1805.悲劇の連鎖
あれ? 俺何かやっちゃいました? 的に鈍感を通り越して愛するべき間抜け、若しくは忌むべき愚鈍さを発揮し続けイラつかせるレオニードの言葉を放置してレイブは向き直って言う。
「兎に角っ! この豚(妹ペトラ)はもう駄目だっ! この段まで来れば為すべき事は最早一つだけぇっ! レオニードの兄貴だけはっ! 我々の浅慮で膨らませ捲ってしまったブクブクと醜い汚物的な姿から復活させなければぁっーっ!」
レオニード(主役気分)は慌てて返す。
『え、俺? いや、まぁー主役っちゃあ主役なんだけどぉ…… 豚、いやペトラちゃんのが先なんじゃない? ほら、ギレスラ君だって途中だったんじゃ無かったっけか?』
なるほど、気分だけは主役でも中身はまだ追いついていない様だな…… あのね、主役は脇のゴミの事なんか気にしないんだよ? 精々後で思い出して、すまなかった…… およよ(泣)、とか言えば済んじゃうんだから。
現実社会でもまま見るけど自分を主役、他人は全部NPCとか思っているクソガキとかも同じ様に世界を見ているのだから頑張らないと…… まあ出来たら出来たでムカつくのだけどね。
令和のZ世代やそれ以前のキモオタとは違い、一応脇役の命にも配慮したまだマトモなレオニードにレイブは答える、堂々とした揺るがぬ意思を込めて、である。
「いやいやいやっ! 汚物の兄貴が先ですっ! あいつ等なんかほっとけば良いんですっ! んな物、直にラードとかちょっと悪めな財布やベルトの素材としてヨロシクやるでしょうからご心配無く! まずは兄貴ですよっ!」
『お、おう、そうかな?(汚物? って何?)』
「そうですっ!」(キッパリ)
『う、うん、じゃあそれで……』
脇役で矮小なニンゲンベースのレイブはメチャメチャ強気だ。
ならば従ってみてやるか、そう判断したレオニードである。
思いが伝わったのか、凡百で中庸で諸般な並大抵の平々凡々、幾らでも代わりがいるだろう掛け替えのあり過ぎる脇役は倒れた豚に代わる形で上廉泉に両手を当て、厳かに目を伏せながら尊っい主役の夜虎様からその高貴な魔力を吸い始める。
『お? おおぉぉっ! こりゃ楽だー! ああ、極楽極楽ぅー』
吸い始めて数秒、あっと言う間に口にしたレオニード。
その言葉が嘘で無く心からの物である証左に、つい数秒前まで出来の悪いボブルヘッド並みに巨大だった頭部が見る見る縮んで行ったのである、これなら俯いてばかりでは無く、それなりにプルプルしてくれる事だろう、良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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