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試験会場と、最初の難関

ー試験当日ー

私は、朝早くから起きて昨日食べられなかったカツ丼を食べている。

朝からカツ丼はやっぱり重いか。

でも、残しておけないし。しょうが無いよね。

今日の試験は、10時から。

今は、7時半。移動時間は40分。色々準備もあるから会場九時半に着かなきゃいけない。そのためには8時50分出なきゃいけなくて。余裕を持って8時40分でいいかな。

余裕は、大切だし。

そう考えながら、朝ご飯のカツ丼を食べ終わり、片付けをする。

時計を見ると、まだ、8時。十分に時間は、余っている。準備もあとは、スマホを持って家を出ればいいだけだ。

私は、やることがなく、とりあえずテレビをつけてソファに座った。

テレビでは、ちょうど昨日の宇宙人の襲来のことを話していた。

『そうですね。最近は、高度な知能を持っている人型宇宙人が攻めてくることが多いです。』

『先生。それは、どうしてでしょうか?』

『それはですね、最近、日本で発見された、マグネルタイトという鉱物が原因ですね。マグネルタイトは、汎用性が高く地球内外関係なく使われています。ですが、マグネルタイトがよく取れていた、ルーニー星で、枯渇しつつありそれを補うために、攻めてきているのではないかというのが、私たち防衛局の考えですね。』

マグネルタイト。耐久性や柔軟性が高く、車や、電子機器、武器の材料として重宝されている。

それが、日本でも発見されたのだ。

宇宙人も狙いに来る。

『次は、お天気コーナーです。』

気づいたら、宇宙人のコーナーは終わり次のコーナーに変わっていた。

時計を確認すると、8時30分。そろそろ、出てもいい時間だ。

私は、テレビを消してソファから立ち上がり荷物を持ち玄関に向かう。

靴を履き、鏡で身だしなみをチェックする。

服装や髪型がきれいなことを確認して家を出る。

私は、昨日の宇宙人襲来でできたがれきの上を歩く。

もう、がれきの山も慣れてきたもので、簡単に登れる。

そして、最寄り駅についた。

時間にゆとりがあるため、売店でお菓子を買ってからホームに行く。

時間が来て電車が到着する。

扉が開いた瞬間、人が雪崩のように入っていく。

そして、席はほぼ争奪戦のように我先にとみんな席に向かっていく。

私は、壁により吊革につかまり発車を待つ。

電車が発車揺られながら、暗記問題のところを確認する。

周りには、同じく対宇宙人防衛局を受けようとしているであろう人たちが教科書を読んでいる。

みんな、私と一緒で試験を受けるんだろうな。

私もちゃんとしなきゃ。

この武器は…で、こっちは…

『本部前、本部前に到着です。本日入隊試験の方はこちらでお降りください。』

もう、本部前だ。

私は、深呼吸を一つして、ホームに降りた。

ホームは案外変わったところはなく普通だった。

私は、案内板を見ながらホームの道を進んでいく。

「どけどけー!アタシが通るぞー!」

遠くからの大きな声と、ドタドタと走る音が聞こえる。

な、何事?!

大声の主は、金髪ポニーテールの彼女だった。

「姉さん待てって。人様に迷惑だぞ。」

「いいの!遅れる方がやばいじゃん!」

「よくねぇわ!」

ま、待って。こっち来てんだけど?!

ぶつかる!

私と彼女は、真っ正面からぶつかって、二人とも倒れてしまった。

「痛ったー!あんた、どけって言ったよね?!」

私は、受け身を取ったが、彼女は、上手く取れなかったらしく、背中を押さえながら怒鳴ってくる。

「す、すみません!急に走ってこられて、ビックリして硬直してました。」

「ありえないー!」

そんなやり取りをしていると、後ろから彼女を姉さんと呼んで追いかけていた人が追い付いてきた。

「すみません。この馬鹿姉さんが突っ込んでいってしまって。」

弟さんであろう彼が謝るのと同時に彼女の頭をグイっと無理やり下げさせた。

「ちょ、やめてって!」

「姉さんは黙ってろ。」

彼女は彼の手から逃れようとするが力が強すぎるのかもがくだけになっている。

周りを見ると、通行人の視線がこちらに集中している。

「大丈夫です。私も、動けなかったので。」

「本当にすみません。ありがとうございます。ほら、姉さんも。」

「す、すいません。」

‥‥‥気まずい沈黙が続く。

「あの、貴方も、入隊試験を受けるんですか?」

先に沈黙を破ったのは、彼だった。

「そうですけど。あなた達も?」

「はい。僕たちも受けます。」

「ねえねえ、とりあえず、会場行かない?あんたも一緒に。」

彼女は、いつの間にかピンピンしていて道を指さしながら、話しかけてきた。

「う、うん。」

「やった!早くいこ!」

彼女はそう言うと走り出した。

だが、すぐに彼が彼女を捕まえ、戻ってきた。

「ほんとにすみません。会場はこっちです。」

彼は、ホームの道を指さしながら教えてくれた。

「ねえ、あんた名前なんて言うの?」

いつのまにか、彼の手から逃げた彼女が、隣にきて訊いてきた。

「あ、私は、奈月 紫音です。あなたたちの名前をうかがっても?」

「紫音ね、覚えた!アタシは、河原井 渚(かわらい なぎさ)。こっちは、弟の海翔(かいと)。アタシたちは双子なんだ。これから友達兼、ライバルとしてよろしくね!」

「はい、よろしくお願いします。」

二人は、同じ金髪に緑の目をしていて、髪型と服装、身長を合わせれば見分けがつかないんじゃないかと思ったが、双子だったらしっくりくる。

自己紹介をしているうちに、駅の外に出ていた。

本部前なのに、他の街と変わらないな。

「あ、見てみて!あれ、屋上の上のやつ!新型のレーザー砲だよ!めっちゃかっこいい!」

渚がキャッキャ言いながら、レーザー砲を指さしてはしゃいでいた。

「姉さん。声が大きい。」

「まあ、いいじゃん!紫音もそう思わない?」

「そうだね。」

渚がはしゃぎ、海翔がなだめる。

それを、繰り返しながら歩くこと数分。

対宇宙人防衛局の本部についた。

本部は、黒く横にも縦にも長い。

どっしりとした威圧感があった。

「す、すご。やばすぎ!アタシたちここ入れんの?神じゃん!」

渚が興奮して、大きな声で言う。

「姉さん、わかったから黙っててくれ。ほら、早く中に入るぞ。」

「海翔、まじめすぎ。」

渚は、ぶつくさ文句を言いながらも、海翔の後ろをついていく。

本部のセキュリティは、一つだけ。だが、それがかなり頑丈な「生体スキャン」だ。

このセキュリティは、無数のドローンが対象者をスキャンして生体情報と照合し同一人物か確かめる方法らしい。

私の、左目の人体実験の後は生体情報に登録されていない。

だから、ここをうまくすり抜けられなければ…。


考えるだけで鳥肌が立つ。


私は、少し緊張しながら、生体スキャンの中に入った。

飛んでいるドローンが、前、後ろ、左右と、どんどんスキャンしていく。

一通り、見終わってバレずに済んだと思ったとき。

「ピィィィィィ!」

と、けたたましいサイレンの音が鳴った。

それと、同時にドローンが何体も飛んできて私を取り囲んだ。

「左眼から生体に載っていない術痕を発見。」

ドローンから、無機質な声でそう言われた。

左目が、バレた。

どうしよう。逃げる。いや、逃げたら怪しまれる。でも、ここにいても怪しまれる。

私が、必死に打開策を考えていると、隣から大声が聞こえた。

「ちょっと、なにこれ!でかい虫みたいで邪魔なんだけど!」

大きな声の主は、渚でドローンを手で払っていた。

すると、私を囲んでいた、ドローンは渚の前に行き次は渚を囲んだ。

「なっ!海翔増えたんだけど⁉」

「姉さん、落ち着け。それは、セキュリティ用のドローンだ。」

「えぇ!?嘘つくな!」

「嘘じゃねぇよ。」

渚と海翔が言い争っている間に、私は、スキャンの範囲から逃げた。

よかった。渚、意図してないのかもだけどありがとう。

私は、無事(?)にセキュリティを突破して、本部に入ることができた。

本部の正面玄関にくると、前には看板が置かれていて『受験生ども大講堂に集まれ』と、短くそれだけ書かれていた。

上から目線で少し反抗心も湧いたが、書かれている通り大講堂に行くことにした。

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