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オイナカムイ伝  作者: 日川文月
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第5話 妹

「ふぎゃ~、ふぎゃぎゃ~」

「はいはい、お乳ね」

「かわいいわ~」


船1隻を残して越冬する女4人と男8人、他はカラプトに戻った。

初冬からサケも大漁でイシカルンクルのコタンの人々は大忙しだった。

干したミカキニシンやサケは他のコタンの手で和人地まで陸路運ばれ、一部は保存食、さらにサケはチセの炉端上に吊され燻製にされる。

コタンの長はシュムクルやウシケシュンクルとの交易でもかなりの利があったと上機嫌だ。

拠点での大イベントはハポの出産、経験者の手を借りて無事に出産を終えた。


「ふぎゃ~、ふぎゃぎゃ~」

「はいはい、綺麗なオムツに替えるわね、お湯でフキフキ、くちゃいくちゃい」

「かわいいな~」

「あら、オペリがうらやましいの?」

「うう~」

「オンネシ、あ、オイナって名前にするの?」

「タカマルでいいよ」

「ふさわしいのにね~」

「そうよね、シャボンもオムツも作ったし、フンドシだって信じられないほど綺麗になるわよね」

「またユ(温泉)に行きたいわね~」

「そうね~」


(伯母のイアンパヌは長の長女、3人を産み育てて産婆役も務めた。

助手の女2人は、猪之助コイカクシの嫁と王寧パクセルの嫁だ。

弥助シキポロ三吉イクルイホンジ(カプタイン)はカラプトのコタンで嫁とイチャイチャしながらこちらでの成果を指導している。

新しいチセの暖かさは格別で、囲炉裏の炭火だけで部屋中暖かい。

その他に、水鳥を霞網で捕らえて羽毛を毟って集め、二重袋の靴下やミトン、アットゥシの下着にしつらえた。

布は大陸との交易で手に入れた緻密な絹に強い絹糸だから超高級品だ。

ホンジが作った防水ブーツは革を二重にして靴底も厚く裏打ちが羊毛なので暖かくて快適に作業ができるしな)


「オンネシやい、準備できたぞ」

「あ、うん、今行く」

「何するの?」

「氷のチセを作るんだ」

「「「「え~」」」」


(エスキモーのイグルーもどきだけどね、カマクラより本格的だぞ。

貴丸と命名され、妹もできた。

絶対死なせたくない。

目指せ暖か健康生活だ。

オイナカムイのせいにして自重しないぞ)

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