表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 二章 暴虐の狂詩曲(ラプソディー)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

265/2057

265.ウラン238

本日6回目の投稿です。

1回目は『260.サパ』ですので、

まだお読みでない方はそちらからお読み下さいませ。

 善悪が青白い顔でブツブツ小声で囁きつつ、自分の世界的な場所に入り込んでしまった様子を見て、代わりにコユキが聞くのであった。


「んじゃあ、アスタ! その五箇所って何処なの? んでそのヤバイ魔核の素材って? なんて言うのん?」


 アスタロトは急変した善悪の姿をチラチラ見ながらコユキに答えたのであった。


「ん、ああ、確か現代の国名だと、ナミビア、ニジェール、オーストラリア、カナダ、そしてウラヌス、クロノスを封じた最大の穴はカザフスタンだな! 素材の名前は、えっと、モラクス! あれ人間達は何て呼んでいるんだ?」


 問い掛けられたモラクス、スプラタ・マンユの次兄、二番目のお兄ちゃんで確り者、知識も戦略もここまで迷う事がなかった魔王種が珍しく重たくなった口を静々と開く。


「……えっと、あの…… う、ウランです…… ウラン238、半減期ほぼ地球の年齢の…… 核種でございます」


「え? えっ! う、ウラン…… なのん……」


 コユキも急にうろたえた様な声を出し、黙り込んでしまったが、事情を知らないアスタロトが自分の腕を抱いて甘え捲っていたトシ子まで固まってしまった様子に尋常ならざる物を感じて聞き返したのである。


「どうした、コユキ、トシ子! 一体なんだというのだ? 我にも教えてくれぃ!」


 その問い掛けにコユキとトシ子が流石は祖母と孫である、ピタリと合った言葉で返したのである。


「「掘ってるのよ、ガツガツ良い勢いでね、ウランちゃん」」


 問うた本人、アスタロトも含めてその場にいる全員が、『チ~ン』と擬音を響かせたように黙りこくって固まってしまうのであった。(※いち早く気がついた善悪は放心状態です)


「ほ、掘ってるの…… え? な、なんで?」


 いつものクールなキャラを崩壊させる事も(いと)わずに聞いてしまうアスタロト、大魔王三柱の一柱であった。


「んっとね、確か十九世紀中盤から、二十世紀初頭までにピエールとマリヤって夫婦がね、何か光ってんじゃね? これって次々変わって不安定で、錬金術の答えなんじゃね? とか何とか言って放射メカニズムと、物質変異、元素変遷を発見して貧乏生活に終止符を打ったんだっけかな? ナスビ、じゃなくて、キューカンバさん、ううんキュウリ夫妻だったかな? んで今は過熱を制御してくれる棒が出来たから適度な熱で水蒸発させて電気作らせたりしてんのよ、それはそれは大人気なのよ」


「…………そ、そうか…… アー! どうする? なぁ、コユキ……」


「ど、どうって…… どうしようか? ぜ、善悪戻ってきてよ! 人類結構前からピンチ編みたいなんだよ、ねえ、よしおちゃーん!」


 コユキの魂の叫びが、善悪を一人きりの楽しい世界、所謂(いわゆる)お花畑から彼を呼び戻す事に成功したのであった。(感動! しないか……)


 目覚めた密教の沙門、我等の善悪が正気を取り戻して頼もしく言うのであった。


「んが、うん、じゅるるる、ん、ゴホゴホ、ゴホン! 落ち着くでござるよ、コユキ殿! 確かにウランを掘り捲ってるし、先程アスタが言ったタルタロスの大穴の位置は産出量トップファイブにピタリと合致しているのでござる。 普通に考えれば絶望でござろうな。 んでも! こういう一見もう終わりって状況ほどナンカの救いがあるのが世の常、いやアニメの定石でござるからしてぇ、だからこそアスタロト、そなたに聞きたいのでござる! ウランの大量掘削、この事態に()いて人類に生き残るすべは無いのでござるか? ん、んん? どうでござる? 一所懸命に考えるのでござるよ! どう? どうなの! で、ござる!」


「ほ、ほら! なんだっけ? そ、そうだ! 酸素の波型結合、そ、そうオゾンだ! オゾンの層を作り上げる事で、紫外線を減らすんだったか? アレを我等三人に加えてオリンポス十二神総出で作ったじゃないか? あの臭い層でこの星を包んでいる限り、宇宙から(もたら)され続ける紫外線と中性子量を減らせるからウランが地上に出てきたとしても守りきれる! そういう話だったじゃないか、兄上! 良かった、心配は無しっ! だな! そうだろう兄上?」


 モラクスが氷点下の声で善悪やコユキに変わって答えた。


「オゾン層だったら、穴だらけですね……」


「うぇ!」


 唸ったアスタロトは、美しい顔を歪ませながらも必死になにやら思い出しつつ言葉を発するのであった。


「ふむ、こんな事を我が説明するのもなんだが、善悪、コユキ、いいや、ルキフェル兄上がこうも言っていたな? たしか大気中の酸化炭素を増やすことで、対流を盛んにしておけば、万が一の事態にも耐えられる、その為に人間どもに産業、鋳造技術を教えておいたんだったか? なぁ、そう言っていたよな? 温室効果? だったか? そいつが維持されているのならば、地表から跳ね返る赤外線は対流を促すから、数千年は誤魔化せる筈! だったよな? な? そうだったよな?」


 復活した善悪が無表情のままで淡々と答える。


「ごめんでござるアスタ、今世界中で最もセクシーで激アツな議論の矛先は…… 温室効果ガス、徹底的に削減! よくもこんな事をっ! な、風潮でござるよぉ! わああぁん!」


 善悪泣いちゃった……

 そりゃそうだよね、悉く(ことごとく)だもん、悉く……

 さしものアヴァドンでも泣いてしまった善悪をからかう事を躊躇う(ためらう)事態であった、そりゃそうだろ。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=140564926&size=200



fw2razgu4upfkla8gpm8kotvd1hy_1365_xc_ir_92ne.jpg
にくい、あんちきしょう…… ~食パンダッシュから始まる運命の恋~ は↑からどうぞ



eitdl1qu6rl9dw0pdminguyym7no_l63_h3_7h_23ex.jpg
3人共同制作の現場 小説創作の日常を描いた四コマ漫画 は↑からどうぞ



l7mi5f3nm5azilxhlieiu3mheqw_qn1_1kv_147_p1vu.jpg
侯爵令嬢、冒険者になる は↑からどうぞ
~王太子との婚約を一方的に破棄された令嬢はセカンドキャリアに冒険者を選ぶようです~ 



jvan90b61gbv4l7x89nz3akjuj8_op1_1hc_u0_dhig.jpg
見つからない場所 初挑戦したホラー短編 は↑からどうぞ



異世界転生モノ 短編です
8agz2quq44jc8ccv720aga36ljo7_c1g_xc_ir_97jo.jpg
【挿絵あり】脇役だって主役です ~転生を繰り返したサブキャストは結末を知りたい~ は↑からどうぞ



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] まぁ、全て人類が悪いということでね。愚かにも、ですな。いやはや、スケールの大きい話でびっくりするとともに、人類の業を全部彼らが担うのもどうかと思うので。もういっそ(笑)と思ってしまいました…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ