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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)
190/1855

190.エピソード190 パンドラの箱

本日4回目の投稿です。

1回目の投稿は、

『187.エピソード187 憤怒のイラ(挿絵あり)』

ですので、まだお読みでない方はそちらからお読み下さいませ。

 ブラックに浸りきった、俺は一つの疑問にぶち当たったんだ。


 それは……


 あれ、子供出来ねーなあ? だったな。


 夜毎のお勤めは俺にとっても嬉しい事この上なく、夫婦関係も順調で、愛の結晶が生まれていてもおかしくない、いや、授からなくちゃおかしいくらい充実していたもんなぁ……


 気になってしまった俺は、やっちまったんだったな、あの……

 パンドラの箱を開けちまう選択を…… しちまったんだ……

 お医者さんは、言い難そうに俺に告げたっけ……


 残念ですが、貴方にはお子さんは出来ない様です、とな……


 小さい頃に病気がちだったせいなのか、若い頃に粋がって、喧嘩した相手から受けた股間蹴りがイケなかったのか、兎に角、俺は男としてはどうか分からんが、父親、そう、生物学的には『不能』だったようだ……


 それを知って…… そうだ、知ったのなら、妻であるアイツに言わない、告げない理由なんてどこにも無い、でも……

 格好悪い、どうしようもなく自分勝手だった俺は……

 あいつに言えなかったんだ……

 その先にどんな運命が待っているかなんて、考えもしなかったんだ……


 暫く(しばらく)したら、そう数ヵ月後だったか……

 夕飯を食っている俺にアイツが恥ずかしそうに、少し表情を曇らせながら言ったんだよな、身篭(みごも)った、って。

 俺は奇跡が起きたのか、そんな願いも湧き上がったが、それよりも、リアルな疑問が心中を覆い尽くしていくのを感じていたな。


 誰の子供だろう、いや、誰の子でも良いか、俺の子供じゃないのは確定だ、ってか、これ? あれ? この女の人、俺の奥さんなのか? いやいや、他人の奥さんなんじゃね? ってな。


 辛い気持ちはあった、そりゃそうだ、普通の話じゃね?

 でもな、俺はその時思ったんだ……

 ああー、俺が全部悪いんだよなぁ、ってな。


 だって、そうだろ、そうに決まってるんだよ、妻であるアイツに、自分の不能を隠して、毎晩のように抱いていた彼女がどう思うのか、そんな当たり前の事をおざなりにして来たのは俺自身なんだから、誰が悪いかなんて、最初から知っているんだが……


 俺が、適当にモヤモヤしつつもそれを隠し続け、そんな日々の中でも、彼女は玉の様な可愛らしい男の子を無事、出産したんだ。

 赤ん坊の顔とは思えないほどの、可愛らしい愛くるしい顔で俺の親指を必死に掴んだ彼は、頼むよ! 父ちゃん! 守ってよ! そう言ってるように見えたなぁ……


 勿論、俺は今まで以上に頑張る事に決めた。

 あんなちっちゃい命が、純真無垢な魂が俺を頼ってくれたんだから、それに答えようと努力しないやつなんていないだろう?

 もし居るとすれば、空き地で見つけた捨て犬、『クフゥ~ン』とか言ってるヤツを、『お掃除お掃除!』的なノリで増水している川に流しちゃえるサイコパスだけだろう?


 流石(さすが)にそれは無い、無いに決まっている……

 そんなヤツは水鳥が好きなチョットシスコンな男前に、


「手前らの血は何色だぁぁぁー!」


とか言われて切り刻まれれば良いと、俺個人は決め込んでいる。

(※あくまで個人が南○水鳥拳のレ○を好きなだけです)


 まあ、どこの誰の子か知らんが、俺にとっては、愛する彼女が文字通り体を張って生んでくれた、俺の息子に他ならなかったんだ。


 幸せな日々は、新たな驚きを与えてくれたよ。

 彼女が再び妊娠しやがった、いや、その身に新たな命を宿してくれたんだったな? たしか……


 そうして、又、彼女は新たな命、掛け替えのない息子を産み落としてくれた、長男とは似ても似付かぬ、赤ん坊らしからぬ、全てを見透かしたような切れ長の眼をした美男子を……


 それでも、そう、それが俺には嬉しい日々だったんだ……


 大きく育った長男の大きく可愛らしい瞳も、まだよちよち歩きの次男の貫く様な冷たさを湛えた目も、俺にとっては『家族』そのものの温かい視線だと思っていたんだよな。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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