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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)
20/1881

20.激動の一日、終わる! (挿絵あり)

「コユキ殿、どう? 少しは元気が出たでござるか?」


「うん、おいしかったぁ、ありがと…… ねぇ、善悪、うちの皆はこれからどうなるの?」


 デザートのスーパーカ○プバニラを食べながらコユキが聞く。

 ある程度お腹が満足したので醗酵(はっこう)した灰色の脳細胞が動き出したらしい。


 同じくデザートのスーパー○ップ抹茶を頬張りながら善悪が答える。


「ふむ、では、先程の続きを…… 小生の記憶もまだ曖昧なのでござるが、まぁ、まず間違いないでござろう、バフォメットがツミコ殿の体、恐らくその場に居合わせた茶糖家全員の体から取り出したであろう『青く輝く光の玉』、それは魂魄(こんぱく)、人間のコア、魂でござる」


「ぇえ? 何でそんなモノ持ってくの? てか、皆死んでないよね? ……生きてるよね?」


「うむ、多分肉体の機能的にはね…… しかし急がねばならぬのでござるよ」


「……何を? 何で?」


「バフォメットの目的は(あるじ)の復活、あ、ちなみにバフォメットは下っ端(したっぱ)ね! 復活の為には人間の魂、まぁ、沢山の生贄が必要で、先代聖女の魂、またその一族の魂なんて、コユキ殿にとってのデコレーションケーキワンホール、焼肉食べ放題の時間無制限なのでござるよ」


「なるほどねっ! 善悪…… 他になんかない?」


「はいはい、どうぞ、召し上がれ~」


 善悪は自身の傍らに準備してあった『雪○宿』大袋をサッと差し出した。

 同じ過ちは二度と犯すまい、とついさっき心に決めたのである。

 そして、やっといつものコユキのペースに戻ってきた、と安心もするのであった。


「なんだ、また甘い奴か? まぁいいや」


とコユキ。


 善悪は一瞬ヒヤリとしたが、なんとか乗り越えられた。


――――そうか! 甘い物のあとはしょっぱい系であったな! 我輩としたことが迂闊(うかつ)であった…… 反省反省……

 

 コユキは早速、二枚重ね雪の○をバリボリと頬張っている。


「……! そういえば、ヤギ頭の持ってた小汚い袋なんだけどね、これ、不思議なのよ、入れたものが消えちゃうんだけど、何だか分かる?」


 取り敢えず腰にぶら下げていた小袋を善悪に渡す。

 そして言いながら気が付いたコユキだった。


「あれ? ということは皆の魂は、き、消えちゃったって事ぉ? ヤバいじゃない!」


 しかし善悪に焦る様子は見られない。


「ふむ、その点は心配ご無用だと思うのでござる、恐らく魂は別の場所に集約されるのでござろ? その袋は、まぁ、ドラ○もんの四次元ポケ○トのような物では無かろうか? しかし、一定数の魂が集約される前、バフォメットの主が復活する前に魂を回収せねば……」


「……皆そのまま死んじゃうって事だよね? あぁ! もうっ! 訳が分からないわよー!」


――――だめだめだめ! 泣くな! アタシぃ! 頑張るのよぉ!


「某はこれでもかなり噛み砕いてコユキ殿に伝えたつもりであるが……」


「ごめん…… 善悪の言ってる事は分かっているわ、うん! そうだね、何とかしなきゃね!」


 善悪が努めて明るく話してくれてるのは判る。

 コユキは無理やり『雪○宿』二枚重ねを口に運んだ。


「ではコユキ殿、そろそろ日も暮れるでござるがどうされる? 拙僧は泊まっていっても全然構わないのでござるが?」


 コユキは、口をモゴモゴ動かしながら激しく否定した。


「っ! そ、そんなふしだらなっ! 勿論帰るわよぉっ!」


 こんなセクシーダイナマイト、溢れ出るフェロモンに抗える(オノコ)がいる訳ない、いくら厳しい修行を積んだ善悪でもいつ狼に豹変するかわからない。


 コユキの思考を察した善悪は、コユキに気付かれない程度の溜息交じりに言う。


「はぁ、分かったのでござる、送ってくよ…… 門閉めて来るから少々待つのでござる……」



挿絵(By みてみん)


「ではコユキ殿、ゆっくり休まれるが良い…… 明日は朝の八時にお迎えにあがるのでござる」


 善悪に茶糖家まで車で送って貰ったコユキは助手席のドアを開けながら、


「へ? 明日? 何で?」


と降り掛けて善悪の方を振り返りつつ言った。


「朝ごはん、準備しておくからね」


 何故だか優しい笑顔の善悪である。


――――なんか…… キモイ! 変に優しい……


と思いつつ、善悪の朝ごはんに引かれたコユキは、


「判ったわ」


とだけ言って善悪と別れ、母屋の玄関に入っていった。


 その右手に『雪○宿』大袋をしっかと握り、トボトボと歩く大きな肉の塊の後姿を見つめながら、善悪は、


「ふう~っ、さてと……」


と真剣な表情で、少しだけ息を吐いた。


 そして、先程まで話していた、漫画とかの適当な知識ではなく、おじいちゃんから聞いた事があった、聖女と悪魔、そして聖戦士について、寺の中をひっくり返してでも、調べ直さねばなるまい! そう覚悟を決めるのであった。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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[良い点] 善悪の友情とコユキの図々しさが凄絶ですね。さすがです。アイスクリームからのさらに、とは予想の上でございました。無駄にイケメンな善悪の性格も読んでいて面白かったです。本当はかなりシリアスな展…
[一言] 善悪の挿絵が魅力的、とてもカッコよくて笑いありで面白かったですヽ(=´▽`=)ノ 地味に飯テロで、色々と話し込んでいたのに結局はスーパー○ップに心を持っていかれた私はハーゲ○ダッツを買いにコ…
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