2/2
2
いつもと同じ何も変わらない、変えられない他愛のない日々。汚い嘘や悪意を愛想笑いでやり過ごす。そんな日常。
愛する人もいなくて誰も信じられなくて、そんな私だから虚構にのめり込んだのはある意味必然だった。
「うっは~!エド様最っ高!至高!」
狭く薄暗い部屋の中で現実ではできない妄想をする。
端から見れば哀れで痛いのかもしれないけれど、それが私の幸せ。
だから、だからこれはきっと私の中にある孤独と飢えが見せた夢なのだろう。
…うん、そうだったらいいな。
***
「おや、娘さんどうした?」
目が覚めると草原でした!…とか。うん、やっぱりこれ夢だわ。夢以外のなにものでもないわこれ。
「娘さん?」
「へわっ!?」
いや、気付いたら目の前にお爺さんがいるとかありえないもん。あ、空が青い。
「大丈夫かの?」
…夢じゃないっぽい。