042(一年半後と暴力少年団)
ーー俺(瀬名レイ)は高校三年生になった。この一年半、特に問題は出てない。二年生に活きの良い奴は居なかった。一年生に期待だ。
俺はアイテムボックスの使い方に少し慣れてきた。たまにフライパンなど変な物が出るけど。魔獣たちが言うには、妖刀や魔法で鍛えられた剣や槍もアイテムボックスにあるらしい。出ないけど。
事故って大腿骨にヒビが入った天草もマキと一緒に登校してた。そっちの運転係は西園寺の弟だった。異世界のプリンセスのマキは、敵か味方か未だに解らない。鈴木は相変わらず排気量1000ccのオートバイで登校してた。横浜陰茎学園を卒業した大半の人は、マウントトレナイ大学という定員割れのFランに進学するそうだ。東京港区の一等地にあるらしい。鈴木、天草、マキ、それとバリカンのアホも進学したみたいだ。
問題は、プルトンって奴だ。クララの師匠みたいだけど、その後、全一教会をはじめ、攻撃を仕掛けてくる様子がない。プルトンは相当の手練れだろうけど、クララの仇はとってやるぜ。
俺は西園寺の弟の運転で横浜陰茎学園に登校する。三年生の初日だ。兄西園寺と同じで俺んちの近くまで送迎してくれる。俺は西園寺が運転するセダンに乗り込む。
「また頼むよ、弟西園寺」
「いえいえ~、こちらこそよろしくお願いします~」
兄西園寺と語尾が同じだ。
「兄西園寺は、レースで活躍してるのか?」
「まだまだですね~」
「スポンサー集めとか大変だろうな」
「その辺は親が経営してる会社数社から約束を取り付けてあるそうです~。あとは実力次第ですね~」
そういや、西園寺は金持ちのお坊ちゃんだったな。
「大変といえば、鈴木さんのが大変ですよ」
「何で? マウントトレナイ大学に通いながら、格闘家にでもなったのか?」
「いえいえ、鈴木さんちは飲食店なんですよ。ハンバーガーも出す、ち○んこ屋さんで、継ぐとしたら修行とか大変だろうな~と」
「まさか、ち○んこダイニング・タツか?」
「よく分かりましたね。キャプテン・ジャパンはエスパーですか? まあ、魔法使いが実在する世の中ですからおかしくないですが~」
何度もち○んこダイニング・タツに行ってるけど、鈴木を見たことない。継ぐつもりはないのだろう。
「俺は人とテレパシー出来ないけど、猫や犬、カラスとも喋る事が出来るよ」
「やはりキャプテン・ジャパンはただ者ではありませんね~」
「それより大阪茶宇念が心配だ」
「大阪君はIT企業に就職しましたよね~」
「高卒でIT企業だ、やっぱ優秀なんだな」
「大阪君のIQは180で、ジャパンメンサの会員でもあります~」
「そんなに頭良かったんだ、スゲーな」
俺は、西園寺と雑談しながら横浜陰茎学園へと登校する。運転技術は兄と差はない。
ーー俺の名前は、町田ゼルダ。中学生の時に、暴力少年団という暴走族チームのアタマを張っていた。今日から横浜陰茎学園の一年生だ。家は横浜陰茎学園に近い。丁度良い、間抜けそうな上級生を締めてやるかな、アハハ。
「もし、横浜中華街はどちらかな?」
登校中、いきなり背後から老人に声をかけられ、振り向いた。このジジイ、カネ持ってそうだな。紋付き袴ってやつか? ちょっと脅せば1万円くらいのお小遣いは手に入るだろうな、アハハ。
「教えてほしけりゃカネを出せや」
「ホッホッホ、威勢がいいのは口だけかい?」
「暴力少年団を舐めんなよ!」
「ホッホッホ」
周りに人目はない。俺は、必殺右ストレートパンチをお見舞いした…………あ? 気が付いた時にはバランスを崩して、うつ伏せされ、右腕を後ろ手にされ、肩を関節を極められてた。
「イテテテテ!」
このジジイ、何者だ? 強すぎる。
「雑魚は雑魚らしくしときなさい、ホッホッホ」
「このっ……! イテテテテ! 折れる折れる!」
さらに関節を絞められる。くそ、こんなジジイに歯が立たないとは。俺は弱い…………暴力少年団もただの暴走族。俺は、このジジイに勝てない。
「分かった分かった。参りました」
俺の関節を緩めてくれた。抵抗すると殺されかねない。
「相手の見た目で強さを判断しないように、ホッホッホ」
「じゃあどうすりゃいいんだよ?」
「殺気の度合いを察知する訓練をしなさい」
「殺気って。これから横浜陰茎学園に登校して上級生を軽くボコってやろうとしたのに」
じいさんは俺を立ち上がらせてくれた。
「瀬名レイというキャプテン・ジャパンを知っておるかね?」
「横浜陰茎ゴールド・メンバーズのリーダーって奴だろ。じいさん、闘うのか?」
「ワシの名前は瀬名源一郎、レイはワシの孫じゃ。会う前に中華料理でもと思ってな、ホッホッホ」
俺は聞きたかった。どうしても!
「じいさんとキャプテン・ジャパン、どっちが強いんだ?」
「武芸全般はレイの方が長けておるじゃろう。だが、石破天驚流の奥義は叩き込んだが秘奥義はまだ習得しとらん。まあ、互角じゃろうな、ホッホッホ。で、横浜中華街はどちらかな?」
「はっ! この通りを真っ直ぐ進んで2つ目の交差点を左に行けば!」
「ありがとう、グッドラック、ホッホッホ」
じいさんは軽やかな足取りで去って行った。石破天驚流…………。それを俺も習得すれば強くなれるのか? 横浜陰茎学園に着いたら、まずはキャプテン・ジャパンに接触だな。




