1 誇りを持ってロリコン!
僕はごく普通の高校生、境修である。
現在高校2年生。勉強のできは悪く無く現在はゲーム部に入って毎日放課後は
僕以外で唯一の部員、結城と一緒に日々ゲームをやっている。
そんな僕にも人には言えない悩みがあった。それは中2のとき気づいたことで
僕は小学生の頃から恋愛の対象の年齢が変わっていなかったのである。
要するに、ロリコンだ。
僕は中学、高校のクラスメイトの女子がどれだけ可愛かろうと一度も本気で彼女にしたいと
思ったことがない。
それどころか日に日に僕の好きな年齢の女の子に対しての欲求が強くなってくる。
正しくは普通の高校生を装うロリコンだったわけである。
そんな悩みを誰にも相談できる筈は無く、ただなだらかにときが流れていきいき今に至るのだ。
もうその事を受け入れているが、クラスの男子が女子の話をしていると虚しくなってくる。
そうやって過ごして5月上旬。
部活紹介、勧誘の時期がやってきた我がゲーム部は残念ながら廃部寸前で
存続の危機に陥っている。僕は結城と校内を回りながら、一年の廊下を中心として
ゲーム部勧誘の張り紙をしていた。
掲示板はサッカー部や、野球部などの王道部活を初めてアニメ研究会などの
張り紙で埋め尽くされている。僕らはその上に画鋲をあえてさして張り紙をしていった。
「俺たちのゲーム部も栄光の日々があったんだよなぁ。」
と結城が切なそうにいう。そうゲーム部はアニメ研究会などとは違ってゲームを"する"
部活で結構珍しい。他では制作に限られるが我が校は戦うのだ。
しかし創立当初まだゲーム研究会だったこの部活は制作を主にして他の校の部活となんら変わらなかったらしいが2年前の3年生がこの研究会のメンバーで作ったクランがFPSの全国大会へと
羽ばたいた。この栄光が制作より大会に重点を置くと決定されるきっかけとなった。
そしてゲーム(主にFPS)部として活動し始めたそして去年の3年生がなんとFPSの大会で全国3位
に輝いた。それからこの研究会だったゲーム部はアニメ研究会などを置き去りにして部になったのである。
「それでつけられたあだなもかっこよかったよなぁ」
5人で結成されたゲーム研究会クランの一人一人に2つ名のことだろう。
先輩たちの姿はかっこよかった。それは自分も痛感している。
だが、いまのこの部活は過疎状態部員は自分たちを含め3人だけ3年生の霊城先輩は幽霊部員だ。
いまはポケモンの育成があるとか言っていた。
霊城先輩は全国3位になったメンバーの1人である。もう1人今の3年生に
全国3位のメンバーがいたが辞めてしまった。
さて、結城と僕が協力したら案外すぐに張り終えてしまった。
お互いに張り紙という戦いの健闘を讃え、部室に戻って部室の扉を見ていた。
二人で穴が空くほど見る。
...............
結城と僕が思っていることは同じだ、言わなくてもわかる。
結城とはまだ高校には入ってからの仲だが、お互いに廃部を避けるという
強い気持ちを持っていることは分かっている。
そのときドアがガラリと開いた。
「差し入れだ。お前ら。」