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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 二章 暴虐の狂詩曲(ラプソディー)

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320/2035

320.コユキ大一番! ①

本日5回目の投稿です。

1回目は『デスマスク』ですので、

まだお読みでない方はそちらからお読み下さいませ。

 こんな状況でも石松を遥かに凌駕(りょうが)するガッツの持ち主であるコユキは一切(ひる)まずに言葉を発するのである。(格好良い)


「文句があるってんのなら揃ってぶん殴るわよぉ! その覚悟が無いのならそこを空けなさい! 痛い目見るわよっ!」


「ガオウ! ガオガオガウ! ガオウガオウガウガウー!」


 『弾喰らい』がなにやら吠えてきた。


 「ガオガオガオ! 」 「キーキー」


 「ヒューヒュー」 「コンコン」


 「ピーチクパーチク」 「ぽんぽこぽん」


 周囲の野生動物たちも一斉に声を上げている、一部声以外も混ざっている様だが深く気にしない事にするコユキであった、立派だ。


「カイムちゃん、なんだって?」


 コユキの問い掛けに答えたカイムの弱々しい声は、少し離れた立ち木の影から聞こえてきたのである、多分あそこに隠れているのであろう。


「これが欲しいのなら、相撲で俺に勝て! だそうです…… 周りの声は頑張れ横綱だとか日本一とか騒いでます……」


「ほう……」


「です…… キョロロン」


 なるほど、多分『横綱』の部分に思う所があったのだろうと類推できる。

 なにやら思い入れがあるみたいだからな、横綱に……

 

 コユキは言った、堂々とした物言いであった。


「面白いじゃない、『弾喰らい』! アンタの()()受けてあげようじゃないの! おらっ、掛かってきなさいよ!」


 (てのひら)を上に向けて、四本の指をクイックイッと曲げながら挑発気味に言うコユキに対して、落ち着いた表情で『弾喰らい』は返したのであった。


「がうがうがう、がおがおがお! ぐわおうぐわおう!」


 コユキは抜かりなく臆病なカイムに声の意味を確認したのであった。


「カイムちゃんっ!」


「は、はいぃ! 『良い度胸だ聖女よ、粋がる前に! そのアーティファクトを外せっ!』だそうです…… ゴメンです…… キョロロ」


 コユキは心中で唸るのであった……


――――くっ! ばれてたのか…… マロツナ(ライコーと渡辺綱)抜きだとかなり与ダメ減るんじゃないの? その上この内掛けまで脱げとか、普通に痛いでしょ? 思ったよりも賢いのか…… ちいぃ! 野生動物、ケダモノの癖にぃぃっ! しかし最早仕方が無いか?


 コユキは更に堂々と胸を反らせながら答えたのであった。


「はあぁ? 言われなくても、アンタ如きを相手に外すに決まってんでしょうがぁ! 自信過剰かよ? ダッセェなあ、おい、熊野郎がっ! 今迄どんな感じで戦ってきたか知らないけどさ、本当の戦いってヤツを教えてやろうじゃない! 脱ぐわよ、脱いじゃうんだからねっ!」


 言ってしまったのなら仕方がないとばかりに、二振りの太刀と内掛けを脱ぎ捨てたコユキは、勢いのままにお気に入りのツナギも脱ぎ捨てて、戦闘装束、ピンクのビキニ状のニットだけで身を隠し、巨大な裸体をムキムキに晒し(さらし)捲っている『弾喰らい』を睨みつけ、対峙するのであった。


 トントコトントコトコトコトン。


 狸の見事な打ち鳴らしにあわせて、西から土俵に上がるコユキは、表情を一切変えずに平常心を保っているように見えた。

 対して東から登った『弾喰らい』は、少し掛かっているのだろうか、鼻息荒くコユキを睨みつけていたのである。


 構う事無く西から土俵に上がったコユキは、塩が準備されていなかったので、形だけ、そこにあった土を指先で抉り(えぐり)、パァっと土俵上に撒いて心の中で呟くのであった。


――――見守っていてね、天空海(アクア)関! コユキは貴方みたいに、怖じず前へ前へ、只ひたすら前だけを目指して戦って見せるんだからね!


 コユキは静かに宣言したのであった。


「よっしゃ、掛かってきな♪」

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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