表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 二章 暴虐の狂詩曲(ラプソディー)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

444/2042

444.特別攻撃隊

本日1回目の投稿です。

「善悪! アタシ特攻(特別攻撃隊)するわん!(自殺宣言?)」


 当然、善悪は驚いて言葉を返す。


「はっ? 何でござる? 藪から棒にぃ! 今、特攻したイーチ君がどうなったか見てたでしょ? なに? 馬鹿なの? 遂にオベンキョだけは出来た脳みそ迄、中性脂肪に浸食されたのでござるか? もう、馬鹿なんだから、バッカ! バッカ! このデブっ! でござるっ!」 


 聞いていれば只の酷い言い(ざま)である、しかし、それもこれも只々一途な気持ちで愛するコユキを心配する善悪の赤心(せきしん)から出た言葉なのである、だと言うのに脳を完全に腐らせたコユキが言いのけやがったのである。


「いいえ、それは違うわよ善悪…… そんなオダテには乗らないわ、アタシなんてまだまだガリガリよ、でもね、ここは行かなきゃいけない場面だって事位、痩せっぽっちのアタシでも分かるのよ、ねえ、お願い協力してよぉ! サポして! エクスプライムとかエクスダブル、イペラスピツォとかアスピーダでフォローしてよぉ! おねっ! おねなのよぉぅっ!」


 ほう、中々に粘るな痩せっぽっちの婆ちゃん……

 しかしである、どれほど頼もうが我らが軍師、王国の(つるぎ)であり共和国の(つるぎ)でもある善悪はそれ程甘い男では無いのである。


「そういう精神論とかで許可できる状況では無いでござろ? 勝算も無く行かせる訳にはいかない! これは絶対でござるよ! 先の大戦末期じゃあるまいし…… それでも、もし特攻したければ、拙者や皆が納得できる説明を求む! そう言う事でござるっ! そうでない限り、某たちは絶対に許可なんか――――」


「…… ゴーストが…… アタシのゴーストが、そう、囁いたのよ……」


「えっ? ご、ゴースト…… ゴーストが囁いた、の?」


 こくりと頷いて見せたコユキの顔を見つめながら善悪が静かに言った。


「ゴーストが…… 分かったのでござる…… ならば、行くが良いのでござるよ! 俺っちはフォローするのでござるよぅ! 少佐!」


 パズスやオルクスも否は無いようで力強く頷いていた、私、観察者は思った、何なんだよゴーストって、そして少佐って誰? と。


 ビッシィと敬礼を決めたコユキの姿には、締めてもいない鉢巻の幻影が見えた、七生報国(しちしょうほうこく)とか何とか見えた、錯覚だろうか、兎に角彼女は言ったのである、大きな声で……


「善悪…… ネットは広大だわ……」


「ああ、自分のゴーストに従えばいい…… でも、俺のセカンドハウス…… 覚えてるよな、コユキ……」


「うん、分かってるわ、じゃ! ね!」


 なんだろうか? まあ、兎に角コユキは身一つで岩陰から飛び出したのであった、(ただ)一つの首、円ら(つぶら)な瞳でこちらを見つめ続けている個体に向かって……


 走りながらコユキが叫ぶ。


「ねえ、アンタ! 丸まってよぉ! クルリってなってぇぇ! お願いよおぉぅ!」


 クルリ


 当たり前の様に首を丸める円らな瞳をした一本きりの首。

 コユキは満面の笑みを浮かべて叫んだのである、その身をボンキュッボンの美ボディに変じつつである。


「よっしゃあぁぁぁーっ!」


 コユキの体がやせ細るのに反比例する様に巨大化したカギ棒をしっかり握り込んだコユキは、首ちゃんが作ってくれた編み初めの輪っかに向けて再びの叫びを放ち、慣れ親しんだ行為、立体編みを始めるのであった、それはそれは凄まじい早編みであった。


 クルクルクルクルクルクルクルクルクルクル――――


 この作業の間、善悪とオルクス、パズスやラマシュトゥのサポートがとても良い裏方仕事を続けた事も、彼らの名誉の為に伝えておこう。

 舞台は主役だけで作られている訳では無く、それは人生に()いても同様の事であろう。

 そして作業は表裏一体(ひょうりいったい)の努力の結果、成功裏(せいこうり)に終了を迎えたのであった。


「討伐、完了! ふふふ、ネットは広大かも知れないけどね、前言修正、正確に言い直すわよ、ニットは偉大だわ…… 今後の可能性的にも、ね……」


 二本の巨大なカギ棒を構えて後ろを向いたコユキの背後で、(ひと)モッチャリになった数百の首の集合体が固まり、重力に耐えきれなかった胴体部が崩れ落ちるのであった。

 ズッドーンと大きな音を響かせて、であった。


 プルプルしている元ヒドュラ、現肉の玉の中から、人懐っこい瞳を輝かせてコユキを見つめ続ける一つの首が嬉しそうに、巨大な牙を覗かせつつパクパクと口を開け閉めしている。


 コユキは言った。


「んじゃあ、プスリと行くわよ? これからよろしくね、ヒュドラ君! えいっやっ!」

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=140564926&size=200



fw2razgu4upfkla8gpm8kotvd1hy_1365_xc_ir_92ne.jpg
にくい、あんちきしょう…… ~食パンダッシュから始まる運命の恋~ は↑からどうぞ



eitdl1qu6rl9dw0pdminguyym7no_l63_h3_7h_23ex.jpg
3人共同制作の現場 小説創作の日常を描いた四コマ漫画 は↑からどうぞ



l7mi5f3nm5azilxhlieiu3mheqw_qn1_1kv_147_p1vu.jpg
侯爵令嬢、冒険者になる は↑からどうぞ
~王太子との婚約を一方的に破棄された令嬢はセカンドキャリアに冒険者を選ぶようです~ 



jvan90b61gbv4l7x89nz3akjuj8_op1_1hc_u0_dhig.jpg
見つからない場所 初挑戦したホラー短編 は↑からどうぞ



異世界転生モノ 短編です
8agz2quq44jc8ccv720aga36ljo7_c1g_xc_ir_97jo.jpg
【挿絵あり】脇役だって主役です ~転生を繰り返したサブキャストは結末を知りたい~ は↑からどうぞ



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] 編み編みしたのですね、大変危険だったかと思いますがよく頑張ったと思います。善悪の罵詈雑言もなかなか凄まじかったとおもいます。実は例の作品は守備範囲外なので、うすら、そうかなぁと思いつつ、楽…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ