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エセ老紳士が行く無責任放蕩記  作者: デイビッド佐藤
1/1

一期一会と腐れ縁

基本的に文量も適当、語法も書き方も感覚でやっていて至らない点が多々あると思いますので激辛対応でお願いします‼︎

 

  鬱蒼と茂る森の中、少女は息を切らしながら走っていた。明らかに様子がおかしい。顔は擦り傷だらけで手足からも出血している。特に脇腹からは服の上からでも分かる位に多量の血が滲んでいた。平時では美しかったであろうアッシュブロンドの髪は血に塗れ固まり見る影もない。仕立ての良いドレスは引き裂かれ背中が露出している。誰がどう見ても普通の状況ではない。少女の背後からは何かが追ってきている様だが風を切る音が聞こえるのみで何も見えない。追跡者は尋常の者ではない様だ。少女の体力ももう底をつくだろう。じきに追いつかれるはずだ。

  少女はこの状況に絶望しかけていた。しかし希望は棄ててはいない。未だ諦めを抱かず歩みを止めない理由は、偏に少女の精神力と自分を守り散っていった者達の願いによるものだ。


「此処で死ぬ訳にはいかないッ‼︎」


 ーーどうか生き延びて下さい。

 

  思い出す彼等の最期の言葉、その言葉にあの者達の全てが込められていた。それを裏切れる訳がない、裏切って良い筈がない。


「絶対に生きて帰る! 生きて伝えなければいけない事がある‼︎」


 彼等には家族がいた。私も良く知っている。城を抜け出して王都を視察していた時には随分とお世話になった。

 もはや会わせる顔を持ち合わせてはいないが、それでも彼等の家族に伝えなければならない。彼等の勇敢なる最期を……罵られるかもしれない、何も言ってさえくれないかもしれない。それでも伝えなければならない。彼等の献身に少しでも報いなければならない。彼等の死は、無駄では無かったと証明しなければならない。

 他の誰でもない私自身が……だからここから生きて帰る。ここで諦め絶望の海に沈みただ死を待つ事は出来ない。

 彼女もそれは望まないだろう。そう彼女……散っていった者達の中には幼き頃より姉妹同然に育った侍女も居た。

  名前はカルラ、幼い頃からの専属の侍女だ。年は私と同じ十六になる。赤毛でそばかすがチャーミングな笑顔が眩しい私の大切な友達……

 けれど彼女はもう居ない。襲撃された時に私を庇って死んでしまった。彼女の最期の言葉もやはり私の生を望むものだった

 嗚咽が漏れそうになるのを必死に我慢して走った。

 だが、体力は限界に近く体は鉛の様に重く心臓は今にも破裂しそうだ。しかも追っ手はすぐそこまで来ている。

 強い焦りに苛まれ絶望の影に囚われそうになるが己を叱咤し前へ進んだ。しかし限界であった。心ではなく体が……

 不意に足の感覚が消失し視界が回転する。突然の事に驚き直ぐに立ち上がろうとするも足が動かない。それでも腕で這って進もうとする。


「前へ、前へ、前へ前へ前へ前へッ!」


 声の限りに叫ぶ、追っ手の事等もはや頭に無かった。既に心も限界に近づいて来ている証拠だ。しかし諦める事は決してしなかった。その執念が奇跡を呼んだか、或いは神の気まぐれか、それは誰にもわからないが確かに少女に訪れた逆転の一手、全てをひっくり返すジョーカー、この出会いを少女は一生忘れないだろう。這って進んだその先に


「こんな森のなかで何て格好だいお嬢さん? 謝肉祭ならまだ先の事だよ?」


 全裸の老人が焚火を囲んでいた。


激辛の後は激甘な一言を貰えれば嬉しいです(ボソッと

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