1852.激論
――――だけど考えるってか自分の存在とか思い悩むからこそ成長とかあるんじゃないのかな? ほら昔から言う、我思う故に我あり? とか、考える葦? とか言ったりするじゃん? 駄目なの? 考える事って?
『うん、確かにね…… まあ、考える事自体は悪くは無いんだけどさぁ…… デカルトのルネちゃんには悪いけど思わなくてもアンタはアンタだしね? パスカルだって言っちゃ悪いけどとっくに朽ちた死体、葦の枯れ草と大差無いでしょ? 考えてるから偉大とか尊いとか思ったかも知れないけどさ、でしょ? んな下らない自己満足の為にあるんじゃないのよ、知恵とかってっ!』
『んなっ?』
――――えーでもさっ、神が与え給うた自我や知恵? それに意味が無いとか無駄な物だとかさっ、不敬じゃない?
『そりゃそうよ! 貰った物をいらないとかあり得ないわっ! 図々しいっ! 問題は愚かな癖に賢いと思い込んでいる動物、ケダモノ達の方なのよっ! 良い? アンタ達、ニャンコやワンキチが話し出すずっと前、類人猿がウホウホ叫んでいた頃からその前、ズーっと昔、光のスペクトルがなんちゃら屈折で電磁波がーとかなんとかほざく遥か古代からオーロラは美しかったのよっ! 当然、星は瞬いていたし朝日は眩しく雨は大地を潤していた、気圧も重力も核融合も分子も原子も周期表も無い時代でも宇宙は運行を続け命を産み出し、そして見守って来たのよ?』
『う、うん』
『でも人はそれを理解しようとした…… 自分達の理解できる範囲で、数学や物理、物差しで世界を、宇宙を把握しようとしたのよ! でしょ?』
『ま、まあ、そうだね……』
『んでっ! 馬鹿で矮小な存在なりに理解した世界を世界の全てだと定義した…… 馬鹿だからっ!』
『あぅ、そ、そう?』
『そうよっ! だからこそっ! 馬鹿の証明、自分達が未だ解明していない物は存在しない、そんな間違いを犯してしまった…… そうなのよ』
『へ、へー、それで?』
『理解出来ない物は無いっ! そう断じた愚か者達は地上に溢れる不可解な物を読み解こうとしたの、賢い自分達なら解明出来るっ! やってやるぜぇっ! ってね…… 馬鹿でしょ? 自分が呆気なく死ぬ儚い存在だと言う事すら忘れてね……』
『それってニンゲン、だよね? でしょ?』
『かつてはニンゲン、今はそれに準じる魔獣や竜、ドラゴンも全く同じだと思うわよ?』
『うえぇっ! マジ?』
『マジよマジっ! 全ての知は愚と同義! 自らを賢と錯覚した者は変わり無く、知り得なかった理解不可な事象全てを邪、又は偶発的な例外、若しくは存在すらしない物として無視、放置する事に決めたの! 無かった事にすれば楽だったでしょうね、その瞬間にも世界は変わらず美しく光り輝きながら原初からの営みを続けていたと言うのにね』
『あ、う、なるほど』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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