1825.お約束
『レイブ! 魔力っ! 魔力ぅっ!』
「ん? まだやるの? レオニードの兄貴は真面目だな」
『早く早くっ!』
拙い言葉ではあるが、しっかりレイブの正面に立って怒れる豚猪が直視出来ない様に壁を作っている、意外に考えているらしい。
「早くってぇ…… まだグルグル憶えたばっかじゃん! 今は全身の端々まで隈なく魔力を行き渡らせる事! そこに留意してくれなきゃ駄目な時期…… それを経て次は循環速度のアップ、要は段階を踏んで行か無くちゃぁー、判る? 大切なんだよ? 順番ってっ!」
なるほど…… 確かにゴクウなんかもいきなりスーパーじゃなかったもんな! 最初はジャン拳、グーとかやっていた筈だ。
やっぱ順番は大切なのだ、流石はレイブ、登場初期の共感から惻隠、努力と友情を絡めた成長の兆し、満を持しての痛快でご都合主義なインフレまで、そんな一連の様式美を理解しているらしい、頼もしい子だよ、本当に。
背後で高まる異常に強烈な殺意を感じているレオニードはんな事トンジャカプーらしい。
早口で手前勝手な要望を繰り返すだけである。
『早く早くぅっ!』
「えー何をだよ兄貴ぃ」
『アレだよアレっ! ほれ、直接魔力をアレする奴ぅっ! アレが欲しいんだってばーぁっ! んもうっ、鈍いなあっ!』
「ん? 直接? あーあ、なるほど! アレねアレ」
『早く早くっ!』
なんとか意図が伝わったらしい、良かった♪ しかし思いを伝える手段として言葉は大変重要な事が窺い知れる出来事である。
皆さんの時代のラノベ? WEB小説? 漫画やアニメなんかでもそうだが、無口キャラで頭の中だけであーだこーだ考えている主人公の何と多い事か、きっとチコちゃんなんかも心配している事だろうな…… 話せよっ! 五歳児に心配掛けるんじゃないよっ!
まあ、ペラペラ快活に話されちゃったら世にある物語の殆どが成り立たない、それも判る! これは私、観察者の我儘と言う奴だろう、忘れて欲しい。
でなければ勘違い系とかあの辺は絶滅してしまうからな…… 必要悪だと判断して楽しもう! 少し幼児退行して小学校低学年位まで意識を戻せばなんの事は無いだろう、おはヨーグルトっ! 良しっ!
こうして幼き日の心を取り戻した私はノンストレスで観察を続けるのである、友達んこっ! うん、オケイだな……
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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