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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)

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165/2029

165.イノセンス・メイデンズ (挿絵あり)

「フ ジャンボ! アリシアいないか…… 残念ね」


 鮮やかな太陽の色、オレンジ一色の装束に身を包んだ、褐色の肌を持った女性が話し掛けて来た。

 黙っていようと決めていたコユキであったが、反射的に返事をしてしまった。


「シ ジャンボ! って、あ…… ごめんなさい……」


 彼女は喜色満面の笑顔を湛えて口にするのだった。


「ごめん、ちがう! アリシアは大事! でも、エンカの故郷、ニホン、同じ位、大事ネ!」


 何だかコユキをフォローしてくれてるみたいだった、優しい、コユキもスワヒリ語圏の人をチョット好きになった瞬間であった。


 でも、アリシアって誰だろう?

 そう思った瞬間、カレーっぽいサンスクリット女子が重ねて言葉にした。


「強大な魔を感じちゃった! これアリシア、真なる聖女いないと(はら)えない! どうする? キャス? タンドリーチキン」


 この語尾…… 絶対に適当に付けてるだろう、梅干! っとコユキは真似しながら思った。

 そして、新たな声がその場に響いた。


「ズドラーストヴィチェ、貴方達、新世代は未だ知らなかったのねコフ、アリシアとラーシュの悲劇のお話しをニコフ」


 ゴージャスな赤と白のドレスでその身を包んだ、語尾から察するにロシアっぽい貫禄のある女性が言葉を発し、コユキ含んだ全員が彼女を見つめた。


「スウェーデンの聖女、いいえ我々イノセンス・メイデンズのリーダー、真なる聖女、アリシア・ニルソンと彼女のパートナー、聖魔騎士ラーシュ・ヨハンソンの二人は…… 二十四年前、ある高位悪魔の討伐に、クラックに入って行ったキリ…… 行方知れずになっているのよ、コフ」


「え、ほんと! アンビリバヴォー!!」


「まじアルカ……」


「やばいカレー、信じられないチャイ」


「うそだ! シリキウトゥンドゥ!」


「ごめんねコフ、マジなのよヴィチ」


 一様にショック状態であるようだ、聖女ショックっ!!


 そのメンバーの中でも若手、コユキと同い年のキャシーの発言力は、国力と比例して高い様で、WWW2後の世界ではやはり一目置かれている様であった。


挿絵(By みてみん)


「待って! 仮に大魔を(はら)えなかったとしても、今回の魔界クラックを見つけられたのは僥倖(ぎょうこう)! 敵性勢力を確実に削り取る事が出来るでショー! それをワタシの親友、コユキが成し遂げた事に、まずはイノセンス・メイデンズ全員で祝福を送るべき、べき? ん、んんんん? !?」


 四桐(シキリ)鯛男(タイオ)ばりに、仕切り始めていたキャシーは、コユキの両手に握られていたかぎ棒を目にした途端に、目を剥いてビックリ仰天の顔をした。

 そして、コユキに聞いたのであった。


「ね、ねぇコユキ? アンタなんで神器…… 二つ持ってんの?」


「え、これ? かぎ棒の事? えっと、予備だけど…… だめなのん?」


 コユキの返答に答えず、コユキの横でハグハグ羊羹を頬張っている善悪に目を移して、キャシーは少し緊張気味に声を掛けた。


「アンタ、あ、隣のクラス委員長だったコーフクだよね? ねぇ、アンタの持ってる黒いの、それなんなの?」


 答える善悪。


「ん、これでござるか? これは、僕ちんがお爺ちゃんから渡された念珠、半生ムニ、いやアンラ・マンユでござるよ」


 その言葉を聞いた聖女たち、いやその言葉が聞こえた至近にいた全ての聖女、聖戦士も揃って、戦いを放棄して膝を付いて丁寧すぎる礼をするのであった。


 キャシーがコユキと善悪に告げた。


「真なる聖女様、そして封印の担い手、聖魔騎士様に我等の尊崇(そんすう)を捧げます」


と。


 何が何やら訳ワカメのコユキと善悪に対して、大きい体と裏腹に親切なロシアの聖女、ナターシャが丁寧な説明をしてくれたのであった。

彼女が語った内容に、コユキと善悪の二人は大いに驚かされるのであった。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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[良い点] イノセンスメイデンズ、つまり巨漢女子の集団の絵面がやばすぎて面白かったです。画面がはちきれそうでしたね。語尾はあれでしたけど同じ立場、同じ魂の持ち主ということで、分かりあえるわけですね。良…
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