1856.異論
確かに…… スリーマンセルに三等分で憑依する前、単独の精神体だった頃のアスタロトはレイブだけにコンタクトしていた……
レイブも通訳的にバストロやギレスラとの架け橋を頑張っていた筈だ。
恐らくだがあの時分から未来の依り代として目を付けられていたんだろうな、ほぼ確実に。
年端もいかぬ少年相手に甘言を持って取り入り、口車で信を得、あまつさえ己の依り代にしようとは見下げ果てたショタコン野郎である。
野郎と表現したが悪魔は基本無性、又は両性具有である。
この際、アニだろうがオネだろうがかまう事は無い、純真無垢な少年を汚す輩は全てド変態野郎で問題無しだ。
因みにだが、アスタロトの馬鹿に比べ、分別ある私、観察者カーリーはそんな理不尽を最も嫌う清廉潔白そのものな魔神だ。
以前に依り代として協力を仰いだ友は皆、立派な大人、成体である、えっへん。
昼夜も勿論、髭塗れの大男だったし、聖邪はぁ…… まあ、彼の命を助ける為の緊急事態だったからノーカンで良いだろう! 異論は認めない、ってか聞かない。
身勝手で野蛮な魔神のせいで複雑な幼児体験をさせられた被害者、レイブは屈託の無い表情で言う、良くぞ真っ直ぐ育ったものだ、グスッ。
「だけど俺出来無いじゃん、入れるの」
『あーなんか言ってましたね、そんな事』
「そうなんだよ、俺って吸出し専門、そっちのプロだからさっ、レオニードの兄貴ごめんな」
『なんだ、プロなら仕方ないね…… ちぇっ!』
プロって便利な単語なんだな、覚えておくか。
『いや、諦めるのは早計では無いか? 要はレイブの魔力をレオニード兄さんに注入すれば良いのだ! ならば手段はある、であろう?』
「あっそっか、集荷から仕分け、路線を経て配達、そーゆー事か?」
『うむ、流石は学院の物流を一手に仕切るレイブなのだ』
『え、何?』
「リレーだよ! 俺の魔力をギレスラに吸収して貰ってそれをレオニードの兄貴に注入すれば良いってことさっ、だろ? ギレスラ」
『うむ♪』
『ほおぉっ!』
なんだバケツリレーか、物流云々の所って必要無かったよな? 鍋とオタマと食器で良くね。 茶碗と箸と口とかさ。
集荷場のプール、若しくは大鍋、茶碗的な役どころのレイブは相変わらず気楽な声だ。
「んじゃ試してみるか」
『うむ、では吸い取るぞ』
「おうっ! レオニードの兄貴はグルグルをスタンバっておいてくれよ! ほれ、ボーっとしたままで乗っ取られたら社会的に死ぬからさっ!」
『りょ、了解っ!』
バケツリレーが始まるらしい。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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