表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 二章 暴虐の狂詩曲(ラプソディー)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

252/2031

252.ウトゥック

本日1回目の投稿です。

 お昼寝タイムは一時間。


 今迄寝倒していたくせに、コユキ目覚めの第一声は次の通りであった。


「ふぁあぁ~、あんまりじっくり眠れなかったわねぇ~」


 顔面を超大盛ラーメンチャレンジの征服者、その栄誉でテッカテカに油せながら背伸びをしてダイニングに入って来たコユキに、リエは濃い目の緑茶を淹れて差し出しながら聞いた。


「んでんで、悪魔って! ねえ、ね、ね、ユキ姉! お見合い相手の人って、あ、悪魔だったのん?」


 能力は兎も角、未だ本物の悪魔と相見えた(あいまみえた)のはオルクス(馬鹿)のヤギ頭しか経験無かったリエは興味津々の様子である。

 オルクスの弟妹(きょうだい)やアスタならこの半年間で何度と無く会っているのだが、彼らや善悪の子分たちは、コユキと善悪のパーティーメンバー的な存在なので、まあ、カウント外であろう。


 因み(ちなみ)にコユキの格好は、車中でいつものツナギに着替え済みであり、一張羅の振袖は母ミチエが綺麗に片付けした後であった。

 コユキは胸のポッケからウトゥックの魔核、小指の爪の半分程の小さな赤い石を取り出して、ダイニングテーブルの上、リエの目の前に置いてから椅子に座り、気楽な口調で返事をするのであった。


「んだからね、前にも言ったと思うけど本人が悪魔って訳じゃないのよ、オルクス君ぐらいしか単体で顕現出来ないからね、んで人間や動物に取り憑いて『馬鹿』になるって事なんだけど、今回は、なんだっけ? ああ、丹波君だったっけ? ちょっと選民思想ってか、プライドの持ち方を間違っててね、お金とか学歴とか職業差別なんかが強いタイプでね、まあ、お金とかいっぱい持ってて気前も良さそうだったんだけどさ、なんか二万円とかぽんってくれるとか言ってたし、見た目も悪くなかったしね」


「えぇ~凄いじゃな~いぃ、だったらパソコ二号機ぃ? 買って貰えば良かったじゃ~ん?」


 リョウコも椅子に腰掛けてそう言ったが、コユキは首を振りながら答える。


「んなのダメに決まってるじゃない、初めて会った人だよ? 家族とかじゃなければそんなの頼める訳ないじゃないの!」


 リエが不思議そうな声を上げる。


「ユキ姉善悪(ヨシオ)ちゃんには頼みに行ったんだよね? それって善悪ちゃんは、その、家族って事? な、の?」


「そりゃそうよ、なにしろこちとら命懸けだからね、ましてやウチにはオルクス君とアスタっていうちょっと手の掛かる子達もいるじゃない? アタシ達が母親父親みたいなもんだから」


 リエとリョウコは驚いた表情を浮かべて視線を合わせるのであった。

 二人の行動に一切気が付かないままコユキは話し続けた。


「善悪って仕事は出来るし頼りになるし、それでいてご飯とか作ってくれてもメチャクチャ美味しいし、人間として完璧に近い存在だと思うのよね? 檀家さんから寄せられる信頼とかも半端じゃないのよ、なんだけど今日の丹波君みたいに他人を見下したりしないし常に努力を欠かさないのよね! 他の宗教にも寛容だし、勿論人間だから未熟な所とか弱い所もあるんだろうけど、それを認めて改善しようって強さも人一倍持ってんのよね! そういう風に自分に限界を作らない善悪みたいな人間だったらこの子『ウトゥック』が入り込む隙だって無いだろうなって、当たり前の様に思えちゃうわん!」


 いいながら改めて『ウトゥック』の魔核を指差すコユキに対して、リョウコとリエは意味ありげに頷いた後、さも珍しそうに赤い石に顔を近付けて目をキラキラさせている。


「ね、ユキ姉! これって話すのかな? 幸福寺のおちびちゃん達みたいに!」


「ふむ、どうだろうね? 格下っぽいからねぇ~、無理なんじゃない?」


『失礼ね、真なる聖女と元聖女候補のお二人さん』


「おわっ! 頭の中にこ、声が!」


「あれぇ~、ビックリぃ~!」


 コユキとリエ、リョウコ同時に頭の中に直接声が届いた様だ。

 ここは姉らしく、悪魔との付き合いに一日の長(いちじつのちょう)があるコユキが代表して話し掛ける様だ。


「ふむ、知性は高いみたいだね、魔力が少ないからレッサー達みたいな感じかと思ったのよ、ゴメンね♪」


『なる、アタシ等ウトゥックは魔力は少ないからねー、しゃーないか、んでアタシはウトゥックのラビス、聖女様ん所のラマシュトゥの親友だよ』


「あらなにアンタ、ラマシュトゥのダチなのん、んじゃあの子に会いに来たとか? なのん?」


『いやいや、今回は仕事でね、『静寂(せいじゃく)秘匿(ひとく)()って分かれ道を覆い隠す御方(おんかた)』からの伝言を持って来たの、あとちょっとした作業依頼を受けてね』


 ちょっと気になる言い方をするラビス、コユキはズバリ聞いちゃうのであった。


「伝言? ってか? その静けさと密やかさと覆いつくさとぉぅ、とか言う御方、だっけ? なんなの? そいつが言いたい事って?」


 ラビスは答えた。


『エットねぇ、『己の相棒から離れる事無く、常に一緒に進むのだ!! あらゆる妨害を打ち消し、バアルを現世(うつしよ)に顕現せしめ、改めてわが(ほこら)を訪ねよ!』だよ! 一言一句間違いなし!』


「ほう」

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=140564926&size=200



fw2razgu4upfkla8gpm8kotvd1hy_1365_xc_ir_92ne.jpg
にくい、あんちきしょう…… ~食パンダッシュから始まる運命の恋~ は↑からどうぞ



eitdl1qu6rl9dw0pdminguyym7no_l63_h3_7h_23ex.jpg
3人共同制作の現場 小説創作の日常を描いた四コマ漫画 は↑からどうぞ



l7mi5f3nm5azilxhlieiu3mheqw_qn1_1kv_147_p1vu.jpg
侯爵令嬢、冒険者になる は↑からどうぞ
~王太子との婚約を一方的に破棄された令嬢はセカンドキャリアに冒険者を選ぶようです~ 



jvan90b61gbv4l7x89nz3akjuj8_op1_1hc_u0_dhig.jpg
見つからない場所 初挑戦したホラー短編 は↑からどうぞ



異世界転生モノ 短編です
8agz2quq44jc8ccv720aga36ljo7_c1g_xc_ir_97jo.jpg
【挿絵あり】脇役だって主役です ~転生を繰り返したサブキャストは結末を知りたい~ は↑からどうぞ



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] おや、メッセンジャーだったのですね。しかも喋れたとは。そして、コユキと善悪にお肉なフラグが。しかし、そうなりますよね。相棒同士ですしね。人間関係としては読み応えがありました。 [一言] 1…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ