第一神話 最初の食事
書けたよ…がんばったよね私…( ;∀;)
気がつけばそこは知らない家の中。芹華は布団に入れられ眠っていた。
「はあ…最近は騒がしいわ…冥界の魂がよく抜け出すのよね…」
女性の声がする。全く聞き覚えのない声だ。
体を起こし、最初に目に入ったのは、深緑のツインテール髪、こちらから見て右に白いコスモスが耳上に飾られている、目は穏やかな緑、小さな赤いリボンがこちらから見て右胸に付いたミニスカートがふわっとした深緑のワンピースの靴下を履いていない女性。
女性は芹華に顔を向け安心できるような微笑みを見せていた。
「気がつきましたか?私は篥妃琴葉。偶然道端に倒れていたあなたを見つけ、私の家まで運んできました。ともかく、意識があり幸いです」
「ありがとうございます。私は峰一芹華です。えっと…ここ、なんという地名ですか?あと、荷物は…」
「ここは幻想郷という楽園です。そして、荷物は隣の部屋に」
琴葉が手で指す方にある昔ながらの横スライド式の扉を開けると、旅行バックが二つ。そしてその隣に、二つのシニョンを乗せているピンクの髪、右腕に包帯を巻いて、カンフードレスの女性がいる。
「茨華仙と申します。以後、お見知り置きを」
そんな挨拶を無視してバックを開ける。自分が入れた物が全部入っている。そしてもう一つ、紙があった。
『心の準備ができたら適当に歩いてね
鏡が迎えるから
追伸。自然四姉妹は絶対信用するな
by詠音』
「それでは私は行きます」
「よいのですか?」
芹華は旅行バックを持つ。
「はい」
適当に行った先が玄関。
この広い家でも、どうしてわかったのかはわからない。
でも、これが…。
☆★☆★☆★
さっきから視線を感じるのは気がついていた。「いい加減にしてください」と言いたかったが、無視する。理由はわからない。とりあえず感に従っている。
そして、視線のこと以外にも感じていることがある。
ドッペルゲンガーというものは、自分の常に背後におり、どんな手を使い見ようとしても人間には見れず、犬や猫にしかわからないと言われている。そのドッペルゲンガーは自分の感のことを囁き自分の判断を思わせるという役目をしている。だが、そのドッペルゲンガーが、いないとしか思えない。今の自分の判断はドッペルゲンガー以外の誰かに教えられている気分だ。昨日___自分の十六歳誕生日の日から、そうだった。
気づけば竹林に入っていた。指示通りにまだ感で歩いている。通りすがった者に「迷うぞ」と言われたがそんなことどうだっていい。
…彼女の指示が正しいとしか思えなかったから。
「お疲れだ。芹華」
突然名前を呼ばれた。紙に書かれていた通り、鏡が迎えてくれる。
二階建ての現実によくある家がある。
「そんじゃ、今から言うことを実行しろ。全ては詠音からの伝言だ」
ここに来て、全てが快適になった。
☆★☆★☆★
竹林を少し歩き家が見えなくなってきた所。
「いい加減にしてください」
視線に対する怒りが爆発し、言ってしまった。目線の正体は、幼気な女の子だった。
不気味な目の部分だけを隠す仮面を付け、金と薄い赤の色の柄をして、青の帯で縛っている赤い浴衣。そして茶色のロングストレートの腰の上ら辺まである髪。下駄。
「あ、決して悪気はないんです!ただのこのこと竹林に入っていくので珍しいなあと」
「名前は?」
「魑魅雪です!魑魅が苗字で、雪が名前です!」
昔ながらの名前。別に興味を持ったわけではないが、なぜか仲良くなれそうな気がしている。
「あ、あの…よかったら、家まで一緒に行ってくれませんか?竹林迷ったら大変ですし、よく親から一人より二人がいいと言われているので…」
完全にこの子、見え見えだ。まず幼気な女の子がのこのこなんて言葉使わない。使うとしても性格が意地悪系の奴ぐらいだ。次に、仮面をつけているのが怪しい。目に何かあると思う。最後になんでたった今さっき知り合った者に一緒に家に行くということを言うんだ。不自然すぎる。
どうやらこの女の子、性格悪い方だね。
「…いいよ。時間あるし」
それにこの目線。感じたことがある。
完全にテロリストと同じ目線、しているんだよ。
峰一家は有名なオカルト研究会。非科学なんて認めないって奴が多いから、狙われることが多い。だから、護衛を付ける者もいれば、自分で鍛える者もいる。
当然、私は自分で鍛えて殺し屋並みの観察力手に入れたんだ。しかも、今の私は拷問術も兼ね備わっているから、こんなこと簡単。
___わざとらしい演技。
「ご苦労さん!」
芹華はナイフを雪の頭に当てる寸前で雪に止められる。
「私知ってるんだよ。あんた、たった数分で私のこと完全に把握して、どうせバレるから楽にわざとらしい方がいいかって計算したんでしょ」
「私も奴隷作りで慣れてるからねえ。ここまで私を陥らせたのはあんたが二人目だよ」
一つの瞬きで、彼女の姿はとてつもない変化を遂げていた。
血が所々に付いた浴衣、裸足になっており、また血が流れた跡が付いている。相変わらず仮面は付けているが。
「ちょっといい?奴隷の一人二人くれないかな」
「あ?何するんだよそれで」
「ちょっと食べるだけだよ」
「…こっちだ」
雪は竹林の中で道案内をする。迷う姿は見せず、たったの数分でその場所に着いたという。
屋敷などではなく、鉄の蓋がしてある堀穴だ。
蓋を開くとはしごがありそこを降りさらに下を歩いていると大勢の声がする。
鉄製のドアがあり、ドアを開くと人が兎耳をつけた者や兎がせっせと働いている。
「おらサボってただろ。サボってた奴正直にこっちに来い!っていうか兎耳の奴全員だろうなぁ。おらっおらっ!」
どんどん兎耳の人間を蹴っていく。まさに地獄絵みたいだ。
その隙に芹華は自分の肩付近の所をナイフで抉る。不思議なことに、痛みがない。そこから触手が一本出てきて、自然と向かった方向、倒れている兎耳の人間の胸付近を刺した。抜き取ると、薄赤いぼんやりとした球が出てきて芹華の口の中に入れた。
「ふーん。魂食らいねえ」
「じゃもう用済みだし行くね」
「あ、もう行くのか」
ドアを開き長いちょっとした登り道を歩きはしごを登る。
蓋を開く。
次回はね、最後シリアス崩壊するよ。
第二神話 自然からの善