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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)

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149.カーリー

今回の話には


『128.ナガチカ (挿絵あり)』


の内容が関わっています。

読み返して頂くとより解り易く、楽しんで頂けると思います^^

 何やら光影はツミコさんの事にも詳しい様だ、そう思った善悪は突っ込んでみる事にした。


「ツミコさんが出鱈目(でたらめ)ってどう言う事でござるか? それに叔父さんが浮かばれないって、叔父さん交通事故で亡くなったんでござろ?」


 光影は胸のポケットからタバコを取り出すと、火を点けてから大きく一度吸い込んだ後、話を続けるのであった。


「あの人はな、聖女にあるまじき禁忌(きんき)を犯したんだよ、平たく言うと敵である悪魔と恋仲になっちまったんだと、確か『カーリー』っていう大物だったって話だ」


「え、まじ?」


「ああ、結局はカーリーは顕現するためにツミコさんを利用しただけで、家の親父とツミコさんで速攻(はら)ったらしいけどな、その時のショックだかで、それ以降の戦いには参加しないで引き篭もっちまったらしくてな、親父はたった一人で戦い続けて、結局悪魔に返り討ちって訳だ……」


 善悪は戦慄していた、出されたケーキを紅茶と一緒に味わっている自分の前で無許可でタバコを吸うなんて、と……

 そしてついでに思ったのだった、拙者の前って子供の頃に亡くなった叔父さんだったんだなぁ、へ~、と、何の感慨も無く思ったのであった。


 職業柄、人の死に対して鈍感になっている、等と言う事は無かったが、何となく残された叔母さんからの洗脳臭がプンプンしていた事も無感動の理由だった。


 たぶんだけど、叔父さんツミコさんの事好きだったんじゃ無いかな? と思えた。

 塞ぎ込んだツミコさんへの思いを振り払うように叔母さんと結婚したとか?

 もしそうなら、叔母さんが潜在的なレベルでツミコさんの事嫌っちゃうのも納得だ。

 幼い息子と二人残されて、光影に言い聞かせる話しが、多少誇大妄想気味でも仕方がないだろうし…… そんな事を善悪が考えていると、光影が話題を戻した。


「まあ、お前は気を付けろよ、こういった調べ物の類だったら、俺も協力できる範囲で手伝わせて貰うからな」


「え、いいのでござるか?」


「まあな、実は上野で俺の女房と息子が世話になったらしくてな、その、なんだ、『大きな人』コユキさんだったか?」


「そうであったか…… 確かナガチカ君でござったな、そうか、みっちゃんの息子さんだったでござるか」


 善悪もコユキがいつかの夕食時に話してくれた話を思い出し、改めて世間は広い様で案外狭い、と感心するのであった。


 その後、茶糖家の人々が魂を奪われて昏睡状態であることや、仲間達が揃った事、いずれ魔王みたいなのと雌雄(しゆう)を決するであろう事を話した。

 光影は一層険しい表情を浮かべて、もう一度出来る限りの協力を約束してくれたのであった。

 

 その後、屋敷を辞して軽バンに乗り込もうとした善悪に向かって、光影は思い出したように告げるのだった。


「おい、よしお! その石どれも剥き出しで放り出しとくんじゃ無いぞ」


「え? 何ででござるか?」


「放射能反応すごかったからだよ、ベータ線とかな、紙じゃだめだぞ、プラスチックかなんかの容器にでも入れとけよ」


「うわっ!」


 返してもらった四種類の石を、思わず助手席に放り出す善悪に光影は苦笑しつつ言った。


「そこまで心配しなくても大丈夫だって、まあ自然被曝に比べりゃべらぼうな数値だから気を付けるに越した事は無いがな」


「……ソフビとかで大丈夫であろうか?」


「あー、まあ、いいんじゃないか」


「ホッ」


 そんなやり取りを経て、ちょっと疲れを感じながら帰ってきた善悪なのであった。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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