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第九神話 女神とその使いの…

雪とフランが外に出て弾幕ごっこをはじめたであろう頃。図書館の中には琴葉とパチュリー、それと作業中の小悪魔だけがいた。


「そういえば。琴葉、最近気になる本をもらったの」


パチュリーは一冊の本を小悪魔に持ってくるよう指示を出して、本をもらう。


「レミィが渡してきてね。レミィが咲夜にもらったらしいけど、咲夜は中庭に落ちてたって言っててね。内容は誰かが直接この本に記載した小説、私も一通り読んでみたけどなにかを記録した感じの小説だわ」


琴葉はパチュリーから本を受け取る。本は、厚くも薄くもない。ただとても大きい。表紙は白くて、黒で「女神」と書かれている。裏は黒くて、白で「その他の」と書かれている。背表紙には下に小さく「部外者」と書かれている。パチュリーに本を返す。


「すいませーーん!」


図書館の中に声が響く。その声は鈴のように美しい声だった。

そして二人の金髪の少女…というより幼女が走ってこちらに向かってくる。

一人は金の三角形の髪飾りが右ある胸ほどまである金髪に、赤い目は光があるかないか程度の虚目、四つの金の三角ひらひらがついた赤のロングスカートワンピースという容姿の幼女。もう一人はその逆で、金の三角形の髪飾りが左にあるショートヘアの金髪、朱色目は地味に光がある程度。四つの金の三角ひらひらがついた赤のミニスカワンピースの幼女。


「あら、玲と結じゃない」


琴葉は二人の幼女に話しかける。


「天秤玲で…って、違う違う!今とある本を探してるんです!ラジエルさんから預かっていた大切な本なんです、表が白くて裏が黒い本!」


玲というロングスカートの方の幼女は真剣な表情だった。


「それならこれかしら」


パチュリーはさっき琴葉に渡した本を手渡した。


「こ、こ、こ、これですっ!あ、あ、ありがとうございましたっ!」


恥ずかしそうにもう片方のミニスカートの幼女…結がお礼を言った。


「それでは私たちは!ありがとうございましたー!」


玲は本を片手で抱えて、もう片手で結の手を握って走り去って行った。


客間の中で続く沈黙。さすがに芹華も警戒をしている。だが、レミリアは微笑みを絶やさずにひたすら微笑み、時々紅茶を飲み、そして時々咲夜に紅茶のお代わりを頼む。


「…もう何もないなら行きますよ?」

「そう。ならもう一つ聞かせて」


いい加減に思ったのか、芹華は口を出した。そして、レミリアは返事をする。


「あなた、紅魔館に被害は出さないと約束できる?神話生物の、峰一芹華」


ナイフが四本芹華に向かって飛ぶ。だがそれを芹華の肩部分から出された触手が跳ね返す。だが、一本だけ腕に刺さった。


「よく防げれたわね」


レミリアは呑気に紅茶をすすっているが、ナイフはまだまだ飛んでくる。何本かは防げれても何本かは防ぐ事ができない。次第に体力がなくなり、遂には倒れてしまった。


「これで少しはここの怖さがわかってくれると嬉しいわ。侵入者が増えたら困るもの。咲夜、精神科医に渡しておきなさい」

「はい、お嬢様」


☆★☆★☆★


「ラジエルさーん!」


玲と結はすぐに湖の、館の真逆の位置の所に来た。ラジエルはそこでロッキングチェアに座っていた。


「おやおや。お疲れ様だね、玲、結。それじゃあ、今回は女神の過去と目的を読んであげよう」


ラジエルは、玲と結から本を受け取り読み始める。


『旧作組、又の名を自然組。ここのリーダーは葉識紀恵。過去には人に恨みを持ち、その力を世界崩壊へと導いたことから破壊神とも呼ばれた。その目的は世界を保つこと、もう一つは神への信仰を強くすること。今現在、その多さから圧倒的に勝利を収め、ほとんどの世界は今の状態を保っている』

『新作組、又の名を創造者組。ここのリーダーは純玲詠音。過去には__』「おっと、戦争が始まったね」


読んでいる途中に、湖の少しの水が、浮き上がる。そのことは誰もが目に焼き付く光景。そして水が弾けた。


「戦争っていってもねぇ…ずっと前から始まってたんだけど」

「目立てばいいだけなのに戦争とか、まじ草生えるやろ」


芹華がひまわり畑で戦ったあの四人_自然四姉妹が現れた。


一方竹林の中、ここでも対峙が始まっていた。

鏡が対峙しているのは、黒髪のサイドテール(?)、両方の袖に太陽のマークと紋章がある赤いTシャツ、両脇に月のマークと紋章がある黄色のロングスカートという、半鬼半神の月陽季癒(げつようきゆ)。詠音が対峙しているのは膝ほどまである黒くふわりとした髪、純白のワンピースをしている、目は黒、額に付けるタイプの、旧作組の印があるティアラをしていて、そんなに高くない白で先が赤いハイヒールをしているという容姿の葉識紀恵(はしききえ)

副リーダーと、リーダーの対峙は、一般の者には見ているだけですら耐え切れないほどの威圧を出していた。


何かが急速に落ちてくる。その何かは湖の中に落ちた。だが、中心部分だったので波を起こすだけで済んだ。


「なっ!」


湖の中から伸びた触手は花乃を掴み湖の中に引きずり込む。それと同時に落下したものは宙に出てきて、姿が見えた。

それは峰一芹華に似た"怪物"だった。触手が肩ら辺から二本、腕が変化した触手、髪の毛が触手のようになった計四本の触手、紅く光っている目、裂けた笑い口。

恵利は舌打ちをした。


「チッ最初にお出まししたのは『峰一に伝わる神話生物』かよっ!」


その光景を、雪とフランと美鈴は見つめ、出てきた他の紅魔館の住人と琴葉も呆然とした。

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