少しだ!」


 俺は何度も斬撃を加えながら、徐々に体力を削りつつあるゴブリンキングの動きを見極めた。


 奴の攻撃は強烈だが、一度剣を振り下ろすと動きが鈍くなる。その隙を狙うしかない。


 しかし、その時、ゴブリンキングが大きく吠え、急に剣を振り下ろす方向を変えた。


 俺は咄嗟に回避しようとしたが、剣が地面に叩きつけられた瞬間、強烈な爆風が起こり、俺は吹き飛ばされた。


「ぐあっ…!」


 体が宙に浮き、激しく地面に叩きつけられた。全身が痛みに包まれる。


 ゴブリンキングは一瞬の隙をついて攻撃のリズムを変えた。


 奴の力は底知れない、俺が立ち上がろうとする前に、ゴブリンキングが剣を再び振り上げた。


「まずい…!」


 俺は再び起き上がろうとしたが、体が限界に近い。


 だが、ここで倒れるわけにはいかない。


 俺は何とか体を動かし、辛うじて立ち上がった。


 全身に残った力を振り絞り、俺はゴブリンキングに向かって突進した。剣を構え、最後の一撃を狙う。


「これで…決める!」


 俺は全力でクリムゾンブレードを発動させ、炎の刃で再びゴブリンキングに斬りかかった。


 だが、奴の防御はまだ崩れていない。


 俺はそれでも攻撃を続け、奴の動きが鈍った瞬間を見逃さず、再び足元に斬撃を加えた。


「今だ…!」


 ゴブリンキングの動きがついに鈍り、俺はその一瞬の隙を突いた。


 渾身の力を込めてスティールブレードを振り下ろし、その巨体に深い傷を刻んだ。


「これで…!」


 だが、ゴブリンキングはまだ倒れない。


 俺の攻撃が確実に効いているが、それでも奴は最後の力を振り絞り、剣を振り上げた。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!始めたばかりですが、皆さんの応援がモチベーションになっています。これからも頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ