表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

216/2031

216.拘束

本日5回目の投稿です。

1回目は『212.大魔王 アスタロト ①』ですので、

まだお読みでない方はそちらからお読み下さいませ。

「ば、馬鹿め、魔王いや魔神とも呼ばれる我にこの程度の拘束が通用する訳があるまい! さ、さあ、今の内に拘束を解け、な? 悪い様にはせぬ、な、な、聖女よ!」


 縛られたままのアスタロトの依頼にコユキの大軍の中から返事が響く。


「ふふん、シヴァ君に聞いたわよ! アンタや故ネヴィラス君が使う『反射』って一見完璧な様だけど、自分が相手に与えた攻撃も自分に返っちゃうそうじゃない! さて我慢強さを見せなさい♪ 何しろこっちは攻撃手段があるからね♪ どこまで辛抱出来るかな? なはは」


「ふ、ふん、ハッタリは止めて置くんだな、わ、我への攻撃は確実に攻撃者へと反射される、の、だ、クっ、貴様等には、我を傷付けることなど――――」


「『聖女と愉快な仲間たち』にはね、『神速』は一人じゃなかった、って事よ! 『加速(アクセル)』」


 姿を掻き消したコユキは大軍の残像の中に紛れただけでなく、『気配隠蔽(極小)』の効果も相まって、アスタロトにはその気配すら与える事は無かったのである。


「えい! 『加速』」


「ぐあぁ!」


「やぁ! 『加速』」


「ギギギっ」


「それ! 『加速』」


「イタタタタっ!」


「とう! 『加速』」


「ああああああ!」


 サクサクサクサクサクサクと、姿を現す度にかぎ棒を刺し込んでは一瞬で移動してしまうコユキは、全くの無傷で攻撃をし続けていた。


 メッチャ速く動けば当たらないよ、それがオルクスがその身を(てい)して伝えたもう一つのヒント、リフレクションのほんの僅かなタイムラグの存在であった。


 チロの毒針やオルクスの斬撃、コユキのデスニードルに比べると、肉体の修復に掛かる時間がやや長いようだ。

 特にコユキ左手のかぎ棒が刺された場所からは大量の魔力が霧と化して消失していた、恐らくこちらがスプンタ・マンユなのだろう。


 痛みと屈辱に骨だけの歯を食いしばって耐えるアスタロトの耳に更なる絶望の声が届く。


「コユキ様、お疲れでしょう? 交代しますよ! 少し休んでいてください! わん!」


「アンタ等大丈夫? 特にチロちゃん毒受けてたでしょ? 無理しちゃダメだよ?」


「いやぁ、合体しちゃえば個々の受けた怪我とか一瞬で治っちゃうんですよ、ご心配なく! それに交代で攻撃した方が休む間も与えずに、なんなら永久に責め続けられるじゃないですか? そうしましょ? わん!」


「んじゃ、代わってもらって腹ごしらえでもするかな♪ あ、ロープ切らない様に気をつけてねえ、ヒットアンドアウェイよ! 頼むわね」


「りょ! んじゃあ、メイスで潰してくか、わん!」


 気楽なやり取りと最後の物騒な言葉を聞いたアスタロトは痛みも忘れて叫ぶのであった。


「今度こそハッタリだ! 『神速のオルクス』はまだ回復していない筈だ! 俺に手を出せば攻撃はお前に返るぞっ!」


 どうやら三匹の魔狼が合体したらしい人型の灰色狼は青く輝く(たてがみ)をなびかせながらアスタロトの顔を覗き込みながら答える。


「俺は『大口真神(おおぐちのまかみ)口白(クチシロ)だ! お前には『アセナ』と言ったほうが分かるか? それとも『ウプウアウト』のが分かるのかな?」


「…………ラー」


「ああ、その方が分かるのか、まあこう言う事だ、『聖女と愉快な仲間たち』に神速は二人じゃなかった! てな? それ!」


 ゴギャっ!


 振るわれたメイスはアスタロトの顔面の骨を派手に砕き、その瞬間ラー、口白の姿は消えていた。


「わんっ!」


 メキョッ!


「わんっ!」


 ドゴっ!


「わんっ!」


 バキっ!


 流石は魔狼、いや今は神狼か?

 中々にエグイ攻撃を嬉しそうに尻尾をブンブン振りながら続けている……

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=140564926&size=200



fw2razgu4upfkla8gpm8kotvd1hy_1365_xc_ir_92ne.jpg
にくい、あんちきしょう…… ~食パンダッシュから始まる運命の恋~ は↑からどうぞ



eitdl1qu6rl9dw0pdminguyym7no_l63_h3_7h_23ex.jpg
3人共同制作の現場 小説創作の日常を描いた四コマ漫画 は↑からどうぞ



l7mi5f3nm5azilxhlieiu3mheqw_qn1_1kv_147_p1vu.jpg
侯爵令嬢、冒険者になる は↑からどうぞ
~王太子との婚約を一方的に破棄された令嬢はセカンドキャリアに冒険者を選ぶようです~ 



jvan90b61gbv4l7x89nz3akjuj8_op1_1hc_u0_dhig.jpg
見つからない場所 初挑戦したホラー短編 は↑からどうぞ



異世界転生モノ 短編です
8agz2quq44jc8ccv720aga36ljo7_c1g_xc_ir_97jo.jpg
【挿絵あり】脇役だって主役です ~転生を繰り返したサブキャストは結末を知りたい~ は↑からどうぞ



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] 速さこそが答えという、格好良かったです。おデブと速さの組み合わせなんて、他の作品では見かけられないのでとても面白かったです。 [一言] 速さ自慢が3人(?)もいるなんて、愉快な仲間たち、人…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ