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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)
83/1841

83.馬鹿

「ねぇ、オルクス君、そのモラクスって馬鹿は悪魔なのでござるか?」


 コクリ、とフィギュアの首が頷く。


「えーっと、オルクス君との関係は? 友人とか、……兄弟、とか?」


 ………………


 なにやら黙り込んでしまった、答えにくい事を聞いてしまったかと後悔した善悪が言葉を掛けた。


「言い難かったら無理に答えなくても……」


「オナジ……」


「へ?」


 同じ? 意味不明の言葉にコユキが素っ頓狂な声を出したが、オルクスは構わずに言葉を続けた。


「オルクス…… モラクス…… モトハ、ヒトツ……」


 善悪とコユキは未だその言葉の意味を判りかねていたが、オルクスは更に言葉を重ねる。


「パズス…… ラマシュトゥ…… アジダハーカ…… シヴァ…… アヴァドン…… ムカシ、ヒトツ、ダッタ…… イマ、ナナツ……」


「「!」」


 いっぺんに色んな名前? が出てきた事に驚いた二人だったが、話しを聞く限り元々一人、いや一柱(ひとはしら)と言うべきだろうか?

 一つの存在であったらしい事にも驚かされていた。

 未だビタミンb1の吸収が満足でなく、眼球振動を起こしているコユキに変わって、善悪が素早くチラシの裏に書き記して行った。


 コユキもオルクスに関する記憶は未だ無事だったようで、確認するように話しかける。


「兎に角、オルクス君以外に六人居るのよね? で、元々は一つだったと、って事はオルクス君と同じ感じ、友好的だって考えても良いよね?」


 その言葉を否定するように、オルクスは首を左右に振って言葉を返した。


「モラクス…… キケン、ダ…… ニンゲン、イッパイ、コロス…… バカ、ダカラ……」


「えぇ~、馬鹿だから、でござるか? それは一体、どうゆう……」


 その後、相変わらず(つたな)い口調でオルクスが伝えた内容を、善悪は要約しながら確認して言った。


「つまり、オルクス君を含む七柱の悪魔は元は同じだったが、長い年月の内にオルクス君から分裂したのでござるな?」


「ソソ」


「んで、その中でこの世に純粋に、自分の魔力だけで具現化する事が出来るのは、オルクス君一人しか居ないと……」


「ソソ」


「他の兄弟? 弟や妹は何か依り代を利用してこの世に現れると…… それも、動物とか低位の存在を好んで使うと?」


「ソソ」


 こんな感じで聞き取って行った結果、本家本元のオルクス以外は、生き物、それも自分の属性に合った感情に支配されている動物を介してこの世に現れるらしい。


 人の手によって召還され、契約によって顕現する事もあるそうなのだが、その場合もっと格下の悪魔しか使役できないそうだ。

 波長が合っているとは言え、低レベルの魂しか持たない動物を依り代とした場合、純粋さは失われ、野獣の様に乱暴になってしまうと言う。

 この状態がオルクスが言う『馬鹿』になっている状態であり、かつての自分もそうであったと語ったのである。


 二十余年前、本来の姿で具現化したオルクスは、突然の爆風に撒き込まれ、魔力で作り上げた肉体を失い、唯一残された魔核の周辺に漂い続けていた、無念の想念、怨念とでも言うべき物を取り込んで『馬鹿』として復活を遂げた。

 偶然コユキのかぎ棒で、穢れ(けがれ)(はら)われ『馬鹿』から解放されたのだと言った。


 今回、モラクスが現れたのは、魂同士の繋がりのような物、『存在の絆』によって、本能的に分かったそうだ。

 これから、およそ十五、六時間もあれば、魂の侵食を完了させた、『馬鹿』なモラクスが現れ、近くに有る魂、恐らくは人間を襲い出すだろうと言った。


「閣下、いえ、ぜ、善悪! これ倒してくるのって、我々の任務、いやお仕事なのでありま、お仕事ですよね?」


「うむ、でござろうな…… 」


 まだ、幼馴染設定に慣れていない、元虫けらだった戦士の問い掛けに帝国の剣が神妙な面持ちで返した。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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― 新着の感想 ―
[良い点] オルクス君の説明に対する善悪の理解度が素晴らしいですね。そして悪魔たちの説明がわかりやすくこのあと、読んでいくのも楽しみになりました。 [一言] あ、馬鹿ってモラクスで合ってたのですね。わ…
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