表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)
162/1849

162.Perfect Body (挿絵あり)

 追い掛けて来た善悪が不満そうに口に出した。


「僕ちんを止めて置いてずるいのでござる! 次は僕ちんが良い所を見せるでござるよ? りょっ?」


 いつに無く強固な善悪の希望にコユキも頷かざるを得なかった、故にこう答えたのであった。


「りょっ!!」


 その言葉を待っていたかのように、左手に広がる森林から、数多(あまた)の悪意が気配として、いや、もう姿も(あらわ)に登場してしまったのであった。


 グルルッルルルゥ!


 そこに居た、いや、その木陰から一気に走り出てきた魔物達は、牛の様な(ミノタウロス)山羊の様な(バフォメット)鶏の様な(コカトリス)蜥蜴の様な(バジリスク)猫の様な(カットシー)、それぞれ異形の化け物の群れであった。

 周囲が濃密な魔力に包まれる。


挿絵(By みてみん)


 対して、我等が『聖女と愉快な仲間たち』のリーダーたる善悪は、何故かハッとした表情を浮かべると、次の瞬間には突如両の瞳から流れ出た涙を拭い、静かに闘気を高めつつ、自身の首から提げた二振りの念珠を左右の手に握り込みながら、口を開いた。


「ここは、拙者()に任せるでござる! コユキ殿! 皆も力を温存するでござるよ!」


 そう言いながら、下位悪魔(レッサーデーモン)の群れの中に身を躍らせていくのであった。

 驚く事に、気を念珠、アフラ・マズダとアンラ・マンユに込めた善悪の姿は、本気になったコユキ同様、筋肉バリバリ、体脂肪率テンパー以下のムキムキマッチョだったのであった。


挿絵(By みてみん)


「えっ! えっ? ん、むお、キャアァ♪」


 思わずコユキが声に出してはしゃいでしまったのも無理は無い!

 それ程、今戦いに身を置いた善悪の姿は、ああ、そうね……

 しょうがないっ! 美しかったのである!(※あくまでも二人の孫の個人的な感想です)

 くっ! おじいちゃん格好良いぜ!

 

 そんな私の声は当然届く事も無く、我が(ジジイ)は戦いの中に身を置く事に一切の躊躇も無いようだ、くっ! 死ぬなよ! 爺っ!


 そんな私の心配など、まるで無用とばかりに悪魔たちを殴り潰していくお爺ちゃん!

 幸福(コウフク)善悪(ヨシオ)の戦闘力は凡百(ぼんびゃく)のそれとは一線を(かく)していたのである。

 長き月日を、妄想の中の敵と戦い続けてきた、通信教育のみで完成した格闘家は、思った以上に強かったのであった!


 振るうフックは一撃で敵たる悪魔の頭部を、いっぺんに数体以上を砕き散らし、振るった蹴りは周辺に群がる化け物達の四肢を引き千切るのであった。

 鍛えぬいた貫手(ぬきて)で、抉り(えぐり)取った化け物の内腑(ないふ)一瞥(いちべつ)もくれず、次に迫った異形の顔面を叩き割って尚、微笑を保つその姿には、神々しいほどの威容(いよう)を認めざるを得なかった。


「まだ、まだぁ! 喰らわせろぉ! 命を、よぉこぉせぇっ!!」


 うん、はっきり言おう! 幸福善悪は、化け物と化していた……

 何か今も、


「ぐへらぁ、ぐへらぁ! 来いぃ! もぁっとっ! くおぉいぃ!」


とか、返り血塗れ(まみれ)で叫んでいた…… くっ、残念至極……!


 これ、お坊さんなの? なんか思っていたのと違うんだけど……


 見た目は紛れも無く『美坊主』であったが、生まれて初めてであろう、自分の力、暴力に酔いしれる善悪の心は、最早、正常な人間と呼べる物ではなかった。


 分かり易く言うと、普段大人しくて揶揄われたりしている少年が、初めて手にしたエアガンで、罪の無い野生動物を撃ち捲り(まくり)続ける様な、胸糞悪い自己陶酔、俺ツエェェー! 楽しい! と笑いながら叫ぶ様な、(いびつ)愉悦(ゆえつ)に満たされていたのであった。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=140564926&size=200



fw2razgu4upfkla8gpm8kotvd1hy_1365_xc_ir_92ne.jpg
にくい、あんちきしょう…… ~食パンダッシュから始まる運命の恋~ は↑からどうぞ



eitdl1qu6rl9dw0pdminguyym7no_l63_h3_7h_23ex.jpg
3人共同制作の現場 小説創作の日常を描いた四コマ漫画 は↑からどうぞ



l7mi5f3nm5azilxhlieiu3mheqw_qn1_1kv_147_p1vu.jpg
侯爵令嬢、冒険者になる は↑からどうぞ
~王太子との婚約を一方的に破棄された令嬢はセカンドキャリアに冒険者を選ぶようです~ 



jvan90b61gbv4l7x89nz3akjuj8_op1_1hc_u0_dhig.jpg
見つからない場所 初挑戦したホラー短編 は↑からどうぞ



異世界転生モノ 短編です
8agz2quq44jc8ccv720aga36ljo7_c1g_xc_ir_97jo.jpg
【挿絵あり】脇役だって主役です ~転生を繰り返したサブキャストは結末を知りたい~ は↑からどうぞ



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] ありますよねぇ。戦闘時のハイテンション。アドレナリン出まくりですね。戦闘時はクールなのもいいですが、ハイテンションに暴れ狂うほうが私も好みです。良いと思います [一言] 人間誰しも狂気を…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ