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最期の晩餐~紫芋ドーナツ~

作者: 布団


「怪獣警報!怪獣警報」街中にサイレンが鳴り響く。

そんな中、ドアが閉まる。私の眼前で

さも当然とばかりにしまったドアは「封鎖中」と無常で無機質なメッセージを表示する。

あっけにとられる私をよそに避難用の電車は動き出す。

無人のホームに一人置いて行かれた私、先程よりも近づきつつある破壊音。

私の頭の中を様々な情報、考えが走馬灯のごとく目まぐるしく廻り回って、その結果は悟りを開く。

悟りはカバンに入れていたお昼ご飯用に昨日買った期間限定の紫芋ドーナツの存在を思い出させてくれた。

おもむろにカバンを漁って件の紫芋ドーナツを取り出す。

カバンの荒波に揉まれて少しへしゃげていた紫芋ドーナツは不格好、だが最期の晩餐にはちょうどいいかも。

一口ほおばる、紫芋の匂いが混じった甘味が口に広がる、美味しい。すべてを灰燼に帰す破壊の音が一歩近づく。

一口ほおばる。町のシンボルタワー「テンペスト」が崩れ落ちてゆく。

最後の一口ほおばる、地面が揺れて食べにくいけどしっかり完食、ごちそうさまでした。下にいる小さなモノを認識すらしていない無慈悲な足が駅に落ちる。

終わり


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