data3.ランドルグ
うぇ~い。時間間に合わなかったぜ。申し訳ないです。すいませんでした。少しでも見てくださる方がいることを嬉しく思います!今回もご閲覧ください!
あらすじ
異世界転生したと思われる高野樹理、モンスターに襲われたところ、魔法剣士、リノハ•シーミツマに助けてもらい、リノハに同行することに。そして城塞都市ランドルグへとたどり着いた…。
リノハ「ここが、ランドルグ国の南、城塞都市ランドルグです!」
樹理「ヘぇ~ここがランドルグなのか。」
重厚な門の前には何十…何百名もの人々が立ち並んでいる。
樹理「(やはり、『城塞都市』というほど有名なところなのだろう。)」
リノハ「門はあちらの方です!行きましょう!」
門の前には長蛇の列が出来ている。
樹理「……列が長いね。それに色々な人々が並んでいる…。」
リノハ「ここには商人、ギルドの方々、冒険者…冒険者にも魔法使い、剣士、武闘家など様々いますからね。」
樹理「(職業のようなものがあるのか…、よりRPGらしいな。)」
門番「承認表、冒険者の方はギルドカードをお見せください!もっていない方は右側の受付まで!」
リノハ「樹里さんは承認表やギルドカードは…」
樹理「………。」
ポケットを漁ってみたがあったのはポケットティッシュ。鼻を噛みたいわけではないのだが。
リノハ「やっぱり持ってないみたいですね。受付に行きましょうか。」
受付
受付さん「こんにちは。ご要件は何ですか?」
樹理「承認表の受け取りに来ました。」
受付さん「はい、ではお名前をお願いします。」
樹理「高野樹理です。」
受付さん「タカノジュリさん…はぁ、珍しい名前ですね…どういったご予定で?」
樹理「え…あ、この方の付き添いです。」
リノハ「こんにちは。」
受付さん「付き添い…では、出身地は?」
樹理「出身地…えっとー、あ、その…」
リノハ「ジラドレッド!!(小声)」
樹理「ジ、ジラドレッドです!」
受付さん「ジラドレッド……はい、では次に―――」
生年月日などを黙々と話していると
受付さん「はい!終わりました。100Gです!」
リノハ「これでお願いします!」
樹理「ありがとうございました!」
受付さん「よい旅を!」
樹理「な、なんとか切り抜けられたー。」
リノハ「中々危なげなかったですね…。」
樹理「ところで、ジラドレッドってどこなんだ?」
リノハ「私の故郷です…ランドルクからまぁまぁ遠いんですが。」
樹理「そうだったんだね。」
樹理「(またまた知らない名前だな…やはり日本ではないんだろうな。)」
リノハ「あ、そろそろ門が近いですね。」
門番「こんにちは。承認表、もしくはギルドカードをお見せください。」
樹理「承認表です。お願いします。」
リノハ「ギルドカードです。お願いします。」
門番「はいはい…と、リノハさんですか!横にいる人は…もしかして彼氏さんですかね?」
リノハ「え!いや、違いますよ。付き添いで来てくれた親戚ですって!」
樹理「そ、そうですよ!」
門番「ふぅ~ん、分かりましたよ。ではどうぞ!」
樹理「……門番さんとは顔見知りですか?」
リノハ「……はい、そうなんですが……ほんと、何なんですかね。困っちゃいますよ。」
樹理「は、はは…。」
リノハ「まぁ、気を取り直して!ランドルグ観光としますか!」
樹理「はい!」
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リノハ「ここが道具屋です!薬草、どくけしそう、魔法の聖水と役立つ物が色々ありますよ!そしてあそこは武防具屋です!武器には剣や槍、斧や杖がありますし、様々な防具もあります!他には銀行や他にも色々あって………」
早口に説明するリノハに少し驚きながら
樹理「そうなんだ~!わかったから一度止まってくれないか?」
リノハ「はっ!!……すいません、少しテンションが上がってしまいまして…。」
樹理「いや、大丈夫だよ。それよりさっき取ったスライムゼリーって何に使うんだ?」
リノハ「スライムゼリー…ですか。スライムゼリー自体にはあまり価値は無いんですが…『錬金術』出来ますかね?」
樹理「錬金…って、何するんだ?」
リノハ「とりあえず錬金屋に行きましょう!」
街角の少し怪しい場所にて
リノハ「ここが錬金屋です。」
薄暗いその家には植物が鬱蒼と茂っていた。
樹理「……少し怪しいんだけど、ここ本当に大丈夫なの?」
リノハ「問題ないですよ!そもそもこの場所には知り合いがいますしね。」
樹理「知り合い?名前は何て言うんだ?」
リノハ「名前はルリ―――――」
???「やぁ!リノハ、久しいな!」
リノハ「あ、久しぶり!」
樹理「あれが知り合いの人?」
意気揚々と出てきたその子は、女性の中では背の高いリノハより一回り程度小さく、これぞまさに魔法使いとでも言えるような帽子を被った茶髪の娘だった。
???「こんにちは、私はルリナ•ベルンドラド。世界で有名な錬金術師さ!」
樹理「こんにちは!ルリナ•ベルンドラドさん。………この人って有名なのか?」
リノハ「いや?全然。自称だよ?」
ルリナ「そこぉ!そんな事言わない!それでだ!そこの君、名前は?」
樹理「えっと、高野樹理です。」
ルリナ「ジュリ君!君は錬金をしにきたのだろう。考える限りおそらくスライムゼリーの錬金かな?」
樹理「何で分かったんですか!?」
ルリナ「それは…錬金術師の感……かな?まぁ店に入って来てくれ!」
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樹理「ここがルリナさんの店ですか…その…すっごい怪しそう…ですね。」
中に入ると怪しい小瓶や壺…明らかに『錬金術』という感じだ。
リノハ「まぁ、街の中でも少し離れたとこですし、錬金術ですから…。あまり来る人もいないんですよ。」
ルリナ「さて、ジュリ君、スライムゼリーはいくら持っているんだい?」
樹理「1…2…3…4つです。」
ルリナ「4つかい、ではここの台座に置いてくれ!」
その台座には謎の…よく言う魔法陣?が書かれている。
樹理「分かりました……リノハ、ここって何が出来るんだ?」
リノハ「ここでは錬金術の力で物質を変えて別のものに出来るんです。スライムゼリーはあまり使うことがないので、いらない場合は錬金術で変えたりするんですよ。あ、お金です。」
樹理「そうなんだな…。等価交換うんぬんはどうなるんだろうか…。」
錬金術と聞くと鋼の方の錬金術師が出てきてしまいそうだが、そんな考えはしまっておこう。
ルリナ「リノハ!ジュリ君!そろそろ始めるから離れていてくれ。」
樹理「分かりました!」
ルリナ「それじゃあ行くぞ…『この世に生まれし精霊たちよ…我に力をお貸しください……グリンドル!』」
すると台座は光りだし、スライムゼリーが光に包まれていく。
樹理「『グリンドル』…それが錬金の魔法なんですね。」
ルリナ「錬金には一日近く時間がかかってしまうから、結構待たなきゃいけないよ…今日は暗くなって来ちゃったし、宿で泊まりなよ。私は錬金術でもてなす暇はないのでね。」
樹理「わかった。ありがとうございました。また明日!」
リノハ「またね〜!」
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ルリナと一度別れた後、レストランで食事を摂り(リノハの支払い)、宿へと向かっていた。
樹理「あぁ~宿だ…!野宿じゃない!」
従業員「こんばんは!お休みになられますか?それとも泊まっていきますか?泊まる場合は150Gです。」
リノハ「泊まっていきます。これが150Gです。」
従業員「はい、では11号室の部屋の鍵です。お名前をお書き下さい!」
リノハ「私が書いておくので、樹理さんは先に行っていて下さい!」
樹理「はい!先に行ってますね!」
部屋に行き、先に目についたベットに飛び込んだ。
樹理「こっ…これは!ふかふかのベッド!ふかふかのベッドに慣れてしまった現代人には野宿はキツかったぜ!んーー…いや、今のところちょっと違うかも。」
リノハ「…げ、げんだいじん…?わからないですが、とりあえず嬉しいんですね?」
樹理「そうだよ!もうとろけてしまうくらいだよ!」
リノハ「……樹理さんはスライムなんですか?」
樹理「違うよ…、うん…。」
樹•リノ「・・・」
場に気まずい雰囲気が流れる。
リノハ「まぁ……もう寝ましょうか。」
樹理「ああ、うん、そうしようか。」
リノハ「お休みなさい…。」
樹理「お、お休み……。」
樹理「(あー、リノハは冗談は通じないのかな?やらかしたな…。まぁゆっくり出来ることだし、一度情報をまとめるため振り返るか。
まず実莉を助けてトラックに轢かれて、異世界に転生した…と思われる。そしたらモンスターに襲われてリノハに助けられた。そしてリノハとともにランドルグに来て…だな。
……中々に都合が良過ぎるような気がしないでもないな。とりあえず明日は錬金した物を取りに行って…何をするかな?特に目的が決まってないし…、どうしようか…。」
樹理「…なぁ、リノハ?」
リノハ「…どうしましたか?樹理さん?」
樹理「僕は…君とは、その、初対面で、知らない人でしょ。」
リノハ「…。」
樹理「どうして、そんなに優しくしてくれるんだ?」
一呼吸おいた後に、リノハは話してくれた。
リノハ「…私には師匠が、いるんです。私に色々なことを教えてくれたんですけど、そんな師匠が私に言ったんです。『人は、無償の愛を分け与えられる人が、一番強い』って。
どうしても、人は何かを分け与えたとき"見返り"を求めてしまう。でも、その見返りを無視してまで、誰かの為に何かを成そうとするなら、きっと、それは力になる。それが師匠の教えの一つだったんです。
まぁ、師匠が言うには、だからと言って自分を無視して無理をするのは良くないとも言ってるんですけどね。
だから、私が今していることは、自分がやりたいことだからやってるんです。」
樹理「……そっか、ありがとう。」
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翌日
朝日が窓から差し込む。
樹理「ああ~、いい天気だな。」
リノハ「そうですね。準備をしたら取りに行きますかね?」
ふと扉が三回叩かれ、開くと従業員の方がいた。
従業員「すいません、お客様、お名前なんですが…これは何と読めばいいでしょうか?」
樹理「これは…」
高野樹理
リノハ・シーミツマ
樹理「"たかのじゅり"って読みますよ?知りませんかね。」
従業員「タカノジュリさん…こういう字があるんですか!?初めて知りました。」
リノハ「私も知らない……見たことないですね。」
樹理「は、はぁ…?」
樹理「(この世界には漢字がないのか?……より異世界らしくなってきた。のか?でもそれだったら字は全部カタカナかひらがななのか?いや、ひらがななどの元は漢字じゃ…?)」
リノハ「樹理さん、これは何ていう文字なんですか?」
樹理「こ…これは漢字って言うんだけど。」
リノハ「漢字…へぇ、そんなのがあるんですね。」
戸惑いながらも、僕はその宿を後にした。
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錬金屋
リノハ「お邪魔しま〜す。」
樹理「こんにちは〜」
ルリナ「おっ!来たね、出来てるよ!」
樹理「本当ですか!一体どんなのが出来たんですか?」
ルリナ「出来たの、中々良いやつだよ。珍しく成功したんだ!」
リノハ「珍しいですね…いつもうまく出来てないっていうのに。」
ルリナ「…そんなこと言わないでくれよ。ともかく!出来たものはこれだよ。」
樹理「…これは?」
ルリナ「これは魔結石だよ。運が良いね!」
ご閲覧ありがとうございます!今回書いてて
中々長い気がしましたね(多分気の所為。)
次回もお楽しみに!
あと、評価も頂ければ涙で顔がびっしょびしょになるほど嬉しいです。