第2話 オイナカムイ
「オンネシ、それはなに?」
「これ・・・レンガ?」
「レンガ?」
「これを積んでチセを作る」
「土のチセ?普通じゃダメなの?」
「夏は涼しくて冬は暖かいよ」
「やっぱ、オンネシはオイナの生まれ変わりね、すご~い」
「むぎゅ~~どうどう・・・助けて」
「おお、テキアンノ、オンネシを絞めてるのか」
「え、ちがうよ、キャハ、ごめんごめん」
「うう、死ぬかと思った、ケホケホ」
「泥遊びか?」
「ううん、レンガ」
「それ、アイヌ言葉か?」
「ん?」
「イクルイに炭焼き窯作るように言ったやろ?それ、知ってたんか?」
「見た」
「あ、そうか、ふ~ん」
(やばい、ミチ(父)はハポ(母)よりも抜けてなかったか)
「和言葉しゃべれたんか?」
(まずい)
「そりゃまあ、弥助や三吉もアイヌ言葉が苦手やしな、いつのまに覚えたか、オンネシは賢いわな、うんうん」
「そうなのよ~、ウタリアン、また、賢い子が産まれるよ~」
「うん、嬉しいな」
「えへへ」
(親馬鹿夫婦か、イチャイチャとハポのお腹撫でよってからに。ち!)
「炭焼き窯はすぐにとりかかるわい。
チセも2軒は建てねえとな」
「ミチ、レンガ乾いたら崩れない・・・重ねて壁作る、寒くない」
「お~そういうことか、でも濡れたら崩れるやろ」
「炭焼き窯で焼く、強くなる、泥粘土で挟む」
「すごいじゃないか、たしかにアイヌの家は隙間だらけで寒いよな~」
王寧が明のピンというレンガを知っていて、炭焼き窯でも釉薬を掛ければ水に強いものができそうだと乗り気になった。
チセにはみんな不満だったみたいだ。
カラプトでは三吉が炭焼き窯を造り炭を焼き、木酢液からできるピットやタールを船の修理に使っていた。
新しい技術をもたらした三吉はモテモテで結婚した。
ホンジもすごい革職人だったので尊敬されて結婚した。
他の仲間もなにがなにして結婚してる。
なんだか、女が積極的なコタンだった。
「大将、貝焼きで漆喰もつくれるんじゃないですかい」
「あ、思い出した。イシカルンクルのコタンに貝殻捨て場があった」
「なまこや貝柱の天日干しを教えたから引き取らなくてはね」
「拠点造りとカラプトとの往復で手分けをしよう、うん」
「へい」
「スマチセ(石の家)か~」
「うまくできたら、カラプトでもやらせよう」
「そうね~オンネシってオイナカムイよ~」
「「「「はいはい」」」」




