とある人魚の話
コチラも2年前ほどに漫画用に書き下ろした脚本・プロットでございます!
↓本編どうぞ!
とある人魚の話
ザーザーと波
ダッシュで駆け寄る少年
少年の独白
「その夏の日に会ったのは。」
はーはーと息を切らす少年
その少年が見たのは砂浜に倒れている人魚
人魚の見た目は金髪に制服を着ている
「世にも不思議な女の子だった」
少年は慌てて
少年「だ、大丈夫ですか!」
と少年は呼び掛ける
人魚ゆっくり目を開ける
人魚「……ん……え?……ん」
人魚はゆっくり起き上がる
人魚「アレ、寝てたのかな……」と呟く
少年「あ、あの……(コスプレ?変質者?
まさか本当の人魚……)」
少年に気がつく
人魚「あ、こんにちは〜」
少年「えと、大丈夫ですか?」
人魚「なんくるないさ〜」とニッコリして
少年「な、なんくるないさ〜」苦笑い
人魚「何か、心配かけちゃったみたいだね
ごめんねー」と言いながら
少年「……はい」
尻尾を脱ぐ
人魚「驚くよねぇ〜そりゃねこんな姿〜」
少年「(あ、脱げるんだやっぱコスプレか…)」
制服姿の人魚は脱いだ尻尾を持って
人魚「ところで!君!名前は?学校はどこ?」
少年「……えと、名前はトオルです。
学校は……」まじまじしながら
人魚「トオル君かぁ〜イイネ!日本風で!
私は〜マリンってよく呼ばれてる」
少年「マリンさんですか……(外国の方なのかな?日本語上手いな)」
マリンはストレッチしながら
マリン「で〜学校は!近くの学校?」
トオル「……そうです近くの中学の2年です」
マリン「っ!2年生?って事は同い年?!
もしかしたら同じクラス?」
マリンはテンション上がる
トオル「え、えと転校生なんですかね……」
マリン「そうそうそう〜私ねぇ
日本大好きでさぁ〜漫画とかぁアニメとかぁ食べ物とか皆んな大好き!だから遠い海からはるばる
やってきた!」
トオル「あ、そうなんですか……(凄いな同い年でこんなにも勇気と自信に溢れて)」
マリン「ところで〜河童とかいないの?」
トオル「か、河童……ですか……」
驚く顔
マリン「なんか、私と親近感あるんだよね〜
一度でいいからお話ししたいなぁ〜」
トオル「そうなんですか……(多分いないと思いますけど)」
マリン「そう?まあ
河童さんは後で探すとしてぇ」
足を伸ばす
「一泳ぎしようかなぁ」
とマリンは泳ごうとする
トオル「(転校生か……また僕と同じように……標的になるかもしれない……でもそんな事言ったら、怖がる……よな……)」は拳を握りしめて
過去の事を思い出す
ちょっとした回想
男の子「よその香りが移るあっちいけ!」
女の子(コソコソ話)「トオル君いるじゃん?
最近、転校して来た男子……真面目そうに見えて
実は元の学校でヤンチャしてたらしいよ!」
指を指されるトオルは頭を抱える
「多分、人を虐める人には
『その人よりも上でありたい』
そんな思考があるんだと思う。
どんな場所でもどんな人でもそんな思考が芽生えるのは人間だから仕方ない……」
「だけどその思考が行動化する事がダメなんだ
誰かの傷を癒せる力を持ち合わせてる人であってもそんな事はしてはダメだ」
僕
一人で抱え込む人が産まれてしまうから……
マリン「トオルも泳ぐ?」
とトオルは考え込んでいた気付いていなかった
マリン「トオルく〜ん〜」
トオル「え!あっ!すみません!なんですか?」
マリン「泳がぁ〜ないッ?」と満面のニッコリ
トオル「……で、でも僕、泳げません」
マリン「そうなの?でも大丈夫!
私の尻尾貸してあげるから!」
とマリンは尻尾を持って
トオル「……えと」
マリン「この尻尾はね!凄くて!
泳げって念じたら!泳げるよ!付けてみて!」
と強引にも
トオルは人魚の尻尾を付ける(横たわる)
トオル「……こんなで泳げるんですか?」とオドオドする
マリン「うん!さあ行こう‼︎」と手を引っ張って
海へ
マリンとトオルは手を繋いで海面にプカプカ浮かぶ
マリン「手話すよぉ〜!」
トオル「ちょ!まっ!」
と手を離す
トオル「(う、浮けてる………!)」
と水中を写して
尻尾がパタパタと動いてる
トオル「マリンさん!すごいです!」
マリン「でしょ〜」笑いながら
マリンはパシャっとトオルに水をかける
トオル「うわっ‼︎」
マリン「こうやって楽しんだ方が!
悩みとか不安とか!無くなる気がするんだ!」
トオル「……」トオルは考える
トオル「(でも、現状置かれてる状況は……変わらないし)」
マリンが楽しそうに水をばら撒く
その姿を映す
トオルは微笑んで
トオルはマリンに水をかける
マリン「キャッ!」笑顔
マリン「やったね!トオル!」
と二人は遊ぶカット
と場面切り替え夕方
マリンとトオルは浜に座りながら夕陽を見る
マリン「ハァー楽しかったぁ〜
一日でこんなに遊んだの久しぶり……」
トオル「そうなんですか?
毎日のようにこうやって遊んでいそうですけど」
マリン「ううん……そんなことないよ」夕陽を見る
トオル「僕もよく……嫌なことあったらこうやって浜辺に来てやり過ごしていました……」
と少し沈黙
少し経ってマリンが言う
マリン「実は私、日本に来るの凄く不安だったんだ、今日ずっと不安だった……」
トオルは真面目に聞く
マリン「他所からだし受け入れてくれる人がいるのかなって……勿論、日本は大好きだよ」
トオル「僕も分かります……僕も別の県から引っ越して来たので……」
二人は夕陽を見ながら話し合う
マリン「そうなの!」
トオル「……実際、受け入れてくれたかは
分からないですけど……」
マリン「あのね!それでね!
昔、漫画とかアニメで聞いたんだけどね不安は拭うんじゃなくて塗り替えるものだーって」
トオル「……」マリンの顔をみて
トオル「……いい言葉ですね」
マリン「だけどねその言葉だけじゃ……不安は塗り替えれなかったんだ」
トオル「……」
マリン「何が言いたいかってね」
マリン「誰でも知られたくない感情はあるかもだけど……こうやって人と話す事で不安は塗り替えられてゆくんだって事!」
トオル「ん……」
マリン「1人で抱え込んじゃ絶対ダメだなって!
だから!トオル君にこの事話せてよかった!」
トオル「……何で僕に話したんですか?」
マリン「え?友達でしょ!!違うのぉ?」
トオル「(そっか……思えば一人でずっと抱え込んでたな)冗談ですよ、話してくれてありがとう」微笑む
トオル「(家族とかに話したらたくさん、迷惑かけると思うからって……ずっと隠してたな)」
トオル「(友達って友達も……出来なくてずっと……抱えていたな)ねぇマリン……
少し聞いて欲しいんだけどさ」
と夕陽を写して 完
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