1860.続・科学的な話
彼等は慎重に目の前にいる相手を品定めする、じっくりと……
長く密着の期間を経て、結晶化、つまり一つとなるのか判断するのである、人間に置き換えれば結婚とか付き合うとか? まあ、その為の観察期間と言い換えても良いだろう。
無論、この観察は互いに、だ。
どっかの強者みたいに、
「おいどんが決めたでごわすっ!」
とか、
「アタシが付き合ってあげるって言ってるでしょっ!」
とかの押し付けでは無い、自分が結晶構造を求めても相手が考え中なら決して固体化する事は出来ない、とてもフェアな時間を過ごすのである。
「はぁ? 人間だって無理やりとか独りよがりとか格好悪い事位知ってるよ! 同じじゃねーか!」
うん、千年、な。
「は? 何が?」
一説には、ってか慎重な個体同士だと一万年、だが?
「い、一万?」
ケイ酸塩さん達が結晶構造を成すまでの月日、つまり添い遂げると決定するまでの期間だよ? 君たちと同じだね♪
「ぐぬぬぅ……」
そう、我慢強く慎重派、それがガラスなのだ! 皆様はお知りだっただろうか?
スマホの画面も窓ガラスもコップもビンも、壁の中の断熱素材も、皆変わらず相手との結合を保留している液体的な状態なのだが…… 当然判っているんだよね? 科学的にっ?
んで炭酸カルシウム、彼等は最後に揺らされたり撹拌された衝撃を記憶していてその形に割れるんだが? 当然ご存知だと思う、そりゃそうなんだろう、科学的なのだから。
練れる炭酸カルシウム、若しくは炭酸水酸化マグネシウムとかは水を加えている訳だ、じゃなきゃ練れない。
これ等が乾くと練っていた時の動かし方でヒビが変わる。
「え、そりゃそうだろ? 普通の話じゃね?」
ああ、そうだね…… 少なくとも一ヶ月は憶えているよね。
「え? は? 一ヶ月?」
うん、一ヶ月前に揺らされた感じ、誰かに触られたとかぶつかったとかどんな動作をしたかとか普通憶えているもんね?
「…………まさか?」
まさか、です。
シャーレの上でマッタリと均されているこのカルシウムやマグネシウム、最後の加圧を覚えているのですよ。
「何で?」
ヒントは炭素、皆さんの時代で絶賛悪者、無くなれば良いのに! 何て事をっ! とか言われている大人気な生命の依り代、元生き物の存在なのですが…… まあ、石油もプロパンも木もコークスも脱炭素が最新科学な皆さんにはご説明しにくい、お判り頂きたい。
「ちっと待てよ、オイラ科学とか詳しくねーしっ! ガラスも炭酸カルシウムも身近な友人とは言えねーんだが?」
えーっ? 家とかガラスも塗料もパネルも使っていないとか? マジです?
まあ良いでしょう、きっとアナタは洞窟とかにお住みになっているんですね、判りました。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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