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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

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2118/2120

2118.正座

 ほんの一瞬前まで、自らの全身で侵入しようとしていたばかりの巨大な肛門は、既に無かった……

 眩さMAXのピンクフラッシュのど真ん中、ラズヴィルカ坑道の中央には直前とは似ても似つかぬ可憐な尻が、元気にフリフリしている短い尻尾の下に現れていたのである。

 サイズは、まあ、可憐だからな、当然小さい、大体カメムシと同じ位だ。


『くっ…… バンビサイズかっ…… これでは体内に入って食い殺す事もままならぬ…… どうする? いっそ殴り殺すしか無いか?』


 突然現れたバンビちゃんはこの物騒な言葉に向きを変え、まだ小さな両角を地面に近付けて両足を広げて踏ん張り、鼻から荒い息を吐いて低く構えた、所謂(いわゆる)、エスカールバールの体勢だ、激オコ状態らしい。


『この変態カメムシ…… アタシに恥を掻かせるとはぁ、殺すっ、殺すしかないっ!』


『ほおぅ、面白いのぅ、ほれ、殺れるもんなら殺ってみるがええ、バンビ』


 同サイズの両者が睨み合う…… 緊迫を打ち破ったのはピンクのオーラの中から現れた一人の少女、ラマスであった。

 スタスタと出て来た足を緩める事無く、すれ違いざまに放った裏掌での払い、所謂(いわゆる)、裏ビンタはバンビちゃんを問答無しでぶっ飛ばし、そのまま進み出た坑道外で正面から向き合ったキトラの前で仁王立ちで見下ろしている。

 そのまま無表情で微動すらしないラマス、後方で壁に打ち付けられピクピク震えるバンビなんかはいないも同然、ガン無視である。


 酷く酷薄でおよそ人のそれとは思えぬ冷徹な侮蔑混じりな視線に耐え兼ねたキトラが最初に声を発する。


『な、なんじゃっ小娘がっ! よ、横からしゃしゃり出おってからにぃっ!』


「……五月蝿(うるさ)いわね、この虫けら! (むし)り取るわよ?」


『ふ、ふぐ……』


 キトラは口を噤んだ、恐らくだが毟られたくは無かったのだろうと見える。

 依然無表情なままのラマスは姿勢を動かさないままで言葉を続ける。


「『回復』…… エバンガ? 治ったんならさっさと出るしっ! んで、この虫の横っ! 並んでちんちんかくっ!」


 ち、ちん? あ、あぁ、正座の事だよな? びっくりしたよ…… あれか? 言語的に富山弁が優位だったとかそーゆー? ()しかしてラマスの先祖が北陸人だったとか、なのか?


『う、うん判ったわラマスっ!』


 ぶっ倒れていたバンビちゃん、つまり子供になってしまったエバンガさんは大慌てでカメムシの横に並ぶと即座にピッチリとした正座(人間式)の姿勢をとった、足の構造的にかなり辛いだろうに必死に耐えているらしい、震えが痛々しい。


 ラマスはその姿をポーっと眺めていたキトラにも言葉を掛ける。


「ねえ爺、あんたは良いと思ってんの? 随分楽そうな態度じゃない?」


 不意を突かれたキトラはいつもの感じで返してしまう。


『なんじゃとっ! 儂はコユキ善悪のアーティファクトでハタンガの副王っ! お前如きの…… えっと、そのぉ……』


 言葉が中断されたのは言うまでもなく、怒りに任せて睨み上げたラマスの顔が、それまで以上に冷え切って絶対零度っぽく変わり果てていたからである。


 ラマスの唇が(わず)かに動く。


「そう…… 仕方無いわね…… じゃあ毟るしか――――」


『ラマスさん、いえラマス様っ! これでっ! こんな感じで宜しかったでしょうかっ!』


 流石は無条件にダメージを半減させる防御特化、攻撃を受ける前段階でも勘働きが物凄い様だ、エバンガに並んで正した姿勢も中々堂に入っている、危険回避の本能、ふむ大した物である。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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