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あなたが魔法の異世界をおくる。  作者: 島野虎太郎
巨大樹より
12/19

Data11.風が運ぶよ

ういっす。パッパと始めちゃいましょうか。

始まり始まり〜。

あらすじ

 前回、ついに樹理は仲間となったリノハとラッドとともに旅に出発!その先にあった協会でルミィと出会い、困っていたドスオークの討伐などなど…そうして問題解決ゥ!した樹理たちは再び旅を進め、グリーンフォールへと辿り着いたのであった。

 

樹理「すごい!圧巻だなぁ!」


 広がる景色には巨大な大樹、レンガ造りの洋風な街並み、人々の喧騒が響く空、そして吹き抜ける風が頬を撫でる。空には太陽が光り輝く。ランドルグと町並みは似ているが、何かこう、空気が違う。壁が有るのか無いのかもあるのだろうか。東京からちょっと田舎に来たような。まるで清涼剤のような爽やかさがある。


リノハ「ですよね~!いつ見ても凄いですよ。」 


 ラッドは目を輝かせていた。

ラッド「すっげぇぇぇ!こんなでかいの初めて見たぞ!」


 各々が感嘆の声を漏らしている。


ラッド「こんなにでかいもんなんて、もう一生見ないんじゃね?」


樹理「言い過ぎだなそれ。」


リノハ「ですね。」

と話していると、突然地響きが起こった。体が跳ねるような感覚とともに、強い地震……ただ、()()()()()()|で強い地震が起こった。


ラッド「うおっ!揺れて…!」


リノハ「大丈夫ですか!?」


 二人が少し態勢を崩す。ふと遠くを見ると、かなり歳を召した女性が転んでいたり、店の商品であるリンゴが転がり落ちたりしていた。


 地響きと地震が止まると、静まり返っていた人々の声はまた活動を始めた。


リノハ「ふぅ…大きい地震でした。」


樹理「これが問題になってる"地震"か。」

立ち上がりながら服についた埃をほろこって、次の行動を考えた。


樹理「…急いでギルドに行くべきだな。早く国公騎士の方と合流して原因解明を進めるべきだ。」


ラッド「賛成だ。さっさと行ってさっさと解決しちまおうぜ!」


リノハ「もちろん!行きましょう。」


 三人とも意見は合致。それじゃ行こう!


樹理「っと、その前にだ。大丈夫かそこのお婆ちゃーん!」


 ラッドは少しよろめいた。

「だろうな!」とツッコミながらもその様子を二人は温かい目で見ていたという。


ばっちゃん「おー、イテテテ。」


樹理「大丈夫ですか?立てますか?」

 お婆ちゃんに手を差し伸べる。


 ばっちゃん「あぁ、ありがとねぇ。最近腰が痛くて痛くて。移動はあの…なんだっけ?ふーりょくエスカなんだかのお陰で楽なんだけど、どうも最近地面が揺れて揺れて…。」


 遠くではエスカレーターのようなものが魔力で動いている。恐らくは風の力で浮いていると思われる。

お婆ちゃんの言葉に相槌を打ちながら、僕は話を切り出す。


樹理「そういえばこの地震について調べてるんですが、なにか知りませんか?」


 お婆ちゃんは首を傾げて「地震のことねぇ……。うーん、ごめんねぇ、私もさっぱり分からないのよ。」

とこれといった情報はなかった。


樹理「そうですか…すいません。時間を取らせてしまった。」


ばっちゃん「良いのいいの!こんな年寄り、暇なんて持て余してるからね!ハッハッハ。」

 なかなかに豪快な笑い方をしていたので少しだけクスりと笑った。


ばっちゃん「あ!でもね。最近変なことがあるのよ。」


樹理「変なことですか?」と聞き返す。


ばっちゃん「風の噂…というのも違うわね。行方不明者がいるの。しかもここ最近でよ。」


樹理「行方不明者…!?」

 驚いた。地震以外にまさかこんなことが起きているとは思いもよらなかった。


ばっちゃん「本当に物騒で…。もしよかったらその問題も解決してほしいわ!お願いできる?」


 お願いされた。正直断る道理がない。

樹理「良いですよ。お婆ちゃんが困っているとこ、見たくないので。」


ばっちゃん「あらやだもぅー!」


 なんだか話が長引いてきている。そろそろ切り上げるべきか。


ばっちゃん「…あんた、男前だしねぇ。彼女さんとかいないのかい?」


樹理「え。いや、いませんよ。」


ばっちゃん「もったいないわねぇ。きっと良い人見つかるよ!」


樹理「ありがとうございます。ではそろそろこの辺で…。」


ばっちゃん「そうね!それじゃ、頑張りなさいよ!」


 お婆ちゃんの励ましで、ちょっとだけ元気がついた。よし!と意気込み、歩みを進める────。


ばっちゃん「あ!それとねぇ!」

 流石に倒れた。『バランス』を使ったとも付け加えておく。このお婆ちゃんにスキルを貫通されたのは驚く。


ばっちゃん「あっちの大樹は行ったほうがいいよー!風の精霊のご加護があるかもだからねぇ!」


----------


 ギルドにつくと、中では冒険者が集まっていた。話をよく聴いてみると、地震のこととかモンスターの討伐の事とか…それこそ、行方不明事件の話もあったが、これといった原因に関わるような話も聞こえないようだった。


樹理「疲れたな…なんか。すっごい。」とつぶやく。


リノハ「長かったですもんね。」


ラッド「見事に捕まってたもんな。」


 二人に同情の目を向けられながらも僕らはカウンターへ向かう。

 ここのギルドにはもう話はつけておくとサラムが言っていたのでスイスイ進むだろう。


受付嬢「こんにちは!今回はどうされましたか?」


樹理「タカノジュリです。」と言いながらギルドカードを差し出す。


受付嬢「タカノジュリさんですね…確認できました!後ろにいらっしゃる二人はリノハ・シーミツマさんとトロナガル・ラッドさんでよろしいでしょうか。」

後ろでは二人がはいと相槌を打つ声が聞こえた。


受付嬢「奥の方でギルドマスターと国公騎士様がお待ちになっておりますよ。お通り下さい。」と言われて僕らは奥の部屋へと通され、その部屋の扉を開けた。 


 部屋の中は、あまりラネルトさんの部屋との造りの違いはないが、心なしか棚が多く、中には短剣が飾られているのが見られた。


???「来ましたか、遅いで…ん?違う人でしたか。」


???「おっ!来た来た!サラムさんから連絡があったのは君たちかな?」


 部屋に入ると、ソファーにもたれかかり、眼鏡を掛けており、帽子から全身が緑で纏われている黒髪の人物と、いわば天然パーマの茶髪と金色の縁で特徴的なメガネをかけ、一度見たことのある服を纏った人物がいた。


樹理「はい、それで間違いないと思います。えっと…国公騎士とギルドマスターさんですよね。」

そう言うと緑の服の人物は持っていた本を閉じ腰を上げて話しだした。


コラハ「私はコラハ・ウィツギル、ジョデス城ぶり…ですかね。国公騎士です。以後、お見知りおきを。」


 その隣のギルドマスターも話しだす。

メーレ「俺はナツカグ・メーレ!このグリーンフォールギルドのギルドマスターだ!ナツカグでもメーレでもいいぜ!」


 二人の自己紹介の後、僕らも自己紹介をした。

終わった後、本題に切り掛かる。


樹理「えっと…早速なんですが、この街に起きてることについて教えていただいていいですか。」


メーレ「ああ、いや、確かに教えるべきなんだろうけど…ちょっとまだな…。」

 含みを持った話し方に疑問を持ち、ふと気づいた。一人足りない、国公騎士は"二人"のはずだ。


リノハ「国公騎士の人が一人足りないからですよね?」


メーレ「正解。そろそろ来るはず何だけどね…。」

 どうやら遅刻のようだ。


コラハ「あいつのことでしょう。しばらく来ませんし、この人たちに説明してもいいと思いますよ。」


 やけに吐き捨てるように冷たい声でそう答えたので、いつも通りなのが読める。どんな人なのか気になるものだ。と思っているさなか、会話は進んでいた。


メーレ「なら…説明させてもらうよ、ここ、"グリーンフォール"で起こっていることをね。」


 ある日のこと、今から半年前あたり。一人の冒険者が街の路地裏で行方不明となる。名をカモルダンと言う。

 この日を境に、何故か様々な冒険者達が行方不明となっていき、ギルドとしても対策はしているのだが、どれも不発に終わり、手を煩わせていた。そのすぐ後、国公騎士であるコラハ・ウィツギルがグリーンフォールへと来国したのであった。


メーレ「…ということがあったのさ。その後はコラハさんのお陰で行方不明者は減ったんだ。」


ラッド「コラハさんは何をしたんだ?」とラッドは興味津々の様子だった。


メーレ「ここら一帯では明かりを増やしたんだ。魔結石をコラハさんがこの国に多く回してくれるよう伝えてくれたおかげで、"魔灯"が沢山作れたよ。」

 僕は沈黙のまま話を聞く、魔灯はおそらく電灯と差異はないだろう。


メーレ「明かりを増やしたことで路地裏の通路もしっかりと見えて事前に防げるようになってね。最初はこれで大丈夫なのかと不安になってたけど、これがもう成功したんだよ。

 以前も3人グループのパーティーが連れ去られかけていたところを巡回していたギルド職員が見つけたんだ。どうやら見えていた影は魔物のようだったらしい。もう少しで捕らえられると思うんだけどさ…ここ最近はめっきり被害も少なくなって、行方不明になる人も減ったよ。」


ラッド「おお、良かったんじゃねーの?」


樹理「…でも、犯人は捕まってないと。」

 ラッドがあ!と驚いた顔していた。気づいてなかったんかい。


メーレ「そうなんだよね…。しかも、めっきり減ったと言っても少なからずとも被害はある。今でも行方不明者はいる。今すぐにでも捕らえなくてはいけないのに…!」


 俯いて、拳を握りしめていたのが見えた。

砕けたような感じの人だが、ギルドマスターとしての覚悟はある人のようだ。


樹理「それで、あとは先程あったような地震…ですね。」


メーレ「………ん?あ、そうそう。地震もだよ。始まったのは行方不明事件とコラハさんが来る間に一回目が始まってね。次第に地震の強さも大きくなってきてて、これじゃあ、いつ被害が出るのかやら……。」


 リノハはすでに考え込んでいた。

 行方不明、地震。2つの問題をどうやって解決するか。


樹理「やることは、一つだな。」


ラッド「…!お前、いったい何をする気なんだ?」

 緊迫した空気が場に流れる。


樹理「簡単さ。問題解決には、あれしかないだろ!」


リノハ「も、もしかして…!」

とリノハは唾を飲む


メーレ「もしかして策があるのかい!?」


樹理「やることは、ただ一つ!」


 情 報 収 集 !


リノハ「……。」

メーレ「……。」

コラハ「……。」

ラッド「……。」

樹理「……。」

全『…………。』


 こうして情報収集が始まった。メーレはギルドの仕事が多いため手を離せないので、リノハとラッドチーム、樹理とコラハチームで分かれてすることに。


ラッド「そんじゃ、俺たちは先に行ってくるぜ!」

と言い残し、そのまま部屋の扉を開けて出ていった。

部屋にいるのは男三人、何も起こらないはずはなく……


コラハ「それで、私達は何をするのでしょうか?まさか何もないと?」


 冷たい目線が突き刺さる、信用できないのも無理はないだろう。


樹理「まさか。ちゃんとありますよ。まずは資料を読み込むのが基本です。僕の……。」


 …あれ、僕の…誰だ?

モザイクと砂嵐が混ざりきった記憶が残っていた。


樹理「……?あ……。あ、メーレさん。事件に関する行方不明者リストなどの書物と……あ、あと個人的な事になるんですが、モンスターをまとめた図鑑とかってありますか?」


 メーレは二つ返事で「もちろんあるよ!」といって、そこそこページがある本と、その倍以上の本を持ってきてくれた。


 僕はコラハのいる反対側のソファーに座り、事件の内容をまとめた本を開いていく。

 ページをめくっていく。驚くほどにすぐ情報が入ってくるのは「ソクドクジュツ」と「完全記憶能力」のお陰だろう。


コラハ「…しかし、調べ物と言っても時間はかか…。」


 傍目から見れば流し見しているように見えないそれは、ジュリだから為せるもの。気付けば約600ページをものの10秒で読み終えていた。


樹理「おし、読み終わりっと…。」


 ふと周りを見ると、二人の目は点になっている。


コラハ「ええと…す、スキルによるものですか?」


樹理「はい、『ソクドクジュツ』と『完全記憶能力』によるものかと…。」 


コラハ「カンゼンキオクノウリョク…?あぁ、新しいスキルですか。」


 横からメーレが「え、ちょ、凄いね君?」と話しかけてくる。


メーレ「『ソクドクジュツ』は使ってる人を見たことあるけども…君ほど早い子はいなかったよ。」


メーレは「イかれてるってレベルだ。」と言いながら立ち上がり、先程まで僕の読んでいた本を回収すると、くるくると椅子を回して座った。


メーレ「『カンゼンキオクノウリョク』ってのから推測すると、君は今の二十秒ほどで、この本を読み切り、その上すべて覚えているといえるが…あってるかい?」


 僕は疑問混じりにも返事をした。

樹理「はい…まぁ、僕のスキルは自分自身でもわかってないんですが…『完全記憶能力』、『完全記憶処理能力』が僕の脳に関わっていると思います。」


メーレ「そうか、んじゃ、ちょっとその『モンスターずかん』も読んでくれないかい?約12000ページはある。スキルはもちろん使ってねー。」


 約二十倍にもなるそのページ数を樹理は一枚一枚、めくり始めた。そうして読み終わったのは約3分半後。およそ12000ページにもなる本を、樹理は読み終え、記憶した。

 その光景を見たコラハはふと質問を投げかける。


コラハ「よくそれで脳がパンクしないですね…。」


 たしかに。とは思ったものの、

樹理「多分、『完全記憶処理能力』が無ければパンクする可能性もあると思います。」


 その会話を聞いていたメーレがふと話す。

メーレ「えーと、つまりだ。君は今、物事を完全に記憶出来る上、解析能力が人より高く、かつ覚えられることに上限はないということだね…。」


コラハ「まるで情報保管庫…というか『本』そのものですね。」


樹理「『本』……本そのもの……図書室か……。」


 ふと、僕の過去の懐かしい記憶を思い出して、笑みがこぼれ────。



?…なんだここ。

本…本がある。棚に…僕の読んだ本が……?なんだこの本。

紙切れみたいな…本?

文字が書かれてる……『高野樹理』……?????

真っ白なのに暖かい…この空間は……なんだ?

これは僕の………?…。



樹理「…?あれ…れ?」


メーレ「…どうした。」


樹理「なんでもな…くはないです。なんだか…へんなところがあって……僕の読んだ本があって……まっしろで…暖かい場所で……僕の…僕の名前の…『高野樹理』のほん…が…………。」

 そこで僕の意識は急に途切れた。



ラッド「ほぉー。スゲェな、やっぱ。」


リノハ「近くで見ても圧巻ですよね。」


 俺等は情報を得るため、人が多く集まるであろう大樹前の公園にきていた。なお、かれこれ一時間近く経っていて、マトモな情報を得ることは無かった。


 ラッドが頭を掻きながら唸り声を上げる


ラッド「だーめだ。ここまで目撃情報もないとは思ってなかったぜ…。」


リノハ「……かなり、隠密能力が高いみたいですね。」


 困った俺等は一度街中を回ることにした。


ラッド「しかし…なんでここでは誘拐事件…しかも冒険者だけに限られたことが起こってるんだ?」


リノハ「うーん…なにか、冒険者が持ってるものが必要になるのか……。」

でも、犯人を見つけないとわかりませんね。とリノハは続ける。



 薄暗い路地裏、一人の子供は涙目になりながら歩みを進めていた。

???「お母さん……?お父ぉさん……?どこ…なの…?」


 一歩一歩進める足が重たくなっていく


???「怖い…怖いよぉ……いやぁ……。」


 街の大通りに近づいたところで、意識を失った。



 リノハはふと耳に誰かが倒れたような音を感じた。

リノハ「……!?だれか、意識を失っている人がいる?」 

 そう言うとリノハは走っていく。


 聞いた音を頼りにして、探してみると、そこは一本道の路地裏。そこには、一人の子供が倒れていた。


 駆け寄り、声を掛ける

リノハ「大丈夫ですか!?」


ラッド「マジかよ!急いで病院に連れて行こう。」


 リノハが子供を担ぐと、二人は足早に病院へと向かっていった。

閲覧頂きありがとうございました!

この数ヶ月何やってたかって…?

人には忙しいことが山のようにあるんですよ…。

といっても、只今ストーリーの内容をどうしていこうか考えています。

なんか…考えた内容と直近の曲とかドラマとかの内容が何故か被ったりするんですよ…。

なんでだろうか…。

これまでの分も含めて出来るだけこれからも頑張りますので、評価やコメント等お願いします!

そんじゃまた次回で!

さいなら~。

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