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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)
181/1847

181.エピソード181 働く喜び

 今の所、大罪っぽい邪悪さは一度も感じられなかった?

 私と同じ感想をコユキも抱いたのであろう、ラストのピザに口を付けつつ、横で直立して控えているアセディアに対して声を掛ける。


「にしても、アンタって凄く良く働くわね、感心しちゃったわよ! なのに何で『怠惰(たいだ)』な訳?」


 うん、確かにこんだけ一所懸命に働いていて『怠惰』は違和感、つーかバグにしか思え無いよね。

 アセディアは僅か(わずか)にだが、恥ずかしそうな表情を浮かべながら答えた。


「お褒め頂きまして、あの、その、こ、光栄です! い、今でこそ、あの、は、働く喜びを与えられ幸せです。 実は…… 大罪に選ばれてから二十四年、コユキ様の前にはどなたも来られませんでしたが、この城、ボシェット城の周りを掃除したり、三匹の門番である『魔狼』たちのエサをあげたり、ブラッシングやグルーミング、トリミングをさせて頂いたりしながら、それなりに充実した人生、いや大罪生を過ごして参りました。 ですが、二十四年前、いわゆる生前の私はこんな喜びを知ることも出来ませんでした…… 正に、『怠惰』、その物だったのであります……」


「へぇ、そうなんだ? なんで?」


 何気無く聞いたコユキの一言を受けて、アセディアは急に落ち込んだ様な表情を浮かべて話し始めた。


「何故、で、すか? まあ、何て言うんですかね? 空回りって言うのでしょうか、面接とか行き捲ったんですが、一度も上手く行かなくてですね…… 挙句の果てには、冒険者ギルドの受付嬢、いや、受付の婆さんにも見捨てられ、無為にゲームの中に逃げ込み、公衆遊技場のプロになる事も出来ずに、何も分かってくれない聞き訳の無い暴力主義の中年男性(父親)に頬骨を砕かれる始末…… その上でやっと訪れたサクセスストーリー(錯覚)の始まる日に、どっかの馬鹿(おまえ自身)のせいでガス爆発、爆死したのでございます…… つまり、怠惰なままで命を失いました、まあ、幸か不幸か、死んだお蔭で、大罪を賜りまして、漸く働き続ける事が出来る人生、いえ、大罪生を得る事が出来ました。 コユキ様にお喜び頂いて、至福の喜びを感じられる今この時に感謝の二文字以外、いいえ、生きてて、あ! 死んでて良かったと超感謝に耐えないのであります」


「へぇ~、んじゃあ今だけじゃなくて、生きてた時? 二十四年前だっけ? その頃からずっと頑張って来たのね、アンタ!」


「え? はっ? 何です、か?」


 ピザを頬張りながらコユキが放った言葉に、思った以上に喰いついてきた、『怠惰のアセディア』に対してコユキがモグモグお行儀悪い感じで答える。


「ん? だってアンタ、死んじゃう前から、世の中? まあ、世の中で認められるように、評価されるために必死で頑張って来たんでしょ? それって凄いと思うわよ? アタシ的にはね」


 対するアセディアはポカンとしながらも、持ち前の頑張りを発揮して声に出した。


「いや、まあ、頑張ってはいましたけど…… 結果に繋がらなかった訳ですし…… あの、その、怠惰、ですよ、ね?」


 コユキは最後のピザの残った一切れを口中に押し込みながら、酷く適当な感じで答えた。


「結果に繋がらなかったのは確かに辛いだろうけど、それでアンタが『怠惰』って訳じゃないんじゃないの?」


「えっ?」


 驚きつつ聞き返したアセディアに対して、コユキは例の奴、質問返し(失礼の極み)をぶちかました。


「アンタってさあ? 若しかして勤勉の逆が怠惰だとか、変な勘違いしてんじゃない?」


と。


 アセディアは焦ったディア、いいや、焦ったように口にした。


「そりゃそうですよ! 勤勉の徳、その対照が怠惰の悪ですよね? 当然ですよね! ね、ね!」

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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― 新着の感想 ―
[良い点] アセディア、怠惰とは思えない、人の良さですね。コユキよりよっぽど良い人で、好感が持てます。ええ、だから、大罪としては大負けですね。自責の念が強すぎるのではないでしょうか。 [一言] 全世界…
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