data1.始まり
こんにちは、初投稿の人です。初投稿なのでなんかおかしいとこあったら指摘お願いします!それではどうぞ見てってくれぇい!
これはとある中学校のとある放課後の話から始まった。
???「ふい〜疲れたぁ~!」
外からは夕日の光が差し込んでいる。人気のなくなった校内はしんとしている。
???「はい、ジュース買ってきました。気、緩みすぎじゃないですか、樹理先輩。」
樹理「ありがとさん…でも、そんなこと言わないでくれよみっちゃん。良いだろぉ~別に。」
???「みっちゃんって呼ばないでください。私には実莉っていう名前があるんですから!ちゃんと呼んでくれませんかね。」
彼女は松橋実莉、僕の一年後輩だ。将来は親が科学者らしく、科学者になりたいとのことらしい。
樹理「ごめんごめん実莉っち。いっつも癖でね。」
実莉「普通に言えないんですか?まぁ、それは良いんですけど…それで、今やってる実験、どうなりました?」
僕は実験、と称した実験まがいのことをしている。
何故かといえば、別になりたい職業はないし、それなら彼女のことを手伝おうかな、というのと他には、まぁ、その……ね……。ん"ん"っ…それは置いといて、それにはちょっと建前が入っている。え、もう言った?違う違う。
実際、僕はRPG系のゲームが好きで、そのゲームの魔法と一般的に呼ばれているものを科学で再現してみる!!…というような、少し子供っぽい考えだ。だがしかし、実際はどうかというと……。
樹理「いや、無理だってあんなドラ○ンク○ストみたいにメ○!なんて唱えても出るわけじゃないよ。そもそも火の発生の元が分からないし、いや、まぁね、ザ○とかは首絞めてなんとかなるけど。」
実莉「先輩、ちょっと生々しいです。」
冷静なツッコミが入る。
樹理「あ…ああ、それでそれで、ヒャ○は滅茶苦茶寒いとこで水の中に入れて凍らせたら出来そうじゃん。でもあれ別に砂漠でも出せるし…。メ○ローアに至っては炎と氷ってあれ溶けて水になってるだろ!おかしいよぉ!」
それはその通りである。そんな簡単には出来ない。科学はそこらの中学生が簡単に出来るものではないし、魔法なんてもっての外だ。もし出来るのなら今すぐにでもやりたいものだ…なんて、普通なら言うだろう。
実莉「落ち着いてください!そもそも明日も学校あるんですから、早く帰りましょう。」
思考を止めて、二つ返事を返した。
樹理「はいはい、わかったよ。」
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外の暗がりを街の街灯が照らし、頻繁に車が通る音が騒々しく感じる。
樹理「あ~あ、もう暗くなったなぁ。実験、伸びまくってこうなったからな。困るなぁ。」
実莉「本当ですよ!あんな実験に付き合わされる私の身になってください!本当迷惑ですよ。毎日毎日────。」
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実莉「はぁ…毎日、暇だなぁ…。やることはない、親はほとんど家にはいない。それどころか友達が中々出来ない。何をすれば良いんですかね…。」
とある放課後…彼女、松橋実莉である。友達無し、やることなし、そして帰宅部のThe.ボッチなのだ。
そんな彼女は図書室でぼへーとしている。夕日に打たれて突っ伏しているところに一人の人影があった。
???「……ねぇ君、随分と暇をしてるみたいだ。僕も暇だし、そうだな…しりとりでもしようじゃないか。」
顔見知りでもない素知らぬ男が近寄ってくる。
実莉「なんなんですか、あなた。急に馴れ馴れしいですね。私のことを狙ってるんですか?」
ジトっとした目線を向けると、少し動揺した。
???「いや、急に初対面の人は狙わないよ。そもそもそんなことしたら不審者と変わらないだろ。そんなことよりしりとりだ!そんじゃ"ら"から始めよう!ラッコ!」
質問も無視して無理やりしりとりを始めてくる。
実莉「声が大きいですね…………こけし。」
???「乗ってきたねー。し…しまうま!」
実莉「マリンバ。」
???「バス」
淡々としりとりは続く。
実莉「スイカ……あなた、名前はなんですか?」
???「カモメ…なんだい?急に…いいよ。僕の名前は高野樹理。君は?」
実莉「松野実莉、実莉って呼んでください。」
樹理「オッケーみっちゃん。よろしくね!」
実莉「実莉って呼んでくださいって今言ったばかりですよ…。」
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樹理「……どうした?みっちゃん、急に黙って。そんなに気に障ることでもしたか?」
…その元、見知らぬ顔の男が人の顔を見てそう言う。
実莉「いいえ、何でもないです。というかまたみっちゃんって呼びましたね!やめてくださいって言いましたよね!」
樹理「はいはい、まぁそんな怒るなよ。今度ジュースでも奢ってやるか(re」
実莉「ホントですか!約束ですよ!」
樹理「(ふへへ…ちょろいな)」
ふと、実莉は樹理へと体を。向き直す
実莉「…まぁ、でも前に声をかけてくれてほんと良かったですよ。嬉しかったです。」
樹理「何だ?急に改まって。」
実莉「ふふっ…別に、何でもないですよ。でも、私、樹理先輩のことは本当に………。」
実莉の言葉が詰まる。
樹理「…どうした?」
場の空気が少し冷えていく。
実莉「…先輩、実はですね…。私は…私は、あなたのことが─────。」
キキィーッと甲高い音が声を遮る。
樹·実「えっ?」
ハンドルをくねらせ、赤で照らされたトラックは顔をこちらに向けていた。
実莉「(ト…トラック?道路からはみ出してる…あれ…このままじゃぶつかっちゃう……)」
トラックが歩道に乗り上げ、刻一刻と近づいていく。そしてあの7歩半、6歩、4歩、2歩…
その時、彼女は確かに、自らの体に衝撃が加わったことを感じた。
実莉「(……えっ樹理…先…輩…?)」
…1歩――――――
人と車がぶつかり、鈍い音が響く。その場に響くブレーキの音。その場に倒れ込み、頭から鮮血を流す"人"がその場の悲惨さを際立たせていた。
実莉「……樹理先輩?…ねぇ、樹理先輩。大丈夫ですか?どうしました?…樹理先…輩。返事をして…ください。まだ私が言いたいこと…ありま…すよ?だから…だがら…もう…いっがい…ヒッ…返事…じでくだざいっ!…ヒグッ………ウッ……ヒッ………。」
朦朧とする視界、動かすことのできない体、目の前に広がる赤が自分の現状を嫌でも理解させている。
樹理「(…目の前…で彼女が…泣いている…頭が…身体中が……痛い…。やりたい…ことが…まだあるんだ……。絶対死ねない……まだ……まだっ……まだっ!……実莉とっ……一緒に─────)」
そこで僕…高野樹理の意識は途絶えていった……。
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樹理「う…うわあぁぁぁぁっ!……あれ?こ…こは?」
鳥が飛び、鳴いている。きれいな風が吹き、草木が生い茂っている。その場に広がる光景は、ここが見知らぬ場所だと理解させることは容易かった。
樹理「え…俺は、確か…トラックに轢かれそうになって、実莉を突き飛ばして、僕は思いっきり轢かれてしまった…よな?…でも頭も身体も異常なし、それどころかむしろピンピンしてるような…。」
近くの草むらから物音がして、そこを見つめる。
樹理「えっ?何だ?あそこの茂みが揺れてる?」
そこから、何かの塊が飛び出てきた。
樹理「うわっ…って、え?」
何かが飛び出してきたかと思えば、水色でぷるぷるしている体。丸い目、ニッコリとした口。これは……
樹理「あれは、ス、スライムだぁぁ!よく見る某スライム!とはちょっと違うけど。」
樹理「(というかこれは、まさかの転生とやら!つぅ~まぁ〜りぃ〜。メ○とかデ○ンとか撃てちゃうやつでは!?そうとなれば早速やるしかねぇ!)」
樹理「メ○!!」
・・・シーン
*しかし なにもおこらなかった…。
樹理「いやぁ、まぁ、でしょうね。こんな展開分かってましたよぉ!」
悔しさを噛み締めていると、スライムが動き出した。
ぽよぽよ、ぽよんと聞こえてくる。いや聞こえているが、そのままぷるぷるした体が飛び跳ねてくる。
樹理「飛びかかってきた!」
防御姿勢を取る。
樹理「でもドラ○エのようならあって1、2ダメージ。防御態勢を取ればいいはず!」
ドガッ
ぶつかる瞬間、骨が軋む音がし、身体に電流のような痛みが走る。
樹理「フグッ…痛い"っ…なんだよこれっ!」
うめき声をあげ、痛みを確かに感じる。
樹理「(これが1ダメージなのか!?確かに1ダメージは骨折並みとか公式に言ってたけど…ここまでかよ!)」
目の前では、もう一度、スライムが攻撃態勢を取っている、
樹理「一番弱いやつでこれかよ…。何もできないし、クソっ、逃げるしかない!」と振り向き、急いで逃げようとした途端だった。
森に響き渡る巨大な足音が鳥を飛び立たせる。
樹理「な…なんの音だ?」
??? ガァァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ッ"
木々をかぎ分け、目の前に広がった光景には、象並の巨体を持つ…合成獣と言える化け物がいた、
樹理「な…なんだよこいつ!ライオンに羽が生えたみたいなやつ!確実にスライムのやつとは違い過ぎる!」
少しずつ近づいてくる……樹理の頭には"あの瞬間"がフラッシュバックする。
樹理「(やばい……終わった…転生して最初から死ぬ!)」
???「危ない!」
その声が聞こえたと思うと、自らの身体は抱えられる。自らがいた地面には深く爪痕が残っていない。
樹理「・・・死、死んでない……」
自らが安全な状況に目を白黒させる中、彼女が口を開いた。
???「大丈夫ですか?」
樹理「は…はい。」
彼女の姿はフードでよく見えない。
??? ガァ"ァ"ァ"ァッ!
森中に響き渡る声は変わらないが、彼女は動揺を見せない。
???「レバンドラドですが……強そうですが…問題なさそうですね。くらいなさいッ!ボルガッ!」
彼女がそう唱えると目の前のレバンドラドとやらの合成獣めがけて彼女の手から火が飛び出す。
ウガッ、ウガァ"ァ"ア"ッ"、ウガァァァァァァァァッッ!
レバンドラドに火が当たりもがき苦しむ。
???「ここは逃げましょう!」
樹理「わ、わかった!」
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もうレバンドラドは追ってきておらず、息切れをしながら、座り込んだ。
???「ハッ…ハッ…大丈夫でしたか?」
彼女はおもむろにフードを外す。
樹理「あ、ああ、大丈夫です。ところで君…は…………え?」
樹理は目の前のことを信じきれなかった。
???「…どうか、されましたか?」
樹理「き…君は……」
樹理「松橋……実莉………なのか…!?」
見てくださりありがとうございます!話を見てくださった方は分かるように、本格的なストーリーは次回からになります。次回をお楽しみに!