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王女様に振り回される

サブタイトルって難しいですね


「リーシア、どうにか私を女王にしてくれない?」


私はリーシア、キャンベル公爵家の長女でこのポートランド王国の第一王子であるアルフォンスの婚約者である。幼少のころより決められた婚約のせいで、学園を休学ししぶしぶ王妃教育を受けている最中だった。一緒に王妃教育を受けているのはアルフォンス様の姉のメアリ王女――先程の発言をした人である。


この国は男女関係なく王の長子が王位継承権を持つ為、メアリ様は時期女王なのだが、同盟により他国へ嫁ぐ可能性が高く、実際に隣国の第一王子と婚約状態にある。メアリ様が女王に君臨すれば、婚約者のアルフォンス様が公爵へ臣籍降下するため王妃教育は不要なのだが、メアリ様が王位継承しなかった場合は時期国王の婚約者となる。実際、メアリ様はどの王の子達より遥かに王族らしい王族である。勤勉であり、努力家であり、魔力も強く、多彩な魔法を使う事ができる。誰もがアルフォンス王子よりメアリ様のほうが王位に相応しいと思っている。


しかし、同盟によりこの国の王女が隣国第一王子へ嫁ぐ事が決まっているのだ。この国の国王には、第一王女のメアリ様17歳、第一王子のアルフォンス様16歳、第二王子のスチュアート様10才、そして末っ子の第二王女ティアローズ様1歳。隣国の第一王子が21才の為ティアローズ様ではなくメアリ様が嫁ぐ事が暗黙の了解で決まっているのである。


正直、私も婚約者のアルフォンス様よりメアリ様に王位を継いでほしいと思っている。

婚約者の事を悪く言うのはどうかと思うが、王族なのでそれなりに美形な王子ではある。ただ、何事もある程度習得すればできた気になり、ちやほやされると図にのり自制心が効かない。王族としてちゃんとしなければとは思っているが、姉のメアリ様が他国へ嫁ぐだろうと踏んでいて、今の環境で目一杯遊んでいる中途半端な王子なのだ。幼い頃からの婚約者である私に対しても、行事毎には何かしら定形通りに対応して下さるが、その間に恋愛感情な色恋は一切存在しない。会話も業務連絡のみである。まぁ、そういう雰囲気にもならない私も悪いのだが。


「メアリ様、その様な事私に言われましても…国王様の決めた事に逆らう事はできません。」


「・・・そうよね。どうにかこの国に残れないかと思ったんだけど…政略結婚は王族の務めよね。」


「そうですね。貴族でも滅多に恋愛結婚は存在しません。」

あのアルフォンス王子との結婚は嫌だが義務だと思って割り切ってはいるが、やはり、国外へ嫁ぐとなると寂しいものなのか。メアリ王女の零れ落ちそうな大きさの目が揺らいで私を見つめる。


「ごめんなさい。シーリア。それなら本格的に王妃教育が始まる前にちょっとだけ旅行しない?」


「旅行ですか?今は学園が長期休暇中ですし、来春から始まる王宮での王妃教育合宿まででしたらお時間は作れますよ。」


「ちょっと隣国トラムセット王国の王子との顔合わせに着きて来てくださいませ!」


ちょ、勉強もあるのに旅行とかめんどくさい・・・心の声を押し殺し私は答えた。


「はい。喜んでお供させて頂きます」


*****


隣国トランセット王国は、わが魔法大国ポート王国より魔法使いが少ない代わりに、科学が発展している国である。ポート王国では血統により魔力が引き継がれるため、貴族のほぼ全員が何かしらの魔法が使える。何を隠そうこの私、ルーシアも魔女っ娘である。簡単な治癒魔法と防御魔法しか使えないが使いどころは結構あるのだ。


隣国との境界にある町まで馬車で3日、そこからトランセット王国から引かれている鉄道に乗って2日で王都へ着く。片道5日間の道のりである。


「まさかリィが王女様と旅行するほど仲良くなるなんて思わなかったよ。」


「お兄様!頼んでいた荷物は持ってきてくれましたか?」


この度、旅行に護衛として実兄のシリウスが着いてくることになった。兄シリウスは既に近衛騎士団の魔法部隊で王の護衛として働いている。この度、私まで隣国へ行くということで王様が何かと頼れるだろうと私たちの護衛に入れてくださったのだ。

シリウス兄さまは20歳という若さで近衛騎士団に入っているこの国のエリートだ。私と同じ金色の少し癖のある髪に、真っ黒な切れ長瞳。体躯はすらっとしているが剣も魔法もそれなりに使える魔法剣士である。使える魔法の系統は私と似ているが威力が全く異なる。兄はキャンベル公爵家の長子なのだ。魔法は血統で受け継ぐため、両親が魔法使いだと魔法が使える子が生まれるのだが、何故か男女は関係なく第一子、第二子の順に魔力が減っていくのだ。それ故、この国では男女関係なく、長子相続が基本なのである。

キャンベル公爵家長子であり、近衛兵団のエリートであるシリウス兄はモテるのだがいかんせん、私と性格が似ており相手に対して基本興味を持たない。そのおかげで来るもの拒まず去る者追わず・・・女性から見れば中々に質の悪い男のなのだ。


「さぁ、王女様がお待ちかねだ。気合入れてトランセット王国まで行くぞ。」

「はぁーぃ。。。」


王女様のお供旅行が始まります。













思ったより短くなってしまいました

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