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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)
209/1850

209.アフラ・マズダ ②

本日6回目の投稿です。

1回目は『204.エピソード204 おぼこ』になりますので、

まだお読みでない方はそちらからお読み下さいませ。

 二人の会話を聞いていた戦闘狂っぽいのがコユキに向かって大声で言った。


「物を知らぬ愚かな聖女め、我等の名前を教えてやろう、冥土(ここ?)の土産にするが良い!」


「ふーん、んじゃ聞いとこうか?」


「俺様はラグエル、勤勉の徳ラグエル様だ、『罪も罰も供養』 木曜日担当のラグエル様だ」


(嘘です、本当の名前はベルフェゴールです)コソッ

(そうなんだ)コソッ


「ワシはレミエル、謙虚の徳じゃよ、『金も立場も地獄のサタデは通用せん』 土曜日担当のレミエルじゃ」


(この(ジジイ)の名はベリアル、只のあくどい(ジジイ)です)コソッ

(へー)コソッ


「あたしは感謝の徳ゼラキエルさっ! 『霊体には何も出きんよう』 金曜日担当の女神、ゼラキエル様よっ!」


(あのアマはレヴィアタン、正体は生臭い半魚の悪魔ですわ)コソッ

(ふーん)コソッ


 続けて名乗りを上げたのは、巨体の魔人が騎乗しているドブネズミであった。


「我こそはウリエル、寛容の徳ウリエルである、『不完全な物、ゲスいよう』 水曜日のウリエルである!」


(こいつはパイモン、あの姿は竜に化けた気でいるのです、自分にだけは寛容な、まあ、馬鹿ですのよ)コソッ

(……)


 続けて三叉の槍の穂先部分に擬態している三匹の蛇の内、左右の二匹が順に名乗る。


「ワタクシは満足の徳、ラファエルと申します、『咎人(とがびと)め許すかよう』 火曜担当ラファエルです」


「我の名はガブリエル、節制のガブリエル、『穢れた魂頂き、Getyou』 月曜日のガブリエル」


(最初のがマモン、続いたのがベヒモスです、欲張りとケダモノに過ぎません)コソッ


 ラマシュトゥの囁きにコユキが慌てたように囁きを返す。


(んな事より気が付いた? こいつらダジャレで自己紹介してるわよ! 結構サムイわよ)コソッ

(っ!)コソッ


 最後に残った槍中央の穂先が、尊大さマックスで名乗る所を見ると、リーダー的なのかもしれない。

 ならば聞かせて貰おうじゃないか、渾身のダジャレをな!

 コユキと同様私、観察者も興味満々で蛇が発する言葉を待つのであった。


「純潔とは私、ミカエルの事…… 何者も汚すことが出来ない永遠の純潔、『人間共逃がサンデー』 始まりたる安息の日、日曜日のミカエルです」


(……コイツの名はアスモデウス、純潔とはかけ離れた存在、近親相姦ヤローです、因み(ちなみ)にケモノでもイケる不潔の塊ですの)コソッ


 やっと紹介が終わったようだ、コユキは堂々とした態度で紹介を返した。


「丁寧な自己紹介、確かに承ったわ、偽名だって聞いちゃったけど…… アタシは聖女コユキ、こっちは相方の聖戦士善悪よ、私はニートだし善悪は坊主だから仏滅以外は忙しくてね、曜日にはあまり関係無いの、ゴメンアソバセ…… まあ、あれね、土日月は上手い事言えてたわね、木曜日もまあ及第点かな? 酷いのは火曜、水曜、金曜よね、安易だし、被ってるし…… 残念ながらダジャレとも呼べないレベルだと思う! まあ、これからの努力に期待! 止まりかな?」


 頼まれてもいないのに、勝手にダジャレの出来を批評したコユキの言葉に大徳達は悲喜交々(ひきこもごも)、反応も綺麗に三つに分かれた。


 コユキに絶賛されたレミエル(ベリアル)、ガブリエル(ベヒモス)、ミカエル(アスモデウス)は嬉しそうに『よしっ!』とか言って喜んでいる。


 何とか及第点を与えられたラグエル(ベルフェゴール)も真面目な顔で何度も頷いている、この様子なら次はもっと良いダジャレを考え付くのでは無いだろうか?


 収まらないのは、ゼラキエル(レヴィアタン)、ウリエル(パイモン)、ラファエル(マモン)であった。

 口々にコユキの批評を責める発言をギャーギャー喚き立てていた。


 具体的には、


「じゃあ、お前が上手く言ってみせろ!」 


や、


「この面白さが分かんないって、聞く方のセンスの問題じゃないの!」


とか、


「このデブ! デブ! デーブ!」


等々であった。

 コユキもすっかり辟易(へきえき)して口にするのであった。


「もう、騒々(そうぞう)しい奴等ね! センスの欠片(かけら)も無いくせに! ムカつくわね!」


 聞いていた善悪も同意を返す。


「確かにアフラ・マズダは煩い(うるさい)ってオルクス君が言っていたでござるよ、それにしてもスプラタ・マンユと仲悪いでござるな…… ん? うわぁっ!」


 コユキと善悪が話をしていると、突然善悪の右手に握ったアフラ・マズダ、白い念珠が激しく輝き出し、直後、迸る(ほとばしる)ようにオーラが次々と飛び出すのであった。


 その数は七つ、七つのオーラはスプラタ・マンユとアフラ・マズダの集合体との間に立つと、静かに実態を現したのだが、その姿は先程までコユキと対峙していた七大罪七人である。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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[良い点] なるほど、御作らしい滑り出しで素晴らしかったです。ダジャレが、いや、ボスっぽい方々のダジャレが。ここでそうくるとは思いませんでした。確かに無理矢理感もありましたが、言う方もこういうのは勇気…
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