1- ダレダイ
「ここでもないか」
そうぼそっと呟いて俺はこの世界を去った。
もう旅立ってから11年。俺が旅立ったのが16の時だから
第2次元だともう27になるのか。
なんか高校生の時が懐かしく感じる。俺の居場所はなかったのに。
「交通費的に考えてもいけて第7次元くらいか」
金のことはどの次元にいても考えてしまう。
まったく通貨なんて作ったやつはどこのどいつだ。
そんなことを考えながら俺はまた歩き始めた
2072年、科学の大幅な進歩により俺らのいる地球がある次元の他にも8つの次元があることが分かった。
すぐさま人間たちは別の次元に行こうと試みるが、別の次元に行くことのできる人間は地球にはごく少数しかいないことが分かった。俺たちはその人々を特異点と呼んでいる。
別次元が見つかった当初は特異点の数があまりにも少なかったため別次元に行く計画は断念。
そこから14年後にようやく第一部隊、8人の特異点が別次元へと飛び立った。
8人の特異点はそれぞれに散らばり8つの次元へ向かった。
そして無事帰還したのは2人。2人の行った次元はそれぞれ特異点を温かく向かい入れてくれたようで、地球との、第2次元との交流をしたいとのこと。後の6人が向かった次元では異国のものが来たとか何とかで殺されたらしい。まぁそりゃ急に意味わからん生物が自分の次元に来たらびっくりするわな。
そんなこんなで今は2110年。あれから38年たった。交渉が成立したのは4つの次元だけ。
あとの4つの次元はいまだに対立している模様。
聞いた話によればいつ戦争が起きてもおかしくないぐらいバチバチらしい。
とまぁざっくりと今の世界の状況を整理していた時ある女の子が急に話しかけてきた
「ねぇ君、もしかして第2次元から来た感じ?」
「えぇ、そうですけど、、」
「え!まじで!すごいや私初めて見たよ!第2次元人」
「あはは、それはよかったですね、、」
なんだこの女は、、今まで2つの次元を回ったがこんな元気はつらつ女はじめてみたぞ。
見た感じ歳は俺の1,2歳しただろうか、身長がやけに低く、でもおっぱいはおっきいな、、
とまぁそんなことは置いといて、今この子が言った通り今や第2次元人の数はほかの次元の人に比べて圧倒的に少ない。なんでかは俺もよく知らん、なんか政府の陰謀がどうたらーとか言ってる人いるけど多分もともとほかの次元に比べて少ないだけだろ。
「ねぇ君名前は?私はフィーナ!」
「今原透斗、あ、次元名はイクリーズです」
「やっぱり!君がイクリーズ君かぁ!」
俺はどの次元でも少し有名らしい。
理由は簡単で俺が一人だから。
普通別次元に冒険に行くときは5から6人のパーティーを組む。安全のためらしい
でも俺は一人で旅立った。友達がいないから。おいおい悲しいこと考えさせるなよ、
まぁともかく一人で旅してる怖いもの知らずがいるとかで名前だけが独り歩きをしてしまったわけだ。
「あのさ、もしよければでいいんだけどさ、、、」
フィーナと名乗る女が何かを俺に言おうとしてる
おいおいどういう展開だよこれ、あれか?金か?有名だからって金持ってるわけじゃないぞ?
カツアゲなんて久しぶりだなおい。
「私をパーティーに入れてくれない、、かな?」