3/6
DR②
DRの技術を用いたそれは、日本の大手家電メーカーが開発した、生活補助ハード《OWC》というものだ。
“生活補助ハード”という呼称の通り、このハードを起動し、コマンドを入力することで、生活のありとあらゆるサポートをしてくれる。
例えば、料理は材料を揃え、作りたいメニューのコマンドを入力。
洗濯も、洗いたい服を選びコマンドを入力。
力が欲しい時は、筋力アップのコマンド。
更に、5年前まで普及していたスマホの機能も兼ね備えている。
そして当たり前だが、VRじゃないため、それらのことは全て現実世界で実際に起こっている事象だ。
冷静に考えれば、おかしい程便利すぎるハードだが、これを実現出来てしまうのがDR。
そんな技術の誕生は、2017年に起きた「事件」、そして、それから今に至るまでの「空白の5年間」が鍵となっている。
あれはまだ、俺が18だった頃……