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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 二章 暴虐の狂詩曲(ラプソディー)

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389/2035

389.猿と蟹

本日2回目の投稿です。

1回目は『388.浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ』ですので、

まだお読みでない方はそちらからお読み下さいませ。

 カゲロウ位の薄弱な存在に目を細めて見つめたコユキは呟くのであった。


「猿…… よね? ねえ、若しかしてアンタって蟹と仲間達にやり返されて殺されたお猿さんなの? 幽霊の更に幽体だから薄いんだよね? ねえ、ナントカ言いなさいよ~」


「…………」 フッ


「! 消えた……」 パサッ


 コユキの問い掛けに猿は答えずに、暫く(しばらく)すると無言のまま姿を消して、代わりにコユキの足元に『美味しそうな柿の種ピーナッツ入り(小袋)』が現れたのであった。


 お馴染みのオレンジ色のパッケージに包まれた定番のオヤツ&おつまみを手に取ったコユキは、何となく見つめた賞味期限の表示を見て思わず叫ぶのだった。


「恐っ! 何よこの山盛りの怪しさマウンテンは!」


 賞味期限表示はこうであった。


『今、食べれる』


 コユキは続けて言うのである。


「これ絶対腐ってるヤツじゃないのよ! 恐いわぁ~」


 すると、一旦書かれていた文字が消え、さらさらと別の文言が表示されていった。


『大丈夫、食べれる』


「うわあ…… アンタ…… 恐がらせようとしてるわね、絶対…… もう、捨てて行こうかしら」


「彼はシャイなんですよね」


「うわあっ!」


 突然後ろから話し掛けられたコユキはびっくり仰天したのである。


 尻もちをついて振り返った先には高さ二メートル横幅四メートルもある大きな蟹が這っており、飛び出した左右の眼球でこちらを見ているようだった。

 背中の甲羅には大小のフジツボがびっしりと付着していて中々の化け物に見えた。


「驚かさないでよ、全く! って、ずいぶん大きい蟹じゃない…… ってことはアンタがさっきの『柿のタネ』に憑いてる悪魔って事だね、名前は何て言うの?」


「カルキノスですよ! 聞いてますよ、ルキフェル様たちはいよいよ暴君、ハーキュリーズ退治をなさるってね! 私を肌身離さずお持ちくださいね! お守りします! それでもピンチの時はお猿がくれたオカキを食べて下さいね!」


「ハーキュリーズ? アタシ達が倒すっていうか現世(うつしよ)に顕現させようとしているのはバアルよバアル、っていうか噂とかあるのね、アーティファクト界隈(かいわい)にも」


「ありますよぉ、今一番ナウでホットな話題ですね! んでも、そっか、まずは魔神バアルの奪還なんですね? 兄弟愛ってやつか! いいね!」


「んん~? 奪還? まあ、アンタ元気そうだからこれからいろいろ教えて貰えばいいか? 頼むわねカルキノスちゃん」


 ………………


 突然黙ってしまった、だけでなく大蟹の威容(いよう)も徐々に薄くなって消え失せてしまった。


 カサッ


 呆然としていたコユキの手にした『美味しそうな柿の種ピーナッツ入り(小袋)』が微かに(かすかに)動き、賞味期限表示に目を落としたコユキが見た文字列には、


『魔力切れ、蟹、加減知らず』


と書かれていた。


「そ、そうなんだ…… んでお猿さん、アンタの名前は?」


 文字列が書き換わるのであった。


『……フンババ、よろ』


 シャイと言うより陰キャといった印象を持ちながらコユキは言うのであった。


「まあ、兎に角よろしくねフンババちゃん、んじゃ帰ろっか!」


 その後、表示は『今、食べれる』から変わることは無く、蟹も現れないままで現在に至り、効果効能、使用方法の一切がまるで分らない状態が続いているのであった。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつでも柿の種食べられるなら、あの饅頭のござばりに良い栄養かもしれませんね。蟹と猿との人柄の対比が読んでいて面白かったです。童話とは何か印象が逆なのもまた良かったです。 [一言] フンババ…
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