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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1810/1828

1810.理論派

 洗脳され掛けていたレオニードは判らない状態、意味ワカメなまま叫び出した…… 恐らく難しい事が判らないレイブがスキル『口八丁』を行使したのだろう、と、思う。


 理屈よりも断然行動、考える暇があれば汗をかけ! そんなレイブの特訓はここで一つの奇跡を呼び込む、じたばたも馬鹿にした物では無いな。


『お? おおお! こ、これはっ!』


 馬鹿みたい、いや馬鹿丸出しで叫んでいたレオニードは自分の体に起こった変化に驚きの声を上げた。

 一体何が起きたのか、見れば一目瞭然、全身のバランスがペトラの暴力的で一方的な蹂躙以前に戻り始めたのである。


『そうかっ! 部位に意識を振り向けなくとも循環させた魔力は自動的に余剰を不足に(なら)すんだな…… なるほどっ、話に聞く鬼の身体強化、()しくは自他の損傷を治癒する回復もこの特性を応用したスキル、なのだな…… これが命、そしてこれがグルグル、か……』


 二時間を超える叫びの結果、恐らくレイブやペトラですら辿り着いていなかったスキルの深遠にまで理解を進めたレオニードに普段のトーンに戻ったレイブの優し気な言葉が届く。


「そう、それこそがグルグルだよ、ドラゴンのブレスや悪魔が行使する絶技においても基本理論は変わらない、だけどね」


『レイブ?』


 レイブの言葉は静かな口調のまま続けられる。


「レオニードの兄貴が辿り着いたのはグルグルの(ふもと)、ほんの入り口に過ぎないんだ…… 目指すべき高み、頂は遥か彼方、なんだ、よ…… 道は果てしなく遠い…… でも、いつの日か、必ず……」


 何故か途切れがちな言葉にレオニードは返す。


『ああ、どれほど遠くても二人で辿り着こうじゃないか! 行こうっ、グルグルの境地へっ!』


 どうやら魔方陣的な境地を目指すらしい…… 旅立つ前に魔法オババに挨拶とかが必要かも知れない事態じゃないか、そこでククリとかにも出会えるだろうしな。


 レイブの声は沈痛さを増している、()しかしてジミナ村の場所を知らないとかそーゆー?


「すまないな、兄貴…… どうやら俺は行けそうに、無いよ…… ははは」


『れ、レイブ? な、何を言って…… はぅっ!』


 首を傾げるレオニードの目の前で、レイブの顔色は見る見る血の気を失い徐々に灰色へと変じさせて行く、石化だ。


『レイブ、いやレイブ殿っ! な、何故だっ! 折角、これからグルグルを極め様とっ!』


「俺の…… 習得、した、グルグル、が、未熟、だった、だけ、だ……」


 話している(わず)かな間にも顔面は石に変わり続けている、もう口元と髪の毛位しか残されてはいない。


『おおぉぉっ! レイブ殿ぉっ! こ、こんなぁ、うっうっうっうううっー』


 崩れ落ちるレオニードにレイブの微かな声音がギリ届く、もう唇の先端、数ミリしか動かせない様でいと小声だ。


「嘆かないで…… それよりも、グルグル、を…… もっと、グルグル、を…………」


『え、れ、レイブ殿? レイブ殿ーぉっ!』


「……………………」


 レオニードの叫びに最早レイブの声は返らなかった。

 どうやら全身が石と変じてしまったらしい。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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