2119.驚愕の正体!
瞬時に変わった態度に対して、ラマスも又、自身の動きを以って応える、具体的にはにじり寄っていた足の運びをピタリと止めると同時に、今にも掴み掛かろうとしていた雑巾絞りっぽく広げられていた掌を静かに下ろしてくれたのである。
目の前に迫った死をギリギリ避け果せたカメムシは、正座のまま掠れた声でボソボソと言葉を続ける。
『あ、あの…… ラマス様はその…… ラマシュトゥ、様? なので?』
うん、こいつも腰蓑とは言え『聖女と愉快な仲間たち』だもんな、そろそろそこら辺にも気が付いたりするだろうな。
ラマスは見下ろすような視線を厳しくしながら答える。
「は? ラマスはラマスに決まってんじゃないっ! 何? あんた馬鹿なカメムシなの?」
『は、はいっ! 仰る通りで……』
うん、まあこいつは馬鹿なんだよ、最近依り代変えたばかりだからさ。
畏まるカメムシにラマスは追加の説明をしてあげる、こんなだが根は真面目で親切なのだ、どこかレイブにも似ている。
「名前ってんなら正確には確かにラマシュトゥよっ! 母がラマスを身篭った時に村の皆が一斉に夢で女神様のお告げを聞いたからそう付けたんだって! まあ、良くある話よっ!」
いやソレ…… そんなのが良くあるんなら超ファンタジー世界じゃないのか? まあ? 精霊とか悪魔とか天使とか? そうっちゃぁそうなんだけどねぇ……
んー、まあ、ここまで明らかになったのだからネタバレでも無いかぁ……
キトラが見抜いた通り、ラマスはラマシュトゥ、フルネーム云々じゃなくて『聖女と愉快な仲間たち』の魔王組の紅一点、『改癒』のラマシュトゥ、本人が憑依しているのである。
エバンガみたいな巨鹿が可愛さ満点なバンビ化したのは間違いなく『弱体治癒』だろうし、瀕死のグログロを治せたのも『生命の大精霊』の御技、しすさんが最新型で音声まで再生出来たのは『強靱治癒』だろうからな…… こんな規格外のスキル、ラマシュトゥ入りで無ければ誰にも出来ない偉業だ、つまり本物なのである。
とは言え、ラマス本人にあのラマシュトゥ入りの自覚は無いらしい、良くある話で通そうとしているのはまあ…… 知力の低さが原因なのだろう、なぁ。
私、観察者には全てお見通し、その上で敢えて黙っていた理由も明白、オーディエンスの皆様に少しでも楽しんで頂きたいと願う一心故、つまり観察者としてのプロ根性に依る親切心だったのである、えっへん。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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