ゴブリンキング
ゴブリンキングはその巨大な剣を振り上げ、俺に向かって一気に振り下ろした。
その一撃が地面を砕き、激しい衝撃が周囲に広がる。
「速い…!」
圧倒的な力とスピードだ。
ゴブリンキングは、俺の動きすら捉えようとしてくる
。だが、俺はファントムスピードで素早く動き、何とかその一撃をかわした。
もしあの剣が直撃していれば、一撃で致命傷を負っていただろう。
「まともに食らえば、終わりだな…」
俺は距離を取りつつ、ゴブリンキングの動きを冷静に見定めた。
こいつの力は俺を遥かに上回っている。だが、スピードならば勝てるはずだ。
ヒット&アウェイの戦術で少しずつ削るしかない。
ゴブリンキングが再び剣を振り上げた瞬間、俺は一気に加速し、その背後に回り込んだ。
素早く斬撃を繰り出し、その巨大な体に一撃を加える。
「少しでもダメージを…!」
しかし、ゴブリンキングの防御は異常に固い。
俺の刃が食い込んでも、思ったほどのダメージは与えられていない。だが、攻撃を続けるしかない。
俺はすかさずクリムゾンブレードを発動し、炎を纏った刃でさらに追撃する。
「これでどうだ…!」
炎の刃がゴブリンキングの背中を焼き付けるが、それでも奴は怯むことなく振り返り、巨大な剣をこちらに向けた。
その剣が俺のいる方向に振り抜かれ、俺は再び素早く飛び退いた。
「力だけなら、確実に奴の方が上だ…だが…!」
俺は呼吸を整え、再びファントムスピードを発動させ、素早くゴブリンキングの足元に攻撃を加える。
足を狙い、動きを鈍らせることができれば、俺にも勝機が見えてくるはずだ。
足元を狙って数度の斬撃を加えた瞬間、ゴブリンキングが低い唸り声を上げた。
「効いてる…!」
だが次の瞬間、ゴブリンキングが大きく吠え、剣を大地に叩きつけた。
その衝撃で地面が裂け、俺のバランスが崩れる。
すぐに体勢を立て直すが、ゴブリンキングはその隙を見逃さず、もう一度巨大な剣を振り上げてくる。
「くそっ…!」
俺は再び剣をかわしながら、回避に全神経を集中させた。
ゴブリンキングの一撃は一発でも受ければ致命的だ。
スピードを駆使して攻撃をかわしつつ、少しずつ奴を削っていくしかない。
「焦るな、まだ勝てる…!」
俺がゴブリンキングの足を狙い、一撃を加えた瞬間、奴の怒りが頂点に達したようだった。
痛みによる唸り声が響き渡り、その巨体が振り返ると、俺を見据える赤い目がさらに強く光った。
「貴様……カマキリごときが…!」
ゴブリンキングの剣が一気に振り下ろされる。
今度の攻撃は今まで以上に速く、強力だ。俺は咄嗟に跳び退いたが、その一撃が地面を粉砕し、巨大な裂け目が広がる。あまりの衝撃に、俺はバランスを崩してしまった。
「くそ…!」
次の瞬間、ゴブリンキングがその隙を見逃さず、剣を横に振り抜く。俺は何とか体をひねって回避したが、その剣の風圧で体が吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。
「ぐっ…!」
痛みが全身に走る。立ち上がろうとするが、体が思うように動かない。ゴブリンキングはそのまま歩み寄り、剣を振り上げた。
「今度こそ、終わりだ…!」
巨大な剣が振り下ろされる。俺は必死に体を動かし、辛うじて横に転がって避けたが、剣が地面を叩きつけた衝撃で土砂が飛び散り、視界が一瞬真っ白になった。
「まずい…!」
視界が戻る前に、ゴブリンキングが再び剣を振り上げ、次の一撃を狙っている。
体が動かないまま、このままでは次の一撃を避けきれないと直感する。
俺は咄嗟に擬態を発動し、姿を消す。剣が振り下ろされ、俺のいた場所に巨大な衝撃が走るが、間一髪で直撃を避けた。
「またか…!」
ゴブリンキングが怒り狂い、俺の姿を見失ったことに苛立つ声を上げる。俺はその隙に素早く移動し、距離を取った。
「強すぎる…これ以上は消耗するだけだ…」
だが、諦めるわけにはいかない。俺は一度冷静に体力を整え、考えを巡らせた。今のままでは、ゴブリンキングの力に押されて倒されるのは時間の問題だ。
だが、奴の攻撃には大きな隙がある。その隙を突けば、勝機はある。
「奴が剣を振り下ろした瞬間を狙う…それしかない…!」
俺は息を整え、再び剣を構えた。
ゴブリンキングが剣を振り上げた瞬間、俺は全力で動き出した。
今度は一気に懐に飛び込み、クリムゾンブレードを発動。炎の刃がゴブリンキングの側面に食い込んだ。
「くっ…これじゃ足りない!」
俺はすぐに後退したが、ゴブリンキングは一瞬だけその体を揺らし、次の瞬間には剣を振り下ろしてきた。
攻撃は確かに当たっているが、それでも奴は倒れない。
「力を貯めろ…もう少しだ!」
俺は何度も斬撃を加えながら、徐々に体力を削りつつあるゴブリンキングの動きを見極めた。
奴の攻撃は強烈だが、一度剣を振り下ろすと動きが鈍くなる。その隙を狙うしかない。
しかし、その時、ゴブリンキングが大きく吠え、急に剣を振り下ろす方向を変えた。
俺は咄嗟に回避しようとしたが、剣が地面に叩きつけられた瞬間、強烈な爆風が起こり、俺は吹き飛ばされた。
「ぐあっ…!」
体が宙に浮き、激しく地面に叩きつけられた。全身が痛みに包まれる。
ゴブリンキングは一瞬の隙をついて攻撃のリズムを変えた。
奴の力は底知れない、俺が立ち上がろうとする前に、ゴブリンキングが剣を再び振り上げた。
「まずい…!」
俺は再び起き上がろうとしたが、体が限界に近い。
だが、ここで倒れるわけにはいかない。
俺は何とか体を動かし、辛うじて立ち上がった。
全身に残った力を振り絞り、俺はゴブリンキングに向かって突進した。剣を構え、最後の一撃を狙う。
「これで…決める!」
俺は全力でクリムゾンブレードを発動させ、炎の刃で再びゴブリンキングに斬りかかった。
だが、奴の防御はまだ崩れていない。
俺はそれでも攻撃を続け、奴の動きが鈍った瞬間を見逃さず、再び足元に斬撃を加えた。
「今だ…!」
ゴブリンキングの動きがついに鈍り、俺はその一瞬の隙を突いた。
渾身の力を込めてスティールブレードを振り下ろし、その巨体に深い傷を刻んだ。
「これで…!」
だが、ゴブリンキングはまだ倒れない。
俺の攻撃が確実に効いているが、それでも奴は最後の力を振り絞り、剣を振り上げた。
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