04 二人がパーティーに加入した(強制イベント)
「大丈夫大丈夫、心配無用たから。アタシだってちゃんとアイスと冒険できるように準備してたんだからね?」
「いや、だけど……」
幼馴染みだからわかる。これは本気だ。だけど俺だって危険な冒険にミントを連れてはいけない。
「アイス、ミントちゃんみたいな美少女と冒険できるのよ。わかる? それだけでも貴方は幸せ者なの。こんなチャンスないわよ」
「母さん、何を言ってんだよ、ミントにもしものことがあったらどうするんだ? 魔物と戦うんだぞ、何かあったら責任取れないよ」
よし、これなら母さんも言い返せないだろ。あとはミントを説得するだけだな。
「アイス、遂に貴方もその気になったのね? ミントちゃんを生涯守るってことなのね? うん、ミントちゃんなら母は大賛成よ」
「はぁ? 母さん、なんでそうなるんだ?」
ミントは顔を真っ赤にしてうつ向いてしまった。ヤバイ、母さんのペースだ。このままではミントにプロポーズしたとかの話にされるぞ、それはマズイ。
やはり口でこの二人を説得するのは無理なのか? 最早勝てる気もしない。
仕方ない、この件については最早打つ手なしだ。それならせめて……。
「わかったよ。そこまでミントの意志が固いなら一緒に魔王を倒しに行こう。でも魔法使いとしてじゃなく剣士としてだ。ミントの剣術は一流だ。むしろ剣士として俺に力を貸してれ」
「――アイス。うん、わかった。ありがとう、嬉しいよ」
「よく言ったわね、それでこそ勇者よ」
母さん、なんでも勇者で片付けるの止めてくれよ。だけど、本当にミントの剣術は凄いからな。なんせ剣術なら俺よりも――ん?
「え? お、おいっ、ミント!?」
ミントは立ち上がり突然着ていた外套を脱いだ。はっ? いや、何をやってんだよ? なんのサービスだ!?
「じゃ~ん! 実は魔法使いじゃなくて剣士でした~!」
「……は?」
ミントはなんと外套の下に、白のブラウス着てその上に銀の胸当てを装備していた。更にはミニスカートとロングブーツを履いている。むっちりとした艶かしい太股があらわになっている。
な、なんてことだ。目のやり場に困るじゃないか! 嬉しいけど。
いや、そうじゃないだろ!
あの太股の領域、やばいぞ。ミントは胸も意外にでかいから胸当てで苦しくないのか? なんて変な心配をしてしまう。
……いや、そうじゃないだろ!!
くっ、やはりミントは剣士の装備がよく似合う。細身の剣、レイピアを腰に下げている。剣術の腕はまさに天才だ。
だが剣を振れば揺れまくるでかい胸が胸当てで隠されてしまったな、残念。
……まて、まてまて、そうじゃないだろ!
「おいっ、ミント! お前な――」
「どう? びっくりしたでしょ。 ミントちゃんのお色気イリュージョン~!」
「あのなぁ……ま、わかったよ。言ってもどうせ聞かないだろうし。よろしく頼むぜ、ミント」
「オッケー! 任せて、アイス」
笑った笑顔が凄まじく可愛いから許してやるか。毎回ミントには振り回されるな。明るくて元気で見た目もピカイチの幼馴染み。
「よかったわね、アイス。ミントちゃんがパーティーに居てくれるなら母も安心よ」
「改めてよろしくね、アイス、ルビーちゃん!」
「ああ、よろしくな。ミント」
だけど、勇者として既に手に負えないパーティーになるような予感しかないんだが。
ま、考えても切りがないから朝食を食べてから王様に会いに出発しよう。
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